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スティールシリーズ、バッテリー交換できるANCゲーミングヘッドセット

「Arctis Nova Pro」

スティールシリーズジャパンは、ゲーミングヘッドセット「Arctis」の新モデルとして、アクティブノイズキャンセリング(ANC)や独自の360°Spatial Audioに対応した「Arctis Nova Pro」を発表した。有線モデルとワイヤレスモデルを用意し、有線モデルは8月5日発売、ワイヤレスモデルは9月2日発売。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は、それぞれ38,470円前後、56,070円前後。予約は7月26日より受け付けている。

「ゲームに集中したいが周りの雑音が気になる」や「いつ充電が切れるかいつもハラハラしている」、「PlayStationやXboxでイコライザーを使用したい」といった従来モデルのユーザーからの声を受けて改良を施したモデル。

ANCは、同社のカントリーマネージャーである石井靖人氏によれば「いわゆる一般的なオーディオ(向け)のANCとは若干異なる」といい、具体的にはPCのファンノイズやキーボード音を中心にノイズを除去し、よりゲームに集中できるようなチューニングが施されている。イヤーカップ外部に搭載した2基のマイクが外部音をモニタリングし、同時に内部に搭載した2基のマイクにより、ノイズとゲーム音のバランスが調整される。

外部音を取り込める「トランスペアレンシーモード」も搭載。電源ボタンを二度押しするだけでモードを変更できる。

マイク部は従来のArctisシリーズと同じく、双方向性マイクを装備する。加えてPCソフトウェア「SteelSeries GG」に追加された「Sonar」ソフトウェアにAIノイズキャンセル機能が用意されており、これを組み合わせることでよりノイズの少ない通話ができるという。外出中にも使えるよう、マイク部はイヤーカップに完全に収納できるデザインとなった。

音質面では、ドライバーを含む主要コンポーネントをすべて見直して、2層のダイアフラムを採用するなど、新しいドライバーを搭載。こちらもSonarと組み合わせることで、「従来のゲーミングヘッドセットとは全く異なる音質を実現」したとする。

Sonarの独自アルゴリズムでは、7.1ch(もしくは5.1ch)のサウンドトラックから音の正確な位置を判断し、独自の360°Spatial Audioを作成できる。PlayStation 5のTempest 3Dオーディオ、Microsoft Spatial Soundとの互換性も確保した。

PCと家庭用ゲーム機の双方で同じヘッドセットを使いたいという声を受け、マルチシステムコネクトを採用した。ワイヤレスモデルに付属するBase Station、有線モデルに付属するGameDACの背面に、USB-Cポートを2基搭載しており、PC、Mac、PlayStation、Nintendo Switchなど、使用したいデバイスをふたつ同時に接続が可能。低遅延の2.4GHzワイヤレス接続を、ケーブルを差し替えることなく、ボタンひとつでシームレスに切り替えられる。

ワイヤレスモデルでは、交換可能なバッテリーを採用した。製品にはバッテリーが2個同梱されており、ヘッドセット側のバッテリーが切れた場合も、予備バッテリーに差し替えることで充電切れを気にすることなく使用できる。バッテリーはBase Station側部にある充電ポートで1個を常時充電できる。

独自の通信技術「Quantum 2.0 Wireless」により、2.4GHzの低遅延ワイヤレスとBluetoothの両方を同時に使用可能。ゲームをプレイしながら、スマートフォンでDiscordやLINEなどで通話を楽しめる。

本体に付属するBase Station/GameDACには、イコライザー機能を搭載し、10の周波数帯の調整が可能。Sonarが使用できない家庭用ゲーム機でもイコライザー調整ができる。そのほか、接続している2デバイスの切り替え、ゲーム音量とチャット音のバランス調整ができる。有線モデルに付属するGameDACにはESS製 Sabre Quad-DACを採用し、前モデルから音の再現性が78%向上、一般的な製品と比較して50倍の高精細な音質を実現したという。

ヘッドセットは、Bang & Olufsenや北欧家具などでもデザインを手掛けるJakob Wagner氏と共同でデザイン。「より通常の生活に溶け込みつつ、高級感を持つヘッドセットを作りたい」という思いでデザインされた。イヤーカップは上下に調整可能で、ヘッドバンドの位置調整により好みの装着感を実現できる。イヤーパッドは合皮で耳を優しくカバーするといい、長時間でも快適に使用できる。

PCソフトウェアのSonarでは、ミキサー機能や周波数帯を自由に選択できるパラメトリックイコライザー、Spatial Audioの空間の広さ、定位感の調整、AIノイズキャンセルの強度などを調整可能。イコライザーはチャット音、マイク音声も調整できる。このSONARは他社製ヘッドセットでも利用可能という。

製品の発表会にはスティールシリーズのエティシャン・ラバーニCEOも登壇し、「スティールシリーズは、世界トップのeスポーツブランドだ。世界上位25名のeスポーツ選手は、スティールシリーズの製品を使うことでより多くの賞金を獲得しており、世界中のゲーマー数千人に対して、eスポーツ分野のNo.1ブランドを聞いた調査では、多くのユーザーがスティールシリーズを挙げてくれた。このポジションを守るべく、より賢明に取り組んでいく」と語った。

製品発表会にはプロeスポーツチームのREJECTとFOR7の選手も登場した