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Technics、同軸ユニットや内部構造が進化したスピーカー「SB-G90M2」

SB-G90M2

Technicsは、グランドクラスシリーズの新スピーカー「SB-G90M2」を11月26日に発売する。価格は1本298,000円。カラーはブラック。3ウェイ4スピーカーのバスレフ型で、同軸2ウェイユニットを採用している。

SB-G90M2
SB-G90M2

フロア型のスピーカーで、同軸2ウェイのミッドレンジ+ツイーター×1、ウーファー×2を搭載。点音源を追求し、同軸ユニットは新開発の「Advanced Phase Precision Driver」を採用。ツイーター部分に、高域の位相特性を補正する「Linear Phase Plug」を新たに追加した。

ドーム形状振動板の高さに起因する位相差を補正する役割で、到達時間の速い振動板中心部の波面進行を遅らせ、周辺部の波面進行と揃えている。亜円錐の形状によってユニットからの球面波を整える機能もあり、同軸ユニットの位相ずれを補正、低歪みで透明感のあるハイレゾ再生と広いサウンドステージを実現したとする。

さらに、ミッドレンジの振動板形状も見直し、2つのユニットの音のつながりを追求した。浅型振動板と音の反射の少ない滑らかな形状のエッジで形成される「Smooth Flow Diaphragm」により、放射音の波面が整った球面波を形成。同軸ユニットの音のつながりや指向特性、位相特性を改善した。

中央に新形状のリニアフェーズプラグを配置
ミッドレンジの振動板形状も見直した

ウーファーは16cm径×2。新たに、バイワイヤリング接続にも対応しており、ウーファーからの中高域への影響を除去できる。

バイワイヤリング接続にも対応

ユニットの固定方法も進化。バッフルに固定する従来の方法では、ユニットが微妙に上下に振動。それがバッフルに伝わると余分な音が出る事になる。そこで、バッフルではなく、筐体内部にマウント用のサブバッフル板を配置。マグネットの部分で固定する“重心マウント構造”を採用。必要な音だけを正確に再生できるようになったという。

さらに、同軸ユニットとウーファーのスピーカーマウントバッフルを分断することで、相互干渉を排除。これらにより、粒立ちの良い音・立体的な音場が向上したとする。

バイワイヤリング接続にも対応
マグネットの部分で固定する“重心マウント構造”を採用

16cm径のウーファーは2基搭載。同軸ユニットと同じくアルマイト処理されたアルミニウム振動板を採用しており、音色の統一を図っている。磁気回路は高い駆動力を生み出すダブルマグネット、ロングボイスコイル、銅リングを採用したロングストローク設計。

16cm径のウーファー

エンクロージャー内部で発生する定在波を効果的に抑制するための新構造「Standing Wave Termination Structure」をエンクロージャーの下部配置。単一断面のシンプルな音道構造を設けて、音道の中に音のエネルギーを集中させることで、音道内に配置した少量の吸音材で効率良く定在波を除去できるとしている。吸音材は定在波が発生する周波数以外の音も吸音してしまうことから、この構造によって吸音材の使用を減らし、「生き生きとした自然な中低音を再生する」という。

下部に集中的に吸音材を投入した「Standing Wave Termination Structure」を配置

ネットワーク回路基板はユニットとは音響的に分離された空間に収め、音響振動の影響を低減。各ユニットやネットワーク本来の実力を引き出し、明瞭な音像と豊かな空間の再現や、躍動感に溢れた音楽の描写を実現したとする。

ネットワーク回路は、メタライズドポリプロピレンフィルムコンデンサー、空芯コイル、積層鋼板コア型コイルなどを活用している。

背面のスピーカー端子は、新たにバイワイヤリング対応とし、真鍮製のターミナルを採用。ウーファーの逆起電力の中高域への影響を除去できるほか、シングルワイヤリング時に使用するショートワイヤも、音質劣化の少ない高品位なパーツを使用している。

真鍮製スパイクと受け皿を各4個付属。再生周波数帯域は33Hz~90kHz。インピーダンスは4Ω。外形寸法はゴム足使用時で292×366×1,093mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約35kg。