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ソニー、AI技術で4K映像から特定の人を切り出す映像制作支援ソフト

ソニーマーケティングは、AI技術を活用して、4Kカメラで撮影した映像から特定の出演者をHD映像で自動的に切り出す「オートフレーミングソフトウェア」を9月に発売する。サブスクリプション形式で、参考システム価格は250万円/年間。

オートフレーミングソフトウェアは、4Kカメラの映像から骨格推定、人物認識、最適画角推定などのAI技術により、特定の出演者の顔を認識し、HD映像として最適な画角で自動で切り出すという。切り出された複数のHD映像はGUI上に切り出し候補として表示され、その中から任意の映像を選択して出力可能。

タッチパネルモニターに表示された切り出し映像の中から使いたい映像をタップするだけで出力映像を選択できる、シンプルで使いやすいGUIを提供。また、切り出された映像のズーム倍率の変更や切り出し位置の調整も可能だという。

単独の出演者の自動切り出しに加え、複数の出演者を同じ画角内でまとめて切り出す機能や、単独の切り出し映像を1つに組合せた4画面合成などにも対応し、番組制作に必要な様々な画角を生成できるとしている。

従来のスタジオ番組制作では、スタジオ内に配置された複数カメラの専任カメラマンが、ズームやパン、チルトなどの制御を行なう必要があったが、オートフレーミングソフトウェアを活用することで、固定の4Kカメラ1台を設置するだけで、あたかもマルチカメラで撮影しているようなスタジオ番組制作が可能だという。

また、オプションを追加することで4Kカメラを2系統に増設できるほか、ソニーのリモートカメラシステムと組み合わせた自動追尾機能にも対応。スタジオ番組制作の効率化とコスト削減を支援するとともに、予算や人員の都合で対応が難しかった番組においても、制作の自由度が広がるとしている。

なお、このソフトウェアは、3月19日発表の日本テレビ放送網と共同実施した「映像自動切り出しシステム」実証実験で使用したソフトウェアをベースに開発を進めている。