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英スピーカーEPOS再始動。第1弾はブックシェルフ「ES14N」

ブックシェルフ「ES14N」。スタンドは別売

タクトシュトックは、英国のスピーカーブランドである「EPOS」の取り扱いを開始。第1弾モデルとして、ブックシェルフスピーカー「ES14N」を3月1日より発売する。価格は、37.4万円(1本)。カラーはブラック(BLK)、ホワイト(WHT)、ウォールナット(WNA)。専用スタンド(18.7万円・ペア)、スピーカー/スタンドセット(特価88万円・ペア)も用意する。

写真左からブラック、ホワイト、ウォールナット。スタンドは別売

EPOS(エポス)は、1983年にロビン・マーシャルによってイギリスで設立されたブランドだが、2020年に音響設計コンサルタント会社「FINK AUDIO-CONSULTING」の代表を務めるカール・ハインツフィンクに売却されている。今回発売されるES14Nは、約2年の開発期間を経て正式発表された“新生EPOS”のプロダクトとなる。

ES14Nは、EPOS誕生時に人気を集めた2ウェイ・ブックシェルフスピーカー「ES14」を、現代の技術を取り込みながらリファインしたモデル。ブックシェルフとしてはやや大きめなサイズ、クラシックな外観、7インチ(178mm)ウーファーの採用など、初代のコンセプトはそのまま引き継いだ。

ウーファーとツイーターの時間軸を合わせつつ、前後の定在波モードを助けるためにフロントバッフルを後方へと傾けた新しいキャビネット形状を採用。素材は2層のMDF構造で、最新世代のダンピング・グルーで層を接着。パネルの振動モードを制御し、キャビネット全体の不要輻射を低減するために、ブレーシングを追加した。

フロントには、メインキャビネットに接着・ネジ止めするプレートを追加。2,000~3,000Hzの回析をコントロールするため、45度の面取りを施した。

内部

キャビネットは38Hzのチューニング周波数となっており、高速かつ正確な低域再生を実現。バスレフポートは、空気の流れによるノイズが最小になるよう形状から緻密に設計され、ポートの共振を補正するために中央部に開口部を設けた。開口部はソフトな素材で、ポートの不要な共振を抑制する。

一般的なスピーカーターミナルは無く、ケーブル接続のための端子はドイツ製4mmバナナソケットタイプで、内部の金属プレートにマウント。初代ES14のアイデアを踏襲したもので、「ハイエンドなスピーカーターミナルを採用するよりもはるかにサウンド面で有利」とする。

背面

ウーファー部のコイルは2層のみで、追加された補正リングにより、激しいピストン動作に対してもインピーダンスは常に一定で、クロスオーバー変調を回避する仕組み。エアーコイルは歪みを発生させないという。また、ウーファーとアンプの間に小さな抵抗を入れる事で、ダンピングファクターの違いに影響されにくい設計とした。

ツイーターは専用設計の28mmサイズ。低域パフォーマンスが向上し、7インチウーファーとの自然な繋がりを実現した。アルミニウム合金ドームは、セラミックでコーティングし剛性を強化。またファブリック・サラウンドと特殊形状のコントロールリングにより、共振ピークは約30kHzとなり、聴覚限界である20kHzから大きくシフトさせた。

ツイーター

フェライトマグネットの採用により、ドームおよびサラウンドの背面に多くの空間を確保。小さすぎるキャビティによる圧縮と歪みを抑制した。またフェライトマグネットにはカッパーキャップを追加することで、超高周波でのレベルを向上させているという。

新設計の7インチポリプロピレン・ドライバーを搭載。特殊な形状となるよう、射出成型を行ない、10%のマイカを混入させる事で理想的な剛性を実現したという。サラウンドは低ダンピングラバーで、ダストキャップは使用せずに金属製のフェーズプラグを採用。「最高の軸外動作と美しいロールオフを実現している」とする。

36mmのボイスコイルは、非金属のTILフォーマー(TIL:グラスファイバー/エポキシレジン混合物)に18mm長の銅線を2層巻きにしたもの。マグネット形状は、シミュレーションにより、コイルの移動に伴うインダクタンスの変動が非常に少なく、リニアな挙動を示すように最適化。これにより、線形歪みと相互変調歪みが最低レベルに抑えられ、過去のマグネットシステムとは異なるレベルを実現した。

ウーファー

メインマグネットはフェライトで、ポールピースにネオジウムディスクを使用する事により、リニアな動作を実現。中心部にある金属製フェーズプラグは、コイルの熱対策にも役立つという。また全てのパーツは、剛性と良好なダンピングを両立するべく、新設計の高剛性なガラス繊維強化樹脂製のバスケットに取り付けているという。

周波数特性は、40Hz~23kHz(-6dB)/33Hz~25kHz(-10dB)。能率は87dB(2.83V/1m)で、全高調波歪は0.2%(THD@1W)。クロスオーバーは2,700Hz。平均インピーダンスは6Ω以下で、最低インピーダンスは4.3Ω(160Hz)。

外形寸法は、250×385×491mm(幅×奥行き×高さ)。重量は16kg。