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キヤノン、ミラーレスカメラ最上位「R1」。11月発売

EOS Rシステムのフラッグシップモデル「EOS R1」

キヤノンは、ミラーレスカメラ・EOS Rシステムのフラッグシップモデルとなるフルサイズカメラ「EOS R1」を11月に発売する。価格はオープンプライスで、キヤノンオンラインショップでの価格はボディ単体で1,089,000円。予約受付は23日10時から。

2024年5月に開発を明らかにしていたRシステム初のフラッグシップモデル。'20年2月に発売した「EOS-1DX Marl III」の高信頼性・高耐久性を継承しながら、高い撮影性能を兼ね備えたという。

このR1と、同時発表されたフルサイズカメラ「EOS R5 Mark II」向けに最適化した、フルサイズ裏面照射積層CMOSセンサーを自社開発。デュアルピクセルCMOS AFに対応し、読み出し速度の高速化とローリングシャッター歪みの低減を実現している。

R1では有効画素数最大約2,420万画素のフルサイズ裏面照射積層型CMOSセンサーを搭載。常用ISO感度100〜102400(静止画撮影時)をカバーすることで、明るい屋外でのスポーツ撮影から夜間の報道撮影まで、さまざまなシーンでの高画質撮影ができる。

アプリケーションなどを介さず、カメラ内で最大約9,600万画素の画像を生成できる「カメラ内アップスケーリング」機能も利用できる。

高速読み出しの積層センサーと、大量のデータをセンサーから読み出し、高速な分析が必要なAE/AF検出などの解析処理を瞬時に行なう映像エンジン「DIGIC Accelerator」を新たに開発。

新映像エンジンシステム「Accelerated Capture」や新AFシステム「Dual Pixel Intelligent AF」を採用

このDIGIC Acceleratorと映像エンジン「DIGIC X」を組み合わせた新映像エンジンシステム「Accelerated Capture」を搭載する。この新システムにより、高速連続撮影や高速AF処理、ローリングシャッター歪みの低減などを実現している。

デュアルピクセルCMOS AF IIから進化した「Dual Pixel Intelligent AF」を搭載。被写体が交錯するシーンが多いチームスポーツなどでも、被写体を追い続けるためにトラッキング性能を強化したほか、人物が小さい場合でも検知可能な「上半身検知」、障害物が被写体の前を横切るシーンなどでも被写体の頭部と、その前に重なる障害物を見分ける「頭部領域推定による障害物回避」により、精度の高いトラッキングができる。

また、サッカーのシュートなどの特定の動作の被写体をカメラが自動で認識し、素早くAFフレームを合わせる「アクション優先」機能も搭載。あらかじめ狙いたい被写体を登録して、優先的に追尾する「登録人物優先」機能は'21年11月発売の「EOS R3」比で、顔がななめに向いた際の検出性能を向上させている。

さらにデュアルピクセルCMOS AFでは初めて、トラッキング中最大約100×100%エリア内すべてでクロスAFに対応。被写体の模様や障害物の影響を抑えて、被写体を捉えることができ、安定した撮影を実現する。

検出できる被写体は、人物の「瞳、顔、頭部、胴体、上半身」、動物優先で「犬、猫、鳥、馬」、乗り物優先で「モータースポーツ(車、バイク)、鉄道、飛行機(ジェット機・ヘリコプター)」を選択できる。

視線入力AFも利用可能。EOS R3からセンサーの高画素化と配置改善、光源LEDの追加などにより、撮影者の目を検出可能なエリアを広げ、目の位置がずれた場合や、メガネ装着時の検出安定性を向上させた。

検出アルゴリズムも改善し、検出フレームレートも約2倍に向上させている。なお、動画撮影時は視線入力は使用できない。

電子シャッター時、AF/AE追従しながら最高約40コマ/秒を実現しており、30コマ/秒、20コマ/秒などの中間のコマ速も設定可能。電子シャッター時のローリングシャッター歪みは、高速読み出しによりEOS-1DX Marl IIIのメカシャッター同等レベルに低減したという。

ボディ内5軸手ブレ補正を搭載し、レンズ内光学式手ぶれ補正を備えたRFレンズとの協調制御もできる。その場合は中心最大8.5段、周辺最大7.5段の手ブレ補正効果を発揮する。広角特有の画面周辺でのブレを抑制する周辺強調制御も利用できる。

RAW撮影した静止画をカメラ内で処理し、ノイズを低減した高画質画像を生成する「ニューラルネットワークノイズ低減」機能も利用できる。

EOSシリーズ最多となる約944万ドット、ファインダー倍率約0.9倍、EOSシリーズ最高輝度の新開発OLED電子ビューファインダーを搭載した。

動画撮影機能としては、フルサイズ画角での6K/60p RAWや、4K/120p MP4動画のカメラ内部記録が可能。EOS R3より種類を増やし、2K-D Fine/2K-D/FHD Fineも選択できる。

暗所での撮影にも対応できる動画常用ISO32000を達成。ノイズリダクションのアルゴリズムも改善し、EOS R3よりもさらに高感度撮影時のノイズを低減している。

また新センサーとエンジンシステムにより、ローリングシャッター歪みを大幅に低減。EOS R3と比べて、6K/60p RAW、4K/60p、フルHD/240pのいずれの場合も半分以下、4K/120pの場合、約53%の歪みで、パンニングするようなシーンでもより歪みが目立たないという。

動画撮影中に静止画記録が可能で、動画撮影を止めずに最高約10コマ/秒の連続撮影ができる。

従来のピクチャースタイルに加え、CINEMA EOS SYSTEMと共通のカラープリセットである「カスタムピクチャー」を搭載。「Canon Log 3」と比べて、中間から暗部の階調性が高い「Canon Log 2」や、カラーグレーディング不要のBT.709ベースの設定、HDR設定を選択でき、CINEMA EOSと“親和性のある画作り”ができる。カメラでLUTファイルの適用も可能。

動画撮影時に便利なタリーランプや赤枠強調表示などが利用できる
HDMI Type-Aや有線LANポートなどを備える

カメラから離れた位置からでも動画の記録状況を把握できるタリーランプ、動画撮影中に背面モニターの周辺を赤く光らせる強調表示、動画撮影ボタンを押す3秒、または5秒前から映像を記録できる「プレ記録」機能などを搭載。本体側面にはフルサイズのHDMIポートも備える。

背面モニターはバリアングル式。従来のEOS-1DX Marl IIIは固定式だったが、「EOS-1DX Marl IIIと同等の堅牢性を確保できるようになったため」バリアングル式を導入したという。

筐体外装にマグネシウム合金を採用し、EOS-1DXシリーズと同等の防塵防滴仕様を実現。縦グリップ一体型で、重さは1,115g。グリップパターンは高いグリップ力を実現するという新しいパターン(クロスパターン)を採用している。

カードスロットはCFexpress Type-Bスロットをデュアルで搭載

バッテリーパックは、EOS-1DX Marl IIIやEOS R3と共通の「LP-E19」で、静止画撮影可能枚数約1,330枚を実現した。カードスロットはCFexpress Type-Bスロットをデュアルで搭載する。

またEOSシリーズで初めてIEEE 802.11ax規格相当に対応し、高速無線通信が可能。おなじくEOSシリーズで初めて高速な有線LAN規格である2.5GBase-Tにも対応した。

キヤノンフォトハウス銀座など4箇所で、19日11時よりタッチ&トライも開始。こちらの予約は18日10時より専用サイトで受け付ける。そのほか、無料のオンラインタッチ&トライ(完全予約制)も実施する。