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ソニー、第3世代認知特性プロセッサ“XR”搭載の4K有機EL「A80L」

65型「XRJ-65A80L」

ソニーは、人の脳のように映像を認識する認知特性プロセッサー「XR」を搭載した4K有機ELブラビア「A80L」シリーズを、4月22日より順次発売する。サイズは、55型、65型、77型をラインナップ。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は39.6万円前後(55型)から。

4K有機ELブラビア「A80L」シリーズ
・77型「XRJ-77A80L」 約847,000円 5月20日発売
・65型「XRJ-65A80L」 約506,000円 4月22日発売
・55型「XRJ-55A80L」 約396,000円 同上

65型「XRJ-65A80L」

2022年8月に発売した「A80K」シリーズの後継。A80Kの基本性能を継承しつつ、ノイズと動きブレを抑制した機能を新搭載したほか、最新パネルによるピーク輝度の向上、ゲームプレイに最適な専用メニューが新たに組み込まれている。

同時発表のミニLED4K液晶「X95L」、直下型LEDバックライト搭載4K液晶「X90L/X85L」、エントリー4K液晶「X80L/X75WL」シリーズは、別記事を参照のこと。

認知特性プロセッサー「XR」が第3世代へ進化

55・65・77型共に、4K/3,840×2,160ドットの最新有機ELパネル(WOLED)を採用。ピーク輝度が最大10%アップした。120Hzの倍速駆動もサポートする。

映像エンジンは、第3世代へと進化した認知特性プロセッサー「XR」。'23年モデルには、「XRクリアイメージ」と呼ぶ新機能が追加されており、放送波を含むあらゆるコンテンツにおいてノイズや動きブレが抑制され、より精細感のある映像が楽しめるようになっている。

担当者によれば、「認知特性プロセッサーXRでは、従来も放送波のNRや動きブレ対策は行なってきましたが、新しい『XRクリアイメージ』では、それぞれのコンテンツの解像度、エンコード情報、ビットレートといった特性をこれまで以上に細かく分類・認識できるようになったことで、映像に合わせた処理を施せるようになった」という。

ベゼル部分

温度予測に基づいた発光制御と独自構造を採用した「XR OLEDコントラストプロ」を引き続き採用。XRによる映像処理を組み合わせることで、発光性能を最大化し、明るく高コントラストな映像を可能にした。

色再現領域の拡大と精細な色描写を実現する「XR トリルミナスプロ」、あらゆる映像を4Kに高精細化する「XR 4Kアップスケーリング」技術、動きの速い映像でもクッキリかつ滑らかに描写する「XR OLEDモーション」技術などを搭載。HDR10、HLG、Dolby VisionのHDR規格もサポートする。

スタンドは3パターンから選択可能。写真は標準設置の場合

サウンドシステムは、画面自体を振動させて映像と音の一体化を実現する「アコースティックサーフェスオーディオプラス」。3基のアクチュエーター、2基のサブウーファーを搭載した3.2chシステムになっており、実用最大出力は77型で60W、65・55型で50W。

ソニーのサウンドバーなどと接続した時に、テレビスピーカーをセンタースピーカーにする「アコースティックセンターシンク」、Atmos以外のコンテンツでも左右・高さ方向の3次元立体音響を生成する「3Dサラウンドアップスケーリング」などを搭載。Dolby Atmosもサポートする。

専用UI「ゲームメニュー」を新搭載

ゲームメニュー

ゲーム信号を検知したときに動作する、専用UI「ゲームメニュー」を新たに搭載。これはゲームのステータスや設定などのアシスト機能を集約したもので、シューティングゲームで活用できる中心点表示「クロスヘア」、暗部を持ち上げて視認性を高める「ブラックイコライザー」、プレイ画面のちらつきやカクツキを抑える「VRR」などの操作ができる。

