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水月雨、ガラスドーム複合振動板で約9500円のイヤフォン。異なるチューニングの2モデル

蘭Ⅱ-LAN 2 REF

水月雨(MOONDROP)は、超低歪み・リケーブル対応のカナル型HiFiイヤフォン「蘭Ⅱ-LAN 2」を11月27日に発売する。外観デザインとチューニングの方向性が異なる「蘭Ⅱ-LAN 2 REF」と「蘭Ⅱ-LAN 2 POP」の2モデルをラインナップ。価格はオープンで、市場想定価格は9,500円前後。

蘭Ⅱ-LAN 2 POP

「蘭Ⅱ-LAN 2」は、内外複合磁気回路とガラスドーム複合振動板を組み合わせた10mmデュアルチェンバー高性能ダイナミックドライバーを採用。

再生周波数帯域は12Hz〜60kHz(IEC61094, Free Field)、感度は118dB/Vrms(@1kHz)、インピーダンスは30Ω±15%(@1kHz)、全高調波歪率(THD)は0.08%以下(@1kHz・94dB)とし、広い帯域と低歪みを両立したとしている。

振動板には、新世代のガラスドーム複合振動板を搭載。厚さ約0.05mmのソリッドガラスドームを高精度なガラス加工技術により成形し、高いヤング率を備えた内外対称構造とすることで、従来の多層構造振動板で生じがちな異常共振を抑制。

これに、特性に合わせて調整された柔軟なエッジを組み合わせることで、ロングストローク変位を安定して支え、超低歪みかつ広いダイナミックレンジの再生を可能にしたという。

磁気回路は、同心円状に配置した2枚のN52磁石による内外複合型デュアルマグネット構造を採用。有限要素解析(FEA)で磁束分布を最適化し、ボイスコイルギャップ部で1テスラを超える高密度かつ均一な磁束密度を確保。これによりボイスコイルを高効率で駆動し、ワイドなダイナミックレンジと優れたレスポンスを備えた高解像度再生を実現している。

ハウジングには、前作「蘭-LAN」で好評だったコンパクトなボディを踏襲しつつ、MIM製法(粉末射出成形)によるステンレススチール製シェルを採用。成形精度と高い剛性により、堅牢なステンレススチールハウジングを実現している。

チューニング面では、自社の「VDSF Target Response」の振幅周波数特性に高いレベルで適合させたうえで、従来モデルを上回る高域の伸びを確保。多様なリスニングニーズに応えるため、「蘭Ⅱ-LAN 2 REF」と「蘭Ⅱ-LAN 2 POP」の2バリエーションを用意。

REFは中高域の楽器表現にこだわったチューニングで、空間の広がりや楽器の音色、クラシック音楽の魅力を豊かに描き出すという。

POPは中低域とボーカル表現を重視したチューニングで、音楽全体を包み込むような温かい雰囲気を目指し、人声やJ-POPの魅力を一層鮮やかに引き立てるとしている。

いずれも高性能な低歪みドライバー構成の効果により、大音量でも安定した低歪み特性を維持する。

コネクタはユニバーサル規格の0.78mm 2Pinを採用し、各種オーディオグレードケーブルへの交換が可能。音質向上を目的としたアップグレードはもちろん、ステージモニターや制作モニター用途に適した延長ケーブルへの対応も想定する。

さらに、通話や会議、配信、ゲーム向けのマイク付きケーブルの導入や、Bluetoothアダプターを用いたワイヤレスリスニングにも対応し、シーンに応じたケーブル選択が行える。

付属ケーブルは高純度OFC(無酸素銅)を用いた4.4mmバランスプラグケーブルと、3.5mmシングルエンド変換ケーブルの2本構成。高純度無酸素銅ケーブルは信号のロスを抑え、プロフェッショナルな収録現場から日常の作業やエンターテインメントまで幅広い用途に対応するという。付属品およびケーブル構成はREF/POP共通となっている。