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オーテク、開発中のイマーシブマイクがMotoGP収音マイクに採用

開発中のイマーシブマイクロフォン(写真中央)

オーディオテクニカは、開発中のイマーシブマイクロフォンが、オートバイレースの最高峰「MotoGP」の収音マイクに採用されたと発表した。

同社のイマーシブマイクロフォンは、ユニット径12mmのマイクを8本搭載し、没入感あるサウンドを収音できるもの。軽量・小型に設計されているため、フィールド内でも目立たず設置できる。2022年中の発売を目指して開発が進められており、仕様の詳細や価格は未定。

設置例

マイク部は1本1本取り外し、コンパクトなケースにすばやく収納できるなど、1人のオペレーターだけで現場対応できるため、「特にスポーツ中継のようなテンポの速い環境で、リアルタイムに臨場感ある音を捉えたいと考えているプロデューサーやエンジニアの要望にお応えする製品」という。スポーツ以外にも、コンサートホールや野外フェスなど、あらゆる会場の環境音を捉えるのに最適とのこと。

そんなイマーシブマイクロフォンを採用したMotoGPでは、7.1.4チャンネル/5.1.4チャンネル専用オーディオ・コントロール・ルームの設置など音響設備の強化が計画されており、今回は没入感ある音を収音する目的に叶う製品としてイマーシブマイクロフォンを採用した。同マイクはポディウムやパルクフェルメ、ピットレーンなど、開催サーキットの主要箇所に設置される。

オーディオテクニカは、2019年からMotoGPの放送全体を管理するDorna Sports S.L.から指名を受けて、MotoGPのオフィシャルマイクロホンサービスソリューションプロバイダーを務めており、サーキット内だけでなく、報道カメラ用や会見などでもMotoGPの放送を支えている。

Dorna Sports S.L.のメディアテクニカルディレクターであるDaniel Laviñaは「オーディオテクニカのマイクを導入してすぐに、トラック収音の質が格段に向上したと感じました。広域周波数に対応する非常に優れた音圧レベルや感度を備えているためレースの収音にも最適で、1カメラポジションから次のカメラへの質の高いつなぎが可能になりました」としている。

そのほかオーディオテクニカは2021年シーズンのMoto2クラスチャンピオンを獲得したRemy Gardnerや、日本人ライダーの長島哲太、佐々木歩夢など、選手へのサポート活動も行なっている。