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『九人目のジェダイ』長編アニメシリーズ化決定、Disney+で2026年配信

『スター・ウォーズ:ビジョンズ』Volume3 10月29日(水)よりディズニープラスで独占配信開始
(C)2025 Lucasfilm Ltd. 2025 Getty Images

幕張メッセで開催された「スター・ウォーズ セレブレーション ジャパン 2025」において、Disney+でVolume3の独占配信開始を予定しているオリジナルアニメシリーズ『スター・ウォーズ:ビジョンズ』が 10月29日に独占配信される事が発表。さらに、Volume1で人気を集めたProduction I.G制作『九人目のジェダイ』が「ビジョンズ」初の長編シリーズ化され、アニメシリーズ『Star Wars Visions Presents -The Ninth Jedi』として2026年に配信されることが決定した。

『Star Wars Visions Presents -The Ninth Jedi』について、ゲストとして登壇した神山監督は「Volume3では、塩谷監督がさらに続編を作ってくれるんですが、『九人目のジェダイ』では自分のフォースによって色々と変わるライトセイバーというのが、この作品の一番の特徴だと思います。色の変わるライトセイバーを発明したお父さんを探しに行くカーラのストーリーを描くシリーズになりますが、一体どういう理由でそういったライトセイバーを作ったのか、そういった秘密が語られていくストーリーになるんじゃないかなと思っています」と明かした。

神山監督
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イベントにはシリーズ製作総指揮ジェームズ・ウォーと、各アニメスタジオから神風動画の水野貴信監督、キネマシトラスの垪和等監督、橘正紀監督、Production I.Gの塩谷直義監督、神山健治監督、TRIGGERの大塚雅彦監督、WIT STUDIOの山元隼一監督、プロジェクトスタジオ Qの小林浩康監督、ポリゴン・ピクチュアズの吉平直弘監督、デイヴィッドプロダクションで共同プロデューサーを務めるジェイコブ・エアーズらが登壇。Volume3で登場する新作アニメーションに関する最新情報が発表された。

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『スター・ウォーズ:ビジョンズ』はアニメ業界を牽引し、世界的評価を得るアニメーションスタジオがクリエイター独自の視点と発想で新たな「スター・ウォーズ」を描く、ルーカスフィルムの一大プロジェクト。

10月29日に配信開始となるVolume 3では、Volume1でも制作を担当した4つのスタジオに加え、新たに5つのスタジオの参加が決定。9つのアニメスタジオが、9つの短編作品を送り出す。

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製作総指揮を務めるジェームズ・ウォーは「このシリーズは、独自のカルチャーであるアニメーションの世界から『スター・ウォーズ』を見たらどうなるんだろうと思ったところから始まりました。これまでのシリーズではCGもあれば美しい手描きのアニメーションもあり、本当に特別な作品を配信することができました。そして、もっと日本のスタジオの作品が見たいと思いました」と語り、Volume3の3つのファーストルックをスクリーンに映し出し、会場からは大きな歓声が上がった。

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Volume1から引き続き参加する神風動画の水野貴信監督は、世界中のファンから大きな反響を呼んだ『The Duel』の続きの物語『The Duel Payback』を制作。神風動画+ANIMAとして、CGスタジオのANIMAと共同制作で臨んだ本作では、グランドマスターというジェダイの新キャラクターが登場し、数多くのシスを追いかけ倒し続けたローニンの前に立ちはだかる最大の敵となる。

水野監督は「この最大の敵を倒すためにシスと手を組みます。グランドマスターは人間というか機械というか……そんな感じのキャラクターで、ローニンに対してなんらかの因縁を持っているキャラクターです」と語った。

ほかにも、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(エピソード9)』や『マンダロリアン』シリーズに登場したアンゼラ人のキャラクターや、『スター・ウォーズ/新たなる希望(エピソード4)』のカンティーナにいた宇宙人に影響を受けて作ったキャラクター、さらに賭場付きの温泉宿をモチーフにした建物が合体した和風AT-ATのような巨大戦闘車両などの新ビジュアルもファンに向けて初公開した。

キネマシトラスの垪和等監督は、Volume3で『村の花嫁』の続編として『彷徨う者たち』を制作。Volume1の舞台はオーダー66の後。帝国の支配がまだ届いていない惑星キーリアでは奇妙な結婚式が行なわれており、花嫁のハルに自らの境遇を重ねた逃亡者エフの物語が描かれた。続編では主人公で元ジェダイのエフが戦争に巻き込まれた子どもたちと関わっていく物語を描く。

垪和監督は続編のストーリーと見どころについて、「続編では主人公のエフがあの後どこに行くのか。そして戦争で大変な目に遭った人たちはどこに向かうのか。戦争で家族や大切な人を失った者たちは一体どうやって生きていくのか? というお話になっています。“エフが子供たちと関わりながら未来を見つめる”というのがメインテーマになっています。」と語り、新たに登場するキャラクターについては、「まだ秘密です!」とファンを期待させた。

