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Spotify、クリエイター支援強化。ポッドキャスト制作者育成「Sound Up」

Spotifyは、ポッドキャストクリエイターの育成プログラム「Sound Up」の国内展開を発表。専用サイトにて参加希望者の募集を開始した。応募期間は7月25日23時59分まで。

Sound Upでは、ポッドキャスト番組の企画から制作、配信するためのノウハウを習得できるカリキュラムを提供。前期、後期の2期制で、前期の実施期間は9月27日から10月22日まで。番組企画提案書の作成から、トレーラーの制作まで行ない、前期課程を修了すると、2022年に実施の後期課程に参加できる。

日本で初となる今回の募集対象は、日本在住で20歳以上の女性(性自認が女性の人も可)で、募集人数は10名。

Sound Upは、各国の抱える課題を元にコミュニティーを限定して展開するものとし、世界経済フォーラムが発表した「ジェンダー・ギャップ指数2021」において、日本が120位となっていることから、「日本の女性にスポットライトを当てる」としている。

Sound Upを通じて、自分らしく生きたいと考える日本の女性たちが自身の考えや価値観を発信する独創的なポッドキャスト番組を生み出すサポートを行なうことで、国内音声コンテンツの多様化と市場の活性化に取り組むとする。なお、選考する番組のアイディアは社会問題をテーマにしたものには限定していない。

また、Sound Upは今後も継続して提供を予定しているため、今回の対象は女性のみだが、「声というメディアを通じて、自分らしさを追求したい一人でも多い方達へ今後も継続してこのプログラムを提供していきたい」としている。

プログラムの企画・運営を担当するファシリテーターには、3月に実施された「JAPAN PODCAST AWARDS」で大賞を受賞した「味な副音声~voice of food~」と、昨年大賞を受賞した「歴史を面白く学ぶコテンラジオ」でそれぞれパーソナリティを務める、フードエッセイストの平野紗季子氏とBOOK代表取締役の樋口聖典氏が就任。相談役としても受講生をバックアップする。

「味な副音声~voice of food~」パーソナリティ 平野紗季子氏
「歴史を面白く学ぶコテンラジオ」パーソナリティ 樋口聖典氏

Spotifyの日本国内での戦略としては、クリエイター支援を主軸に、音声市場の拡大を目指すとしている。これまでのオリジナルコンテンツの開発もクリエイターやコンテンツホルダーとの協業がベースとなっていたが、今後はこの活動の幅を広げ、加速化するという。

クリエイター支援は、Discovery(発掘)、Community(共有)、Incubation(育成)の3つの軸を同時に推進。Sound UpはIncubationの軸における活動となる。

Discoveryでは、JAPAN PODCAST AWARDS内にNEXTクリエイター賞を創設することで、すでに活動中のクリエイターを発掘。すでに、今年発表された受賞者とはSpotify内でコラボ企画が展開されている。

Communityでの取り組みとして、すでに配信中で日本国内の音声コンテンツ発信に使用されているアプリ「Anchor by Spotify」を紹介。スマホでポットキャスト番組の録音、編集、配信、データ分析など、音声コンテンツを始めるに当たって必要な行程がワンストップで行なえる無料アプリで、複数のプラットフォームへ配信可能なことが特徴としている。

今後、新機能の追加やSpotify関連コンテンツとの連携機能の強化を予定。新機能やAnchorのクリエイターによるコンテンツ情報のSNSでの発信も予定。

また、コミュニティサポートの一環としてSpotify Studios TOKYOを設立。スウェーデン、ニューヨーク、ロンドンに続く、4つ目のスタジオでアジアでは初となる。コロナ禍では多くの人数で集まるのは難しい状況だが、国内のパートナー企業やクリエイター達に収録で活用してもらうほか、オンラインイベントなどに活用していくという。