ユニークなのは、「画面サイズ調整」。画面をそのまま縮小できる機能で、例えば65型モデルの場合でも、30型前後の画面サイズで表示することが可能。見慣れたゲーミングモニターのサイズに合わせたり、視線の移動距離を減らしながら対戦相手の動きを確認する場合などに活用できるという。

画面サイズ調整は、後日ソフトウェアアップデートでの対応。画面を小さくすることによる表示遅延はないとのこと。

スタンド

搭載チューナーは、BS4K/110度CS 4K×3、地上/BS/110度CS×3。別売の外付けHDDを接続すれば、2番組の同時録画も可能。放送視聴中の裏番組録画や2番組同時録画が行なえる。

OSは「Google TV」。独自のBRAVIA COREほか、NetflixやPrime Video、Hulu、Disney+、TVer、ABEMA、U-NEXT、Apple TV、YouTube、DAZNなどの各種映像配信サービスが楽しめる。Bluetooth式リモコンには「U-NEXT」「Netflix」「Hulu」「Prime Video」「ABEMA」「Disney+」「YouTube」の7つのダイレクトボタンを用意する。

リモコン

無線LANは、IEEE802.11ac/a/b/g/n。Googleアシスタント、ハンズフリー音声検索、Chromecast built-in、Apple AirPlay 2ほか、ホームネットワーク機能(DLNAクライアント)も備える。

ECOモードや省電力設定など、“エコ”に関連する設定を一カ所に集約した「ECOメニュー」を新採用。設定内容によって、ECOメニュー内の木のグラフィックが変化する仕組みになっていて、環境光センサーや無操作電源オフなど、より“エコな設定”にすると木の葉の大きさが変化するという。

LINE連携機能の「ブラビアみまもり」も引き続き搭載。留守番中の子どものテレビの使用状況をLINEで確認したり、メッセージの送信、視聴の制限を行なうことができる。

背面

HDMI入力は4系統で、入力3・4がHDMI 2.1をサポート。4K120p入力や可変リフレッシュレートのVRR、自動低遅延モードのALLMに対応する。eARCは入力3のみ可能。PS5連携機能のオートHDRトーンマッピング、コンテンツ連動画質モードにも対応。4K120p入力時のフル解像度表示も行なえる。

HDMI以外の端子として、ビデオ入力(4極ミニ)、光デジタル音声出力、センタースピーカー入力、ヘッドフォン出力、USB、LANを備える。スタンドは外側/内側/サウンドバースタイル(ハイポジション)の3パターンを選ぶことができる。

スタンド内側時
サウンドバースタイル時

消費電力と年間消費電力、外形寸法、重量は以下の通り。

【消費電力と年間消費電力】
・XRJ-77A80L:592W 274kWh/年
・XRJ-65A80L:449W 214kWh/年
・XRJ-55A80L:351W 187kWh/年

【スタンドを含めた外形寸法と重量】
・XRJ-77A80L:172.2×38.5×102.7cm/標準・スタンド内側時(幅×奥行き×高さ)
        172.2×38.5×106.9cm/サウンドバースタイル(同) 36kg
・XRJ-65A80L:144.8×32.7×86.2cm/標準・スタンド内側時(同)
        144.8×32.7×90.4cm/サウンドバースタイル(同) 24.2kg
・XRJ-55A80L:122.7×32.7×73.8cm/標準・スタンド内側時(同)
        122.7×32.7×78.0cm/サウンドバースタイル(同) 18.8kg

A95Kは今期継続販売。ソニー有機ELの最上位機種の位置付けは変わらず

なお、A80Kの上位には4K有機ELブラビアのフラッグシップ「A95K」、42型・48型サイズの「A90K」(2022年発売モデル)があるが、今期は継続販売される。

A95Kの後継を国内で発売しない理由については、「A95Kは付加価値の高い商品であり、A95Kがソニーの有機ELテレビの最上位機種であるという位置づけは変わらず訴求を続けてまいります」とのこと。また、時期を変えて後継機を出すか否かについては、「今後の商品展開にかかわるものなので、コメント差し控えさせていただきます」とのことだった。