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“DTS:X対応ベンツ”に乗ってみた。ポータブルオーディオがOTOTENに集結

オーディオとホームシアターの祭典「OTOTEN2025」を東京国際フォーラムで開幕。6月21日、22日の2日間で、入場は無料だが事前登録制。ここでは、カーオーディオ関連の展示やMUSINブース、新設されたポータブルオーディオのコーナーをレポートする。

カーオーディオも出展

DTS:X対応のメルセデスベンツ

カーオーディオのコーナーも用意されている。初出展の三菱自動車は、同社のアウトランダーPHEVに搭載している、ヤマハと共同開発したプレミアムオーディオシステムを展示。パイオニアは、先日発表された「GRAND RESOLUTION」のスピーカーの先行展示。ハーマンインターナショナルは、JBLプレミアムサウンドシステムを搭載したTOYOTAランドクルーザー「250」を展示している。

Xperiは、CES 2025で披露されたDTS:X対応のメルセデスベンツを国内初展示。この中から、DTS:X対応のベンツを体験できた。

車種はメルセデス・ベンツ Eクラスの「E200 AVATGARDE(ISG)」で、アドバンスドパッケージを追加したもの。

ソニー・ピクチャーズエンタテインメントが提供する、車載向けビデオストリーミングサービス「RIDEVU(ライドビュー)」に対応しており、車内でハイクオリティな映画などが楽しめる。

このRIDEVUが、今後IMAX Enhancedに対応予定で、IMAX独自の拡張アスペクト比(EAR)で、画面を大きく使った迫力ある映像が提供されるようになるほか、IMAXのDMR(Digital Media Remastering)プロセスで最適化された映像を配信。さらに、DTS:Xの立体的なサラウンドも車内で楽しめるようになる。提供時期は未定だが、今年中を目標にしているとのこと。

RIDEVUの画面
(C)2019 Columbia Pictures Industries, Inc All Rights Reserved. MARVEL and all related character names:(C) & 2025 Marvel 2022 Columbia Pictures Industries, Inc.

一足先に、IMAX Enhancedに対応したデモカーで、「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」を鑑賞したが、車内とは思えない音場が広大に広がる。その空間に、金属音や、スパイダーマンの糸の音などが、明確に定位。シートに内蔵したエキサイターで振動も体に伝わる。

全体的に非常にクリアな音に仕上がっており、振動でも臨場感が高まる、4Dなハイクオリティシアターを体験できた。なお、RIDEVUで利用可能な映画は市場によって異なり、変更される可能性があるとのこと。

MUSIN

ハイエンドCDプレーヤー「CD-T35HP」

SHANLINGは、ハイエンドCDプレーヤー「CD-T35HP」を出展。同ブランドのCDプレーヤーの歴史は1994年の「SCD-939」に始まり、2004年には三脚デザインと真空管出力を採用した名機「CD-T300」を全世界300台限定で発売。そして20年の時を経て、再びその伝統と革新を融合させた新たなフラッグシップが「CD-T35HP」になる。価格は330万円。なお、現時点では日本展開は予定されていない。

また、「R2R DAC×デュアル真空管」が特徴のポータブルCDプレーヤー「EC Zero T」用のケースも初展示。MUSINの担当者が実際に装備してブース内に滞在している。7月発売予定で、価格は1.5万円前後になるとのこと。カラーはベージュとオレンジの2色を予定している。

EC Zero T用ケース
ONIXブランドのSACD/CDデジタルトランスポーター「Zenith XST20」

ONIXブランドのSACD/CDデジタルトランスポーター「Zenith XST20」も出品。Sanyo製HD870ピックアップレーザーを搭載したハイグレードなトップローディングメカニズムを採用しているのが特徴で、安定したディスク読み取りと繊細なサウンドを実現している。

SACD再生時にはDSD信号出力に対応。MQA-CDの再生サポート、MQAフルデコード4Xまでの展開も行なえる。I2SやUSBや、AES/BNC/Coaxial/Optical出力を備えているのも特徴。

