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韓国LG Display、厚さコイン2枚分の車載用スピーカー

韓国LG Displayは現地時間11月21日、自動車向けの新しい音響技術「Thin Actuator Sound Solution」の開発を発表した。パスポートサイズ(150×90mm)で、厚さはコイン2枚分の2.5mm、重さは40gと薄型軽量が特徴のスピーカーで、2023年前半の商用化が予定されている。

従来のスピーカーは、ボイスコイルやコーン、マグネットなどの部品が大きく重いのに対し、Thin Actuator Sound Solutionは同社のフィルム型エキサイター技術を活用して薄型軽量を実現。従来のカースピーカーより重さは30%、厚みは10%に抑えられた。独自技術によりディスプレイなど、車体内部のさまざまな素材を振動させて音を発生させることで、3Dイマーシブサウンドが楽しめるという。

コンパクトなサイズと、革新的なフォームファクターにより、ダッシュボードやヘッドレスト、ピラーなど、車内のさまざまな場所に設置でき、座る位置による音質のバラつきをなくすことが可能という。また内蔵型のためスピーカーグリルが不要となるほか、通常の車載用スピーカーに必要なスペースを音質を損なわずに削ることができるため、自動車の限られた空間をより効率よく利用できる。

従来型のスピーカーに使用されているネオジム(Nd)といった希土類元素も使用しないため、環境にも配慮できるとのこと。

LG Displayの副社長兼事業開発本部長であるYeo Chun-ho氏は「従来は重くてかさばる存在だったスピーカーを、私たちの最先端技術で高品質の“見えない”サウンドソリューションに変えることで、スペース、デザイン、エコの要素を高め、次世代のサウンド体験を提供する」と述べている。

このThin Actuator Sound Solutionは、スペース効率やデザイン、サウンド、エコフレンドリーさなどが評価され、CES 2023のIn-Vehicle Entertainment & Safety部門でInnovation Awardを受賞。2023年1月5~8日にアメリカ・ラスベガスで開催されるCES 2023では、世界的オーディオ企業と共同開発したThin Actuator Sound Solutionを展示するという。