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LG、ピーク輝度2,100nitの第3世代有機ELパネル。視野角も30%向上

韓国LG Displayは、ラスベガスで開催中のCES 2023において、マイクロレンズアレイ技術を搭載した第3世代有機ELパネルを発表した。4K解像度の55型・65型・77型、および8K解像度の77型・88型パネルから採用し、今後すべてのラインナップに展開する予定。

[CES2023] 3rd Generation : META Technology

第3世代有機ELパネルでは、“METAテクノロジー”と名付けた新しい技術を搭載。第2世代パネルのEXテクノロジーに続き、重水素化合物による有機材料の耐久性向上と最適化されたアルゴリズムを採用しながら、前世代比で最大30%の輝度向上を実現した。

これにより、“現在市場に出回っているテレビディスプレイの中で最高レベル”とする2,100nitものピーク輝度を達成。「有機ELの圧倒的な画質と完璧な黒に、さらなる明るさを加えることで、仮想と現実の境界線をあいまいにし、観る者を魅了する強烈かつ緻密な色表現を実現する」という。

マイクロレンズアレイ

METAテクノロジーのカギとなっているのが、有機ELパネルの発光を最大化するマイクロメートルサイズの凸レンズ層。この「マイクロレンズアレイ」(MLA:Micro Lens Array)により、パネルに反射して失われていた光を取り出すことに成功。同じ明るさの場合と比較して、エネルギー効率を22%向上させるという。

77型の第3世代4K有機ELパネルにおいては、合計424億個のマイクロレンズを搭載。1ピクセル当たり約5,117個のマイクロレンズが、内部反射によって失われていた光を放出することで鮮明な描写が可能になった。

従来パネル(左)との比較。内部反射していた光を、マイクロレンズアレイで取り出すことで、高い輝度を実現する

もう一つのカギが、独自の輝度向上アルゴリズム「META Booster」。各シーンの輝度をリアルタイムに分析・調整することで、画面の輝度と色表現。HDR映像がより強化され、「これまでで最も正確な色表現、より詳細で鮮やかな画像を表現する」という。

また、第3世代有機ELパネルでは、視野角も向上。最大輝度が半分になる角度が最大30%改善し、160度の広い視野角を実現。画像の歪みなしにあらゆる角度で正確な画像を提供できるようになった。

なお、マイクロレンズアレイを搭載した有機ELパネルは、先日発表されたパナソニックの新フラッグシップ有機ELテレビ「MZ2000」にも採用されている。