ゼンハイザー、オープンエア新モデル「HD700」発表
-HD800とHD650の中間。非圧縮無線モデル「RS220」も
HD700 |
ゼンハイザージャパンは12日、「春のヘッドフォン祭 2012」会場において、新ヘッドフォン「HD700」を発表した。発売時期は未定で、「あまり遅い時期にはならないが、今月や来月発売という事はないイメージ」だという。価格も未定だが「海外の一部通販サイトでは日本円で約10万円程度で販売されており、日本ではそこまで行かないくらいの価格にしたい」という。
さらに、無線で非圧縮音声をデジタル伝送するオープンエアのワイヤレスヘッドフォン「RS220」も6月頃に発売予定。価格は未定だが、5万円前後が想定されている。
■HD700
HD700の装着イメージ |
2012 International CESで海外発表されていたもので、日本での展開が決定した。オープンエアタイプのヘッドフォンで、HD800とHD650の中間に位置するモデルとしてラインナップ。HD800を連想させるデザインを採用しながらも、コンパクトになっているのが特徴。
ユニットは「SYS」と名付けられた40mm口径のものを採用。振動板はDuoful。マグネット部分に複数の穴を設けることで、ユニットの背圧など、余分な空気の流れを処理する「Ventilated Magnet System」を採用している。さらに、振動板を保持するダンパー部分に金属メッシュの素材を使い、余分な振動も制御している。
HD800と同様のオープンエア型で、角度のついたバッフルにより、音の放射を最適化。イヤーパッドにはベロアを、レザーヘッドバンドはシリコン加工が施されている。
HD700。デザインイメージはHD800とよく似ている | 上位モデルとなるHD800 |
ケーブルは両出しで、長さは3m。脱着もできる。無酸素銅を使用し、「高周波でも素晴らしい伝導性を実現した」という。
また、非常に軽量なのも特徴で、ハイエンド機ながら約365gとなっている。デザインはドイツで、生産はアイルランドで行なわれる。
再生周波数帯域は15Hz~40kHz(-3dB)、8Hz~44kHz(-10dB)。インピーダンスは150Ω。音圧レベルは105dB。
ケーブルは着脱可能 | 約365gと軽量 |
■RS220
デジタル伝送方式を採用したオープンエアのワイヤレスヘッドフォン。2.4GH帯を使い、入力された音声を非圧縮でワイヤレス伝送しているのが特徴。ヘッドフォン部分は、人気モデル「HD650」をベースにしており、「ワイヤレスながら、HD650相当の音質を実現した」としている。
充電台を兼ねた送信機と、受信機を内蔵したヘッドフォンのセットで構成。入力は充電台に備えており、アナログ音声、同軸デジタル、光デジタル入力を搭載。同軸/光デジタルのスルー出力も装備している。デジタル入力は16bit/44.1kHzまでの対応となる。
ワイヤレスヘッドフォンのRS220 | 充電台を兼ねた送信機と、受信機を内蔵したヘッドフォンのセットで構成 |
同社はワイヤレスオーディオ技術「Kleer」を使った無線ヘッドフォン「RS 180」などを発売しているが、2.4GHzのデジタル伝送を採用した事で遅延が少なくなり、レイテンシーがRS180の45msから、RS220では20msになっている。
ヘッドフォンのハウジングに設けたボタンから、音量調節、LRのバランス、ソースの切り替えが可能。ペアリングは送信機一台に対して、ヘッドフォン2台まで利用でき、ヘッドフォン部分の単品販売も予定。充電所要時間は約16時間、動作時間は約6~8時間。伝送距離は室内で約30m、室外で約100m。
再生周波数帯域は16Hz~22kHz。インピーダンスは150Ω。音圧レベルは106dB。重量はヘッドフォン部が約330g、送信機が約468g。
充電台とヘッドフォンの接点を合わせることで、充電が可能 | |
ハウジングに音量やソース切り替えボタンを備えている | ハウジング部分 |
発表会に登壇したゼンハイザージャパンの久保省三社長は、今回の新モデルを紹介した上で、「今後もまだまだ新しい商品を予定しており、ハイエンドも投入していく。特にヘッドフォンアンプを今年の新製品として、後日紹介できる予定」と、今後のラインナップを予告した。
ゼンハイザージャパンの久保省三社長 | 一風変わった新商品として、ユニクロとコラボしたゼンハイザーTシャツ(スタッフの方が着用しているもの)も、来週ユニクロのショップで販売されるという |
(2012年 5月 12日)
[AV Watch編集部 山崎健太郎]