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“ゲーム専用メニュー”搭載の2023年ブラビア。選び方のポイントまとめた

ミニLEDバックライト搭載4K液晶「X95L」シリーズ

ソニー・ブラビアが、2023年発売の新しい液晶テレビと有機ELテレビを発表した。今年は、画質・音質ともに進化したミニLEDバックライト搭載モデル「X95L」シリーズを筆頭に、6シリーズ22機種をラインナップする。今月22日から、4K有機EL「A80K」や4K液晶「X80L」の一部モデルが店頭に並ぶ予定だ。

型名タイプ85型77型75型65型55型50型43型
A80L有機-84.7-50.639.6--
X95L液晶99-71.547.3---
X90L液晶60.5-4435.2---
X85L液晶---27.521.5--
X80L液晶41.8-30.824.218.716.515.4
X75WL液晶--24.218.714.913.812.7

※数字は店頭予想価格(万円)

AV Watchでも各モデルを概要をお伝えしたが、最も反響が大きかったのが“ゲーム専用UIを搭載した4K液晶”である「X80L」と「X75WL」のニュースだった。'23年モデルから搭載される新機能「ゲームメニュー」が注目を集めたカタチだが、実はエントリーのX80L/X75WLはゲームメニューは搭載しているものの、最新ゲームをフルに楽しむ場合に欲しい「4K120p」や「VRR」といった信号には対応していない。そのあたりの注意ポイントをまとめた。

「ゲームメニュー」は、2023年発売の新ブラビア全機種に搭載

前述したように、今回のブラビアから搭載されるのが、ゲーム信号を検知したときに動作する専用のユーザーインターフェース「ゲームメニュー」だ。

ゲームメニュー

これは、ゲームのステータスや設定などのアシスト機能を集約したもの。シューティングゲームで活用できる中心点表示「クロスヘア」、暗部を持ち上げて視認性を高める「ブラックイコライザー」、プレイ画面のちらつきやカクツキを抑える「VRR」など、ゲームプレイに直結する機能のオンオフや調整がまとめられている。

メニューの場所がバラバラだったり階層が深いと、リモコンでの手間数ばかりが増えてしまうが、今回のゲームメニューのように一画面内に集約されていると、オンオフ操作はもちろんのこと、微調整も行ないやすいのがメリットだ。

ブラビア:X95Lシリーズ 【ソニー公式】

各項目の中でもユニークなのが「画面サイズ調整」。プレイ画面をそのまま縮小できる機能で、例えば65型モデルの場合でも、30型前後の画面サイズで表示することが可能。見慣れたゲーミングモニターのサイズに合わせたり、視線の移動距離を減らしながら対戦相手の動きを確認する場合などに活用できる。

画面サイズ調整は、後日ソフトウェアアップデートでの対応ではあるが、他のテレビメーカーにはない機能。「ゲームプレイは小さい画面の方が見やすいから、大型テレビはいいかな…」という考えだった方は、一度試してみるといいかも知れない。

なお、このゲームメニューは、2023年発売の新モデル・6シリーズ22機種に共通して搭載されている機能になる。そのため、新モデルであれば、どれを選んでも表示させることが可能。ただ残念ながら、2022年以前に発売された古いモデルは非対応だ。

4K120p入力は「X85L」以上。60pであればエントリー機でもOK

このように、ゲームを楽しむユーザーにとって便利なゲームメニューだが、冒頭でもふれた通り、最新ゲームをフルに楽しみたい場合は「4K120p」や「VRR」といった信号のサポートも確認しておきたいポイントだ。

2023年発売の新機種6シリーズをザックリ分類すると、以下のようになる。

  • A80L:4K有機ELパネル(倍速)、XRプロセッサー
  • X95L/X90L:4K液晶パネル(倍速)、XRプロセッサー
  • X85L:4K液晶パネル(倍速)、HDR X1プロセッサー
  • X80L:4K液晶パネル(等速)、HDR X1プロセッサー
  • X75WL:4K液晶パネル(等速)、X1プロセッサー

このなかで、PlayStation 5やPCゲームなどがサポートする「4K120p」「VRR」といったHDMI2.1信号を入力できるのは、倍速パネルを搭載する「X85L」以上のグレードが対象。4入力あるHDMIの内、2入力がHDMI2.1をサポートしている。

4K有機EL「A80L」シリーズ
4K液晶「X90L」シリーズ

また、4K120pの信号を水平・垂直のフル解像度で表示できるのは、XRプロセッサー搭載の「A80L」「X95L」「X90L」の3シリーズに限られる。この3シリーズは、4K120p入力・ゲームモード時において、入力遅延8.5msを実現しているため、より遅延の少ない状態でゲームが楽しめるのが特徴。最高の状態でゲームプレイを楽しみたい、と言う場合はXRプロセッサー搭載機を選ぶのがいい。

4K液晶「X80L」シリーズ
4K液晶「X75WL」シリーズ

エントリーシリーズの「X80L」「X75WL」は液晶パネル自体が等速のため、リフレッシュレートは最大60Hzまで。43型や50型といった比較的小さなサイズを用意するシリーズで4K120pやVRR対応機が無いのは、少し残念な気もするが、60Hzのゲームを楽しむだけなら、倍速モデルよりも表示遅延の面で有利(下記記事参照)。4K120p、VRRにこだわらなければ、エントリーモデルでもゲームプレイは楽しめるだろう。

なお、2023年の新モデルは従来シリーズ同様、PlayStation 5を接続した際に動作する「オートHDRトーンマッピング」(接続したモデルに合わせて自動でHDR調整)、「コンテンツ連動画質モード」(表示する映像素材に応じてブラビアの画質モードを変更)が全機種に搭載されている。

阿部邦弘