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パイオニア、8ch DAC×2基のUSB DAC/ネットワークプレーヤーN-70A。9万円を切るN-50後継も
(2014/10/9 13:00)
パイオニアは、USB DAC機能も備えたハイレゾ対応のネットワークオーディオプレーヤー「N-70A」と「N-50A」を11月中旬に発売する。価格はN-70Aが142,000円、N-50Aが89,500円。
N-50Aは、2011年に発売された「N-50」の後継、N-70Aは上位モデルにあたる。N-70Aは、既にN-50を使っているユーザーに対し、より幅広いフォーマットに対応し、音質に磨きをかけた「待望のハイグレード」として訴求。N-50Aは、A-70Aの技術を取り入れながら、ネットワークオーディオ初心者に向けて、使いやすさやわかりやすさも訴求、「挿してすぐ使える」をキーワードとしている。
モデル名 | N-70A | N-50A |
USB DAC | PCM ~384kHz/DSD ~5.6MHz | PCM ~192kHz/DSD ~5.6MHz |
DAC | ESS製 ES9016S×2 (8ch DACを2基) | ESS製 ES9011S×2 (2ch DACを2基) |
電源トランス | シールドケース付 ツイントランス | ツイントランス |
音質調整機能 | DIRECT/Hi-Bit 32/Up Sampling Auto Surround Retriever Auto Level Control Lock Range Adjust Digital Filter | DIRECT/Hi-Bit 32/Up Sampling Auto Surround Retriever Auto Level Control |
アナログバランス出力 | ○ | - |
ヘッドフォンアンプ | ○ | - |
USB DAC デジタルアイソレータ | ○ | ○ |
構造 | 3分割シールドシャーシ リジッドアンダーベース 真鍮製インシュレータ アルミ素材のサイドパネル | 3ブロック基板構造 リジッドアンダーベース |
電源ケーブル | 着脱式極太ケーブル | 着脱式ケーブル |
高音質パーツ | 電源用カスタムコンデンサ | - |
重量 | 12.5kg | 7.5kg |
2機種に共通する機能として、DLNA 1.5に準拠したネットワークプレーヤー機能を搭載。PCやネットワークHDD(NAS)に保存したFLAC/WAV/AIFF/Apple Lossless/MP3/WMA/AAC/DSDの再生に対応。PCMは24bit/192kHz、DSDは5.6MHzまでのハイレゾデータも再生できる。FLAC/WAV/AIFF/Apple Losslessはギャップレス再生も可能。AirPlay、vTunerを使ったインターネットラジオの聴取機能も備えている。
USB DAC機能も備え、PCMは384kHz/32bit(N-50Aは192kHzまで)、DSDは5.6MHzまでのハイレゾデータ再生が可能。アシンクロナス伝送で、ジッタを抑えた再生ができるほか、PCからのノイズ流入を防ぐため、電気的にPC側と絶縁するデジタルアイソレータも搭載している。
光デジタル、同軸デジタル入力も各1系統装備。これらは192kHz/24bitまでのデータに対応する。さらに、前面にUSB端子を備え、USBメモリなどに保存したDSD/FLAC/WAV/MP3/WMA/AIFF/Apple Losslessの再生や、iPod/iPhoneのデジタル再生も可能。
さらに、USB HDDに保存した楽曲の再生もサポート。ルータや無線LAN環境が無いユーザーでも手軽に利用できる事も訴求する。
出力端子は、アナログRCA、光デジタル、同軸デジタルを各1系統装備。N-70Aのみ、XLRのバランス出力も1系統備えている。端子はノイトリック製。ネットワーク向けに、Ethernet端子を用意。別売の無線LANコンバータ「AS-WL300」も利用できる。
前面に3.5型のカラー液晶ディスプレイを搭載。各種情報やアルバムアートも表示可能。楽曲情報を持たないWAVファイルでも、同じフォルダに入っている画像をアルバムアートとして表示でき、ファイル名を曲名として表示するといった機能がある。
スマートフォン向けに、操作アプリ「ControlApp」を用意。新デザインを採用し、操作性や機能性を大幅に向上させたという。ファイルのソートや、シークバーを使った曲のサーチも可能。N-70A/50Aとコントロール端子で接続したパイオニア製のアンプやSACDプレーヤーを、アプリから操作する事もできる。