Production I.GからはVolume1で『九人目のジェダイ』の監督を務めた神山健治監督の後を受けて続編の脚本・監督を務める塩谷直義監督が登場。続編となる『The Ninth Jedi: Child of Hope』では、主人公カーラがシスに捕まってしまった父を探す冒険の物語が描かれる。

塩谷監督は「カーラの物語はものすごく壮大ですが、その中で僕が作るのは短編なので、短い中でどう物語を作り上げるかということに注力しました。今作は、カーラにとって“生涯忘れられない物語”になります。物語の舞台となる世界ではカーラが生まれる前からずっと戦争が続いていて、戦争に巻き込まれた人が大勢いる。アクションシーンもありますが、カーラが“戦う”というよりも“守る”物語になっています」と語った。

キネマシトラスからは『ユコの宝物』を手掛ける橘正紀監督が登場。タトゥイーンを舞台に描く本作に登場するのは、甘えん坊な男の子ユコと、巨大なお世話ドロイドのビリー。一緒に暮らしている二人が事件に巻き込まれていく物語が描かれる。

ビリーは青色のかわいらしいクマの見た目をしたモフモフの巨大ドロイドで、家族のいないユコの世話をしているキャラクターだ。初お披露目されたビリーのキュートなビジュアルと映像に、会場からは黄色い歓声が上がった。橘監督はビリーのキャラクターデザインについて「ユコはみなしごで、甘えん坊で寂しさも抱えている少年なので、ビリーは一緒にいて安心する、包容力のあるキャラクターにしたかったんです」と明かした。

TRIGGERからは、Volume1で『The Elder』の監督を務めた大塚雅彦が、新作『The Smuggler』を手掛ける。舞台は新しく登場する惑星だそうで、主人公の Chita は密輸業者のキャラクター。大塚監督は「密輸業者といえば、ハン・ソロだよねという話になりました。惑星は新しいですが、いろいろな国の要素を取り入れて『スター・ウォーズ』の世界に溶け込むデザインにしようと思いました。前回はシリアスな物語だったので、今回はならず者が登場する活劇みたいな感じになっています」と語った。

WIT STUDIOからは『The Bounty Hunters』を手掛ける山元隼一監督が登場。「アクション満載です」と山元監督が語る本作には、賞金稼ぎのセブンとドロイドの IV-A4(イヴァフォー)のコンビが登場。2人が怪しげな実業家に雇われるところから不思議な冒険物語が始まる。山元監督は「IV-A4(イヴァフォー)は面白い変形をして様々な形体を見せてくれますし、相棒のセブンとの関係もぜひ楽しんでいただきたいです。アクション活劇になっています。」と語った。

プロジェクトスタジオ Qからは小林浩康監督が『四枚羽の詩(よんまいばねのうた)』を手掛けており、日本の音楽界でも華やかな経歴をもつ世界的アーティストのテイ・トウワが作曲を務める。主人公はプリンセスで、なにか秘密をもつドロイドも登場する。

小林監督は「四枚羽といえば『スター・ウォーズ』ではXウイングですが、今回はそれをモチーフにしました。AT-AT など、『スター・ウォーズ』のエッセンスとして大きなメカを入れ込んでいます。メカが得意なスタジオなのでメカがたくさん出てきます」と、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』や『機動戦士 Gundam GQuuuuuuX Beginning』を手掛けたプロジェクトスタジオ Q ならではの仕上がりになっていることを明かした。

ポリゴン・ピクチュアズからは吉平直弘監督が『極楽鳥の花(ごくらくちょうのはな)』を手掛ける。若きジェダイであるパダワンが登場する物語を、現実の世界と幻想的な世界を視覚的にも対比させながら描く。主人公はナキメという盲目になっていくキャラクターで、ナキメのダークサイドバージョンのビジュアルも公開された。

吉平監督は「ジョージ・ルーカスが神話を参考にしたように、日本の古代神話や”すべての物に魂が宿る”という日本に古くから浸透している精神を『スター・ウォーズ』のジェダイの姿を通して描こうと思いました。いろんなアートワークをひとつの物語の中に詰め込んだ作品を作りたくて、フォースをビジュアライズするということにも挑戦したのでそこにも注目してほしいです」と見どころをアピールした。

デイヴィッドプロダクションからは『BLACK』の共同プロデューサーを務めるジェイコブ・エアーズが登壇し、大平晋也監督からは映像でコメントが届いた。本作の主人公はストームトルーパー。ジェイコブ・エアーズはストームトルーパーを主人公に据えた理由について「もともとモブキャラクターとして登場したストームトルーパーですが、それぞれの人生が気になったこと、そしてフォースを持たない人たちに焦点を当てて映像化することに挑戦したいと思いました。」と明かす。

大平監督は映像内で「人には皆それぞれ人生や価値観、想いがありますが、トルーパー自身にもきっとそういうものがあるだろうと考えました」と語り、トルーパーたちが映し出された先行映像を初お披露目。会場からは大きな歓声が沸き起こった。

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