ソニー、立体音響「360 Reality Audio」の普及を加速。機器や楽曲を拡充

ソニーは20日、没入感のある立体的な音場を実現する360立体音響技術を活用した音楽体験「360 Reality Audio(360RA)」を楽しめる環境を広げるべく、対応機器の拡大や対応楽曲の拡充などを加速させると発表した。

対応機器の拡大と普及に向けた具体的な環境整備の第1弾としては、Amazon Music Unlimitedにおけるヘッドフォン再生での対応。

既報の通り、10月19日よりAmazon Music Unlimitedで配信されている360 Reality Audioコンテンツの再生機器にヘッドフォンを追加。これにより、全てのヘッドフォンで360 Reality Audioコンテンツを体感できるようになり、立体的な音場による没入感ある音楽体験をより幅広いシーンで楽しむことができるようになった。

MPEG-H 3D Audioをサポートする「Android 12」

また、360 Reality Audioの普及に向け、Google提供のプラットフォーム「Android 12」において、360 Reality Audioを含む国際標準MPEG-H 3D Audioのサポートが開始。これによりAndroid 12を搭載する機器メーカーは、従来より容易に360 Reality Audioの実装が可能となり、対応機器の拡大が見込まれるとのこと。

ソニーは現在、ワイヤレススピーカーやヘッドフォン、スマートフォンほか、360 Reality Audioコンテンツの再生に対応したサウンドバー「HT-A7000」やホームシアターシステム「HT-A9」を発売し、対応機器の拡大を進めている。これに加え、ソニーがライセンス提供している他社製ヘッドフォン(オーディオテクニカ、ラディウス)や、サウンドバー(ゼンハイザー)、AVプロセッサ(マッキントッシュ)、スマートスピーカー Amazon Echo Studioなどの360 Reality Audio認定機器も順次発売されるという。

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対応楽曲数としては、これまで7,000曲以上の360 Reality Audioコンテンツが複数のストリーミングサービスを提供。ゴスペラーズやYOASOBIといった邦楽アーティストから、アリシア・キーズ、デュラン・デュラン、リル・ナズ・X、P!NK、ピンクフロイドなどの洋楽アーティストに至るまで、幅広いジャンルの人気楽曲を配信している。「音楽ファンに没入感のある音楽体験を届けるために、今後も対応楽曲の拡充に取り組んでいきます」という。

また、独立系アーティストが360 Reality Audioコンテンツを配信するための技術協力もスタート。

具体的には、ストリーミングサービスへの音楽配給を行なうサービスプラットフォーム「Tully App」を運営するVertical Craft社、およびそのプラットフォーム開発を行なうEVEARA社が共同で開始する、独立系アーティスト向けの360 Reality Audioコンテンツ配信サポートサービスに技術協力。

年内開始予定の上記サービスは、独立系アーティストが制作した360 Reality Audio対応コンテンツをTullyにアップロードするだけで、コンテンツ管理やストリーミングサービスへの配信を可能にするという。メジャーアーティストだけでなく、幅広いアーティストの楽曲配信を支援することで、360 Reality Audioコンテンツの裾野を広げていくとしている。