N-70AのDACは8chパラレル駆動でフルバランス回路
N-70Aは、7月から発売しているUSB DAC兼ヘッドフォンアンプ「U-05」(105,000円)と同様に、カナダESS Technologyの8ch DAC「ES9016S SABRE Ultra DAC」を、左右チャンネルそれぞれに、合計2基搭載。左右それぞれを8chパラレル駆動させ、信号レベルを8倍にする一方で、ノイズを大幅に低減。高いSN比を実現している。
D/A変換から信号出力までのアナログ全段を、L/R独立させたフルバランス回路で構成。外乱ノイズの影響を排除した高品位な伝送ができるという。XLRバランス出力も備えており、バランス入力タイプアンプと組み合わせると、チャンネルセパレーションを高められる。
さらに、高音質ボリュームを搭載した、専用設計のヘッドフォンアンプも内蔵。DAC出力からアンプ入力までバランス伝送され、ノイズを抑えている。ヘッドフォンアンプの出力は100mW(32Ω)で、16~600Ωのヘッドフォンに対応する。
DACの細かな設定機能をユーザーに開放しているのも特徴。デジタルフィルタはESSが用意している「SHARP/SLOW」に加え、パイオニアが用意したパラメータを使った「SHORT」も選択可能。
DACが同期する際のロックレンジ精度をユーザーが調整できる「Lock Range Adjust」機能も搭載。ロックレンジを広く設定するとロックしやすくなるが、ジッタノイズを多く受ける事になる。逆に狭くするとジッタノイズは減るが、ロックしにくくなる。ロックが外れる(同期が外れる)と、ブツブツと音が切れてしまう。ユーザーは音を聴きながら、音切れが起こらないギリギリまでロックレンジを狭くする事で、より高音質な再生が楽しめるというもの。
さらに、原音を忠実に再生するという「DIRECTモード」、独自のビット拡張技術を使い、楽曲を32bitまで高解像度化する「Hi-bit32 Audio Processing」と、最大384kHzまでアップサンプリングする機能も搭載。これらを「オーディオスケーラー」機能と呼んでいる。
電源部は、デジタル回路、アナログ回路それぞれに専用の電源トランスを用意し、デジタル回路の干渉を低減。アナログ用トランスはハイパワーのトランスから発生する不要な電磁波を防ぐために、銅メッキと制振塗装を施したシールドケースに入れ、ケース内をエポキシ系樹脂で充填している。さらに、ハイレゾ音源での試聴を繰り返して選定したというカスタム電解コンデンサを採用する。
筐体は、デジタル電源、デジタル回路、アナログ電源/回路を筐体内でそれぞれ独立させたブロックとして配置する「3分割シャーシ構造」を採用。各ブロックの電気的、磁気的な相互干渉を排除すると共に、ブロックを分割する梁構造や、側壁を設けることで、筐体構造の剛性を飛躍的に向上させたという。
筐体底部には、リジッドアンダーベースを採用。シャーシを強固な2重構造とすることで、制振性を高めるとともに、低重心化も実現。外部からの振動によるノイズの発生を抑えている。インシュレータは高比重真鍮製。
消費電力は45W、待機時消費電力は0.3W(ネットワークスタンバイ時2W)。外形寸法は435×339×121mm(幅×奥行き×高さ)、重量は12.5kg。リモコンも付属する。
N-50Aは2ch DAC×2基構成
N-50AのDAC部には、ESSの192kHz/32bit対応、2ch DACの「SABRE Ultra DAC ES9011S」を2基搭載。L/R独立のパラレル駆動とすることで、高精度なD/A変換や、高S/N、ローノイズを達成したという。PCからのノイズ流入を防ぐ、デジタルアイソレーターも備えている。
高音質化機能として「DIRECTモード」や「Hi-bit32 Audio Processing」も備えており、サンプリング周波数のアップサンプリングも可能だが、192kHzまでとなる。
電源部には、デジタル信号ブロックと、アナログ出力信号ブロック、それぞれの特性に合わせた独立電源トランスを採用。アナログ/デジタル独立電源供給により、回路間の干渉によるノイズ発生を防ぎ、瞬時の大音量時でも、クリーンで余裕のある供給ができるという。
デジタル電源、デジタル回路、アナログ電源/回路をブロック化し、相互干渉を排除する構成を採用。2重構造シャーシとするリジッドアンダーベースも備えている。インシュレータは、付帯音によるノイズを低減した新開発のものを使っている。
消費電力は38W、待機時消費電力は0.3W(ネットワークスタンバイ時2W)。外形寸法は435×331×99mm(幅×奥行き×高さ)、重量は7.5kg。リモコンも付属する。