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TAD、1本275万円のEvolutionシリーズフロア型「TAD-GE1」。ブックシェルフに黒モデル
2023年8月31日 16:00
テクニカル オーディオ デバイセズ ラボラトリーズ(TADL)は、Evolutionシリーズの新スピーカーとして、「TAD-CE1TX」のユニットや木目調デザインを取り入れたフロア型「TAD-GE1(Grand Evolution One)」を11月下旬に発売する。価格は1本275万円。
3ウェイ・バスレフ方式で、ユニットサイズはツイーターが3.5cm径、ミッドレンジが14cm径、ウーファーが18cm径。ウーファーは2基搭載する。再生周波数帯域は27Hz~100kHz。クロスオーバー周波数は250Hz、1.8kHz。出力音圧レベルは88dB(2.83 V・1 m)、最大入力は250W、定格インピーダンスは4Ω。
位相の一致したポイントから広帯域にわたり指向性をコントロールして再生する中高域用の同軸スピーカーユニット「CSTドライバー」を搭載。ミッドレンジのコーンにより同軸配置されたツイーターの指向特性を制御。ツイーターとミッドレンジのクロスオーバーにおける位相特性と指向特性を一致させることで、全帯域で自然な減衰特性と指向放射パターンを両立しながら、CSTドライバーのみで250Hz~100kHzという広帯域再生を実現している。
ツイーターには、独自の蒸着法で加工したベリリウム振動板を採用。軽量で剛性に優れており、コンピューター解析による最適化手法「HSDOM(Harmonized Synthetic Diaphragm Optimum Method)」を用いて形状を設計。分割振動とピストンモーションの最適バランスを導き出し、100kHzまでの超広帯域再生が可能。
ミッドレンジには、実用金属の中で最も軽く内部損失が高いというマグネシウム振動板を採用。表面に化成被膜と塗装による複合処理を施すことで、表面硬度のさらなる向上と損失の付加を図り、材料固有の共振音による影響を排除。「歪みの少ない澄み切った中音再生を実現した」という。サスペンションと振動板における中高域での逆共振を制御し、低歪化と立下り特性の改善も行なった。
ウーファーには、「MACSII(Multi-layered Aramid Composite Shell 2nd generation)」振動板を採用。アラミドの織布と不織布を5層にラミネートした振動板をさらに改良し、センターキャップとコーンを一体化した1ピースのシェル状(殻形状)振動板の物性最適化を行なったもの。
ダブルウーファー構造にする事で、豊かな低域とクリアでカラレーションのない素直な中低域再生を両立したとする。
筐体には、高い制振性と強度を持つSILENT(Structurally Inert Laminated Enclosure Technology)エンクロージャーを採用。高剛性のバーチプライウッド(樺合板)を骨組みに使用し、内部損失の高いMDF材と組み合わせることで、高い強度と低い共振を実現。
内部の定在波解析を行ない、低次の定在波モードを低減する「AFAST(Acoustic Filter Assisted System Tuning)」も採用。最適な吸音材を選定し、効果的に配置することで、音像・音場に悪影響を及ぼす内部定在波を抑制した。
底部にバスレフポートを配置し、開口部を前後へレイアウト。そのポート内部をホーン形状とすることで、ポートノイズを低減した効率のよいポート駆動を可能にした「Bidirectional ADP(Aero Dynamic Port)システム」を採用。
ポートフレアにはアルミダイキャストを使用し、ポートを前後の対称レイアウトとすることで、エンクロージャーを振動させる力を打ち消し、豊かで力強い低域を再生できる。
15mm厚のアルミベースプレートを採用することで、安定した設置も可能。「強力な駆動力を持つウーファーのリアクションをしっかりと受け止める」という。
エンクロージャーの仕上げには、木目が美しい「トロピカル オリーブII」材を採用。「TAD-CE1TX」で人気というトロピカルオリーブ柄を継承し、さらにその美しさを生かす濡れたような質感を持つ全面鏡面仕上げにしている。
外形寸法は394×547×1,212mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は64kg。