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TCL、B&Oオーディオ搭載の98型ミニLEDテレビ。14112分割でピーク輝度6500nits
2025年4月24日 10:00
TCL JAPAN ELECTRONICSは、量子ドット×ミニLED技術搭載テレビの新製品として、14,112のエリア分割と6,500nitsのピーク輝度を実現したフラッグシップ「98X11K」を5月より発売する。画面サイズは98型。価格はオープンで、市場想定価格は200万円前後。
2024年発売の「X955」シリーズ(98型・85型)の後継機。新しいLEDチップとマイクロレンズを組み合わせることでピーク輝度を向上させたほか、ローカルディミングの分割数も約3倍に強化した
さらに、ハイエンドなAV機器を手掛けるBang&Olufsenブランドとコラボ。B&Oによるテレビ専用のスピーカー設計とチューニング、TCLのオーディオ技術を組み合わせることで高音質なサウンドを目指している。
なお、同日発表の4Kテレビ「C8K」「C7K」「C6K」シリーズは別記事を参照のこと。
4K/3,840×2,160解像度の、TCL CSOT製HVA液晶パネルを採用。HVA液晶パネルは、蝶の羽のように配列した液晶分子を電界に対して垂直に並ばせたVA方式の一種で、最大7,000:1のネイティブコントラスト比を実現できると謳う。
全領域ハロー制御テクノロジーと呼ぶ新技術を採用。ミニLEDチップ、レンズ、パネル・信号制御など7つの技術を組み合わせることで、光漏れを抑制し、自然なコントラストを実現した。
光源のLEDには、高輝度ライトエミッティングチップを新搭載。従来LEDに比べ、明るさは53.8%増加し、エネルギー効率も10%向上させた。
チップと組み合わせるマイクロレンズも改良。第4世代レンズ技術と謳う超高密度マイクロレンズにより、調光ゾーンの明るさを均一化。光の制御性能と映像品質を向上させている。
レンズとパネルの距離間を縮めるスーパーマイクロOD技術を採用。光の拡散を防止して、より鮮明な映像と本体の薄型化を両立させた。
ほかにも、DLBアルゴリズム(Dynamic Lighting Bionic Algorithm)のアップデートにより、明暗のディテールを強化。応答速度を向上することで、ゴーストも抑制させている。
量子ドット技術もアップデート。進化したカラフルな量子結晶素材を採用することで、より安定した合金構造となり、超長寿命を実現したとのこと。
同時に、超高精度ラッピング技術を採用し、10億色以上の鮮やかな色彩を再現。さらに、バイオニックカラー最適化技術と組み合わせることで、より優れた色表示効果を備えたとする。
画質と環境に応じて映像を最適化するAI映像エンジン「AiPQプロセッサー」を搭載。Ai-シーン、Ai-HDR、Ai-コントラスト、Ai-カラー、Ai-クラリティ、Ai-モーションの6モードを用意し、放送やネット配信映像の画質を分析して映像を最適化。「鮮やかな色彩やコントラスト、滑らかな動き、さらにはクリスタルのような透明感のある映像を映し出す」という。
なめらかな動きや美しい映像を実現する「GAME MASTER」機能も搭載。144Hz VRRに対応するほか、独自のアルゴリズムと技術でリフレッシュレート144Hzの液晶パネルを、最大288Hzまでアップグレード。
画面キャプチャや共有へのアクセスが素早くできるゲーム専用補助機能「Game Bar」や最適な画質設定を行なう「オートゲームモード」、「Dolby Vision:Gaming in HDR」、「陰影機能強化」、「照準補助」といった機能も備えた。
サウンドシステムは、Bang&Olufsenと共同開発。ワット数は非公表だが、「低音域と高音域で深みがあり、大音量にしても音割れすることがなく、包みこまれるような音響空間を楽しめる」という。Dolby Atmos、DTS:Xをサポートする。
OSはGoogle TV。搭載チューナーはBS/110度CS 4K×2基と、地上/BS/110度CS×2基。別売りの外付けUSB HDDを接続することで、4K/HD放送の裏番組録画が可能。番組追従録画機能は今年6月以降アップデートで対応する予定。
大型サイズに適したキーディスプレイ技術はミニLED
内覧会には、TCL JAPAN ELECTRONICSの蒋社長が登壇。
「TCLは海外事業の展開が最も早い中国発のグローバル企業の1つ。現在は4,000万台以上のテレビ製造量を有し、世界シェアナンバーワンのブランドへと成長している」と説明。
「2024年は、85型以上の超大型テレビ出荷台数シェア、ミニLEDテレビ出荷台数シェア、そしてGoogle TV出荷台数という3つのカテゴリーにおいてグローバル第1位を獲得することができた。今年2月には、オリンピックトップパートナーシップを契約しており、もっとハイエンドなブランド、もっと国際的なブランドになるよう努めていく」と語った。
営業部 部長の杉原氏は、市場の分析と今後の戦略を説明。
世界では、テレビの平均出荷サイズが49.6インチまで大型化。また、直近5年間における各インチ成長率を見ても、55型未満がマイナス成長、対する65型以上がプラス成長となっており「大画面が世界で選ばれる傾向になっている」と分析。
「日本の55型以上の構成比は28.9%と、中国の75%、韓国の58.4%に比べると低いが、住環境は韓国と非常に似ている。やがて日本も大型化の波が来る。液晶パネルメーカーも中小型から大型に生産をシフトしており、大型化は一層早まる」との見方を示した。
「有機ELテレビに比べ、ミニLEDテレビの出荷数が年々伸長している。我々は大型サイズに適したキーディスプレイ技術はミニLEDだと考えているし、我々は他社に先駆けてミニLEDを展開してきたという自負もある。日本市場ではトップ6にランクしている状況だが、これに満足しているわけではない。高輝度・長寿命・コストパフォーマンスといったミニLEDの優位性を最大限に活かし、日本市場でさらに上を目指しチャレンジしてゆきたい」と抱負を述べた。