I2Sの出力モードを細かく設定する事も可能

ポータブルオーディオの展示ブースも登場

OTOTEN会場最大の出展ブースとなるホールD5に、ポータブルオーディオのブランドが集結した。

ポータブルオーディオのブランドが集結

エム・ティ・アイはNUARLとnbブランドの製品を展開。NUARLブランドの「X092 Revision 3(仮称)」は、NUARL NX1を進化させたモデルとして開発されているイヤフォンで、カーボンナノチューブ振動板と7N OCCボイスコイルを組み合わせた10mmのダイナミック型ドライバーを搭載。筐体はマグネシウム合金で、ノズル部分は真鍮。価格は未定だが、「5万円を切りたいと考えている」という。

NUARLブランドの「X092 Revision 3(仮称)」

城下工業のブースでは、SOUND WARRIORブランドのUSB DAC兼ヘッドフォンアンプ新モデルを参考出品。既存モデルからDACを刷新するほか、バランスのヘッドフォン出力を4.4mmに変更、背後のUSB端子もUSB-Cにするなど、細かなアップデートが行なわれている。価格や発売時期は未定だが「9万円台にしたい」という。

SOUND WARRIORブランドのUSB DAC兼ヘッドフォンアンプ新モデル

他にも、Brise Audioのブースでは、同社の次世代ポータブルアンプ「WATATSUMI」などが試聴可能。各種リケーブルも用意していた。

Brise Audioのブース
クラウドファンディング支援金が8億円を超えている、鹿島建設の小型スピーカー「OPSODIS 1」も体験できる

フォステクス

フォステクスのブースでは、発表したばかりの、全面駆動型平面振動板の第4世代RPドライバーを搭載した密閉型ヘッドフォン2機種を出展。7月4日発売で、価格はオープン。市場想定価格は黒胡桃無垢材ハウジングの密閉タイプ「T60RPmk2CL」が64,350円前後、密閉型のモニターヘッドフォン「T50RPmk4CL」が34,650円前後。

黒胡桃無垢材ハウジングの密閉タイプ「T60RPmk2CL」

どちらも、RPテクノロジーの全面駆動型平面振動板ドライバーの最新第4世代を搭載。平面振動板の振動領域の拡大と均一化のため、振動板を挟み込むマグネットを増量しプリンテッドコイルのパターン形状を新設計。さらに磁気回路の構成部品も一新して磁束分布を最適化することで、振動板の不要共振を抑え鋭いレスポンスでの音の立上がりと立下がりを実現している。

感度の向上、モニタリングしやすい滑らかな周波数特性、優れた過渡特性も実現。「重低音域から高音域まで正確かつ繊細に再生可能とすることで、正確な定位感と音場の再現能力を従来よりさらに向上させた」という。

T60RPmk2CLは、黒胡桃無垢材ハウジングのT60RPmk2を新たに密閉型としてアレンジしたもの。密閉型の特長を最大限引き出す音響調整を施し、リスニング用平面振動板ヘッドフォンとして開発。

T50RPmk4CLは、既存のセミオープン型モニターヘッドフォン「T50RPmk4」を密閉型としてアレンジした。

その他

南房総市を紹介するコーナーも
南房総市イメージキャラクター「みなたん」もOTOTENに来た

海外企業、地域の特徴を生かした企業・団体も出展。南房総市と千葉工大が共同で、同市の自然豊かな美しい場所、南房総市の風景とサウンドを収録。それを8chキューブ、立体音響システムで再生し、疑似体験してもらうことで、観光資源としての音を提案するコーナーもある。

さらに、今年は放送開始から100年になることから、ブースG502ではNHK、日本コロムビア、日本オーディオ協会が放送開始当初使用していた放送機器(ラジオ、マイクなど)や当時のラジオを展示するほか、第1回全日本オーディオフェアでNHKの協力のもと、ラジオ第1、第2放送の2波を用いて行なったステレオ再生実験の再現デモも実施中。

第1回全日本オーディオフェアでNHKの協力のもと、ラジオ第1、第2放送の2波を用いて行なったステレオ再生実験を再現