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オンキヨー、2.5mmバランス対応のハイレゾプレーヤー「DP-X1」。約69,800円

 オンキヨー&パイオニアイノベーションズは、オンキヨーブランドのハイレゾ対応/Android搭載ポータブルオーディオプレーヤー「DP-X1」を11月下旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は69,800円前後。

DP-X1

 9月にドイツで行なわれた「IFA 2015」において発表し、欧州では11月初旬発売としていたモデル。14日に東京・池袋のニコニコ本社での発表会で国内で初めて披露された。なお、このイベントで同時に発表されたパイオニアブランドのモデル「XDP-100R」は別記事で掲載する。両モデルの主な違いは、DP-X1のみ2.5mmのバランス出力に対応する点や、本体デザイン、UIなど。

2.5mmバランス対応、グランド安定化モード搭載。新GUIも

DP-X1

 DSDは11.2MHz、FLAC/WAVは384kHz/24bitまで対応。DSD再生は、本体のヘッドフォン出力時はPCM変換となる。マイクロUSB経由でUSB DACなどへの出力(OTGケーブル利用)も可能で、その場合、接続相手のDACが対応していればDSD 11.2/5.6MHzのネイティブ再生(DoP/Direct Transfer)が行なえる。

 OSはAndroid 5.1.1で、4.7型/1,280×720ドットのタッチディスプレイで操作可能。パイオニアブランドの「XDP-100R」と同様に、DACチップは「SABRE ES9018K2M」を2基、ヘッドフォンアンプは「SABRE 9601K」を搭載。なお、スマートフォンなど他のプレーヤーの外部アンプとしては利用できず、プレーヤー専用機となる。

 ヘッドフォン出力はステレオミニのアンバランス(ライン出力モード対応)と2.5mmバランスの2系統を装備。DAC以降はバランス構成となっている。通常のBTLバランスモードのほか、オンキヨーが単品アンプに搭載している「Active control GND」駆動によりグランドを安定化するモードも利用可能。このモードは、2つのDAC出力のL-GND/R-GNDをCOLD側アンプで使い、“0V”に強固に固定することで揺らぎを排除するというもの。クリア/パワフルで、定位感と奥行きのあるサウンドを実現するとしている。

バランス駆動の方法を選択可能

 DAC/アンプ部とCPU部が別基板の「筐体内基板セパレーション構造」を採用。オーディオ回路へのデジタルノイズの影響を抑制している。また、ヘッドフォンジャック周りにアナログ回路のみを集約し、スイッチング電源を可能な限り離して配置することでノイズ混入を防いでいる。各デバイスの機能ブロックには応答性に優れた独立したローカル電源を使用し、動作に伴うブロック間の干渉を抑制。さらに、ミクロン単位での配線パターンチューニングにより、グランド電位変動を抑制し、音楽信号へのノイズの混入を防いでいる。

本体内部
ヘッドフォン出力は2.5mmバランス/3.5mmアンバランスの2系統
パイオニアのフラッグシップヘッドフォン「SE-MASTER1」とバランス接続したところ

 Wi-Fi(IEEE 802.11b/g/n/ac)やBluetoothを搭載し、ワイヤレスでも高音質再生を追求。Wi-Fi/Wi-Fi Direct接続で、CP-X1内の192kHz/24bitハイレゾ音源を他の対応オーディオ機器へ転送して再生できる「Play Thru」機能を搭載。BluetoothはaptXコーデックもサポートする。

サークルプログレスバーなどを採用した再生画面

 Google Playからのアプリダウンロードが可能。ハイレゾ音楽配信サービス「e-onkyo music」の楽曲をPCレスで購入/ダウンロードできる。さらに、今後の配信が予定されるロスレスフォーマットの「MQA」にも無償アップデートで対応予定。

 6種類のサウンドアレンジ機能を備え、好みに合わせた音質調整が可能。Lock Range Adjust、Digital Filter、Up-Sampling、リアルタイムDSD変換、High Precision EQ、Featured EQの各機能が利用できる。GUIも新開発で、フリック操作で曲送り/曲戻しが行なえるほか、円形の「サークルプログレスバー」などで直感的に操作可能としている。

ロックレンジアジャストやフィルターなどの音質設定画面

 本体側面にハードウェアのボタンを備え、画面を見ずに電源ON/OFFや再生、曲送り/戻しの操作が可能。PCソフト「X-DAP Link」(クロスダップリンク)により、PC内の音楽ファイルを本体へ転送できる。ボリュームノブによる音量調整は161ステップ。ゲインは3段階の切り替えができる。本体はアルミ削り出し筐体で、剛性を高めている。

側面に大型ボリュームノブを装備。Dual dacの文字も
PCソフトの「X-DAP Link」

 記録メディアは、内蔵の32GBメモリ(システム領域7GB)とmicroSDカードで、microSDスロットは2基装備(SDXC/128GB対応)。合計で最大288GBまで拡張できる。クアルコムのクアッドコアCPU「APQ8074」(2.2GHz)を搭載する。再生周波数帯域は10Hz~80kHz。ヘッドフォンの対応インピーダンスは16~300Ω。

 内蔵バッテリは1,630mAhで、連続再生時間は約16時間(96kHz/24bit再生、アンバランス接続時)。外形寸法は129×75.9×12.7mm(縦×横×厚さ)。重量は203g。

側面
背面

(中林暁)