「AES 2009」にプロオーディオ新製品など出展

-dunhillスピーカーや新モニター、最新技術を展示


会場の科学技術館

会期:7月23日から25日

会場:北の丸公園 科学技術館


 プロオーディオ関連の技術/製品展示や技術講演などで構成される「AES東京コンベンション2009」が23日に開幕、25日まで東京 千代田区の北の丸公園 科学技術館で開催される。入場料(当日)は、学生が3,000円、AES会員が8,000円、一般が15,000円だが、展示やプロダクトセミナーは無料となっている。主催はAES日本支部。

 


■ メリディアンは“ダンヒル”の一体型オーディオ。GENELECの新モニターも

 パイオニアマーケティングが国内展開している英国Meridian(メリディアン)は、フェラーリとのコラボレーションで製品化されたDVD/CD/ラジオチューナ体型システム「F80(388,500円)」のデモを行なっているほか、アルフレッドダンヒル(dunhill)ブランドの一体型オーディオ「AD88」を参考出展している。

ダンヒルブランドのメリディアン「AD88」「F80」も各色展示

 DVD/CD/ラジオチューナを統合した一体型システムという点ではF80と共通。ただし、キャビネットの素材に、ブナ材とカバ材を組み合わせ、8層にも及ぶピアノ塗装を施すなど、独自のデザインと音質設計を行なっている。

 スピーカーは2.1ch構成で、独自のDSP技術により、一体型筐体のスピーカーながら広がりのある再生音を実現できるという。また、iPod用ドック「AD88」も付属する。国内販売については、現時点では未定としている。


GENELEC 1038CF(中央は6010Aと5040Aによる5.1chシステム)
 オタリテックは、GENELECのダブルウーファ搭載の3ウェイアクティブスピーカー「1038CF」を出展している。8月出荷開始予定で、価格は63万円(1台)。

 レコーディングスタジオや放送局での使用を想定した大型のモニタースピーカーで、3ウェイながら奥行き235mmと省スペース化を図ったことが特徴。薄型化については、特に欧米のスタジオからの要望が高かったという。

 マルチアンプ構成で、アンプ部出力は低域180W、中域120W、高域120W。ユニットは210mm径ウーファ×2と、125mm径ミッドレンジ、25mm径メタルドームツィータの3Way4スピーカー。周波数特性は57Hz~20kHz。外形寸法は610×235×470mm(幅×奥行き×高さ)、重量は39kg。

GENELEC 1038CF3Wayのアクティブスピーカーながら奥行き235mmに薄型化

 また、既に発売済みだが、小型のアクティブスピーカー「6010A」も展示。価格は39,900円(1台)。アルミエンクロージャを採用した、バイアンプ構成のアクティブスピーカー。ユニットは76mm径ウーファと、19mm径メタルドームツィータの2Wayで、アンプ部出力は低域が12W、高域が12W。周波数特性は74Hz~18kHz。

 入力端子はアナログ音声×1(RCA1)。外形寸法は121×114×181mm(幅×奥行き×高さ)、重量は1.4kg。カラーはブラック、ホワイト、シルバーの3色を用意する。

 6010A用とセット利用できるサブウーファ「5040A」も発売中で、価格は79,800円。出力は40W、周波数特性35Hz~85Hzで、外形寸法は251×305mm(直径×高さ)、重量は6.3kg。6010Aと組み合わせてマスターボリュームとして利用できるコントローラも備えている。現在は、楽器店やAmazon.co.jpなどを中心に販売中だが、コンシューマ向けの販路での販売も検討しているという。

6010A6010Aと5040Aの2.1chシステムも
FocalのCMS 65とCMS 50

 また、タイムロードはFocalの新モニタースピーカー「CMS 65」と「CMS 50」を展示。CMS 65は6.5インチウーファを搭載し、価格は81,900円(1本)。CMS 50は5インチウーファを搭載し、価格は58,800円(1本)。

 いずれもバイアンプ駆動で、CMS 65が低域100W/高域60W、CMS 50が低域80W、高域50Wのアンプを搭載する。ユニットはツィータが新開発のアルミニウム/マグネシウムインバーテッド・ドーム型、ウーファには独自のポリグラスコーンを使用している。

 


■ “ロスレスMP3”のデモや、DTSの新技術など

mp3HDのデモ

 Thomsonは、MP3関連技術を紹介し、体験デモも行なっている。

 「mp3HD」は、MP3と互換性を持つロスレス圧縮フォーマットで、16bit/44.1kHzのWAVファイル(1,411kbps)を、約500~900kbpsに圧縮できる。この中には従来のMP3データも含まれており、mp3HDに対応しないプレーヤーでも、MP3の部分を再生できるため、高い互換性を維持できることが特徴。

 音楽配信などでの利用を想定しており、専用ページではエンコーダ/デコーダやWinAMP用プラグインなどが提供されている。Thomsonブースでは、好みのジャンルの極から、MP3 96kbps、120kbps、160kbpsと、mp3HD、音楽CDの音源を聴き比べるデモも行なわれ、beyerdynamicのヘッドフォンで各音源を比較試聴可能。全問正解者にTシャツをプレゼントしていた。

 また、MP3コーデックを使ったサラウンド技術「mp3 Surround」や、バーチャル3D技術の「mp3D」のデモも実施。三洋電機がサンプルチップを制作し、同チップを使って、MP3音源の3D化などが体験できる。

mp3HDの5つのコーデックを聴き比べ。ただし、5つの違いを聴き比べるのは困難で、一番多かったのが正答率20%(1問正解)なのだとか三洋電機の試作チップでMP3Dを再生

□関連記事
【4月20日】【DAL】Thomsonの新MP3ロスレス規格「mp3HD」を試す
~ 評価用エンコーダでWMP/iTunes再生も可能 ~
http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/dal/20090420_127822.html
【3月26日】Thomson、MP3のロスレスフォーマット「mp3HD」を発表
-MP3とのハイブリッド。エンコーダ/再生プラグイン公開
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20090326_79959.html


DTSブース

 DTSは、オーディオエンコード技術「DTS Neural Surround」を紹介。これは、5.1chの音源を自然にステレオ化する技術で、ラジオ放送などで伝送し、非対応機器で受信した場合はステレオで、対応機器で受信した場合は5.1chで再生可能となる。

 同社が2008年に買収したNeural Audioの技