オリンパス、720p動画撮影も可能な超小型デジタル一眼
-薄さ35mmの「ペン E-P1」。手ブレ補正/ゴミ取り内蔵
オリンパスイメージング株式会社は、マイクロフォーサーズシステム規格に準拠した、レンズ交換式デジタルカメラ「オリンパス・ペン E-P1」を7月3日から順次発売する。本体のみに加え、3種類のレンズキットを用意。発売日はレンズキットが7月3日。本体のみは受注生産となり、7月下旬発売となっている。月産台数は2万台。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は下表の通り。
製品名 | 内容 | 店頭予想価格 | 発売日 |
E-P1 ボディ | ・EP-1本体のみ (シルバー/ホワイト) | 9万円前後 | 7月下旬 (受注生産) |
レンズキット | ・EP-1本体 (シルバー/ホワイト) ・M.ZUIKO DIGITAL ED 14~42mm F3.5-5.6 (シルバー/ブラック) | 10万円前後 | 7月3日 |
パンケーキキット | ・EP-1本体 | 11万円前後 | |
ツインレンズキット | ・EP-1本体 (シルバー/ホワイト) ・M.ZUIKO DIGITAL ED 14~42mm F3.5-5.6 (シルバー/ブラック) ・M.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8 ・光学ビューファインダー VF-1 (発売記念特典) | 13万円前後 |
パンケーキキットとツインレンズキットには発売記念特典として外付け光学ビューファインダー(17mm用/18,375円)が付属。また、予約キャンペーンも実施。6月17日~7月2日までに予約を行ない、製品を購入。7月3日~8月20日の期間中に応募すると、もれなくフォーサーズアダプタ(MMF-1/21,000円)、もしくは8GBのSDカードがプレゼントされる。
キットレンズも同日に単品発売され、17mmのパンケーキ(シルバーのみ)は49,875円、14~42mmのズームが36,750円となっている。
■ 720p動画撮影に対応
パナソニックのLUMIX、「DMC-G1」や「DMC-GH1」と同様に、マイクロフォーサーズ規格に準拠したデジタル一眼カメラ。フォーサーズに対し、マウント外形を約6mm縮小し、フランジバックを約半分に短縮することで、レンズ交換式カメラながら、コンパクトデジタルカメラのような小型化を実現したのが特徴。'59年に発売されたハーフサイズカメラのヒットモデル「オリンパス・ペン」と同様に、“手軽に、多くの人にカメラを持つ喜びを”をコンセプトにしており、E-P1も「オリンパス・ペン」の名を冠している。
ボディのみの外形寸法は120.5×35×70mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約335g。ミラーレス構造を採用することで大幅な小型化を実現しているが、金属外装を採用することで質感や凝縮感は高めている。ボディ上部と下部はアルミニウム。両サイドや側面はステンレス。記録メディアはSD/SDHC。
外付けの光学ビューファインダーも用意。単品発売だけでなく、発売記念特典としてレンズキットに付属する | シルバーモデルのレンズを外したところ | 背面の操作部。液晶は3インチ |
撮像素子は4/3型のLive MOSで、付着したゴミを落とすSSWF(スーパーソニックウェーブフィルタ)も搭載。最大4段分の効果があるセンサーシフト式の手ブレ補正機能も装備。総画素数は1,310万画素、有効画素数は1,230万画素。RAW(12bit/ロスレス圧縮)、JPEG、JPEG+RAW同時記録の静止画に加え、動画撮影にも対応。
記録方式はAVIのMotion JPEGで、解像度は1,280×720ドットのHDモード(16:9)と、640×480ドットのSDモード(4:3)を用意。フレームレートは30fpsで録画できる。最長記録時間はHDが7分、SDが14分。なお、動画撮影時は電子式手ブレ補正となる。撮影時はモードダイヤルをムービーに合わせ、シャッターボタン半押しでピントを合わせ、全押しで撮影開始/終了。撮影中にAFがうまく作動しない場合はAEL/AFLボタンを押すとAF動作を行なうが、レンズの駆動音が録音される場合があるという。撮影中の露出補正/絞り値設定変更はできない。動画の最終コマを静止画フル画像で保存する機能も備えている。
動画撮影時は音声録音も可能で、リニアPCM(WAV)の16bit/44.1kHzでステレオ録音が可能。静止画撮影時に、音声を最長30秒セットで録音することもできる。また、本体にモノラルスピーカーも備えている。
光学ファインダーは内蔵しておらず、液晶画面を見ながら、もしくは外付け光学ファインダーを見ながらの撮影となる。AFは、レンズを駆動させながら撮像センサー上のコントラスト値を検出してピントを合わせるタイプで、コンパクトデジタルカメラと同様にライブビュー撮影が可能。マニュアルフォーカスレンズを装着した場合、フォーカスリングを回すと画面を7倍、10倍に拡大する「MFアシスト機能」も備えている。
ボディ上部と下部はアルミニウム。両サイドや側面はステンレス | メモリーカードはSD/SDHC。上部に見えるのはバッテリ |
カメラが自動でシーンを判別する「iAUTO」や、液晶画面に並ぶアイコンを選び、直感的に操作できる「ライブコントロール機能」など、初心者向けの機能も用意。肌をなめらかに撮影できるという「eポートレートモード」なども備えている。画像処理エンジンには新開発の「TruePic V」を採用しており、HD動画撮影やリニアPCM録音などの処理を可能にした。
フラッシュは非搭載。背面の液晶モニタは3型。感度はISO 200~6400まで対応。シャッター速度は60~1/4,000秒。最長30分のバルブ撮影も可能。セルフタイマー機能も備えるほか、別売のリモートケーブルも利用できる。連写スピードは秒間3コマ。連続最大撮影コマ数はRAWで10コマ、JPEGで約12コマ。
USB 2.0端子に加え、HDMI Type C(HDMIミニ)端子、ビデオ出力も装備。テレビなどにHD解像度で動画や静止画表示が可能。電源はリチウムイオン充電池「BLS-1」で、約300枚の撮影が可能。
■ 豊富なアクセサリ
マウントアダプタを介して様々なレンズが装着できる。上はOMレンズ、下はフォーサーズのレンズを装着したところ |
また、マウントアダプタを使うことで、様々なレンズが装着できるのも特徴。フォーサーズマウントのレンズを装着できるようにする「MMF-1」は21,000円。ハイスピードイメージャAFに対応するレンズであれば、AFを使ったライブビュー撮影も可能。
「MF-2」は、オリンパスのフィルム一眼レフ「OMシステム」のレンズ群を使用するためのアダプタ。銀塩時代のレンズをE-P1で楽しむことができる。
外部フラッシュを装着したところ | 本革ボディージャケットとストラップを装着したところ。写真はホワイト | こちらはブラウン。ボディのカラーに合わせて選べる |
(2009年 6月 16日)
[AV Watch編集部 山崎健太郎]