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自動でシート震わせ、危険をドライバーに伝達。デンソーテン

デンソーテンは、周囲の車が、自車に接近している事を、シートの振動でドライバーに伝えるといった用途で活用できる技術を開発。映像・音響信号を含む3Dオブジェクトデータから、振動効果を与える場面・タイミングを自動で検出、音響信号と連動した振動信号をリアルタイムで自動生成できるようにした。ソフトモジュールとして、2022年度中の実用化に向け準備を進める。

従来、椅子やシートを振動させるためには、振動効果を与える場面を人間が特定し、その場面に対応した振動信号も人が生成する必要があった。

新たに開発された技術を搭載したソフトモジュールに、映像・音響信号を含む3Dオブジェクトデータを通すと、振動効果を与える場面・タイミングの検出と、その場面に対応した振動の生成を、自動かつリアルタイムに行なってくれる。

これにより、座面や背もたれなどに組み込まれた複数の振動デバイスをリアルタイムに個別に制御することで、振動を活用した情報提示が可能になるという。

具体的には、車両に搭載したカメラやマイクから得た3Dオブジェクトデータをもとに、周囲の車両等が自車に接近した際の接近感覚を振動で知らせたり、ナビゲーションとの連携により右左折等の進路指示を振動の方向感で提示、といった事が可能になる。運転シミュレータに組み込めば、「より現実感のある疑似的な運転体験」が実現できるという。

さらに、複数の振動デバイスに入力する振動信号の振幅、周波数、遅延などのパラメータを個別に制御する事で、少ない振動デバイスでも任意の箇所で振動感や振動の方向感を再現できるとする。

この技術には、車載音響システムやホームオーディオシステムなどで培った音響信号制御のノウハウが活かされているとのこと。