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ヤマハ、AIで自動車内の音響を最適化する新技術。'25年市場投入

ヤマハは、AIを活用して自動車の車室音響を最適化し、新しい音楽体験を提供する新技術「Music:AI」を開発した。2025年の量産開始に向けて開発中のハイエンドアンプに搭載し、国内外の自動車メーカーに販売する。

自動車の車内空間は、多彩な音響エンタテインメントを楽しむ「セカンドリビング」に進化しており、これに伴って複雑化する音響システムの迅速な調整、多様化する音楽や映画などのコンテンツごとに相応しい音響特性の適用、音質パーソナライズの実現など、従来のチューニング技術では対応できない高度な最適化が求められているという。

同社では「卓越したチューニングエンジニアの技術と感性を学習させた『Music:AI』により、これまでにない音楽体験を提案する」とのこと。

Music:AIは、「Music:AI for Cabin」「Music:AI for Music」「Music:AI for Person」の3つの技術で構成されている。

音響チューニングでは、車種ごとにその車室空間の音響特性に適応させることが不可欠で、for Cabinでは、ホール音響で培った物理音響チューニングノウハウをアルゴリズム化。全スピーカーからの音波が、すべての座席でリアルな音像を結ぶ位相関係を導き出し、車種ごとに最適な音響空間を作り出す。

また楽曲の魅力を最大限に表現するためには、楽曲ごとに最適な音響パラメータが必要とのことで、for Musicでは、ホームオーディオで培った感性音響チューニングノウハウを学習させて、躍動感・透明感・広がり感など、楽曲の個性に応じて出力信号を調整。楽曲ごとに最適な音響空間にする。

最後のfor Personでは、楽器開発で培った感性評価ノウハウを応用。AIが対話を通じて網羅的かつ効果的に音質と印象の関係を把握して「好みの音」を見つけ出し、リスナーごとに最適な音響空間に仕上げる。これは「お客様が今まで気づかなかった好みの音を発見する新しいアプローチ」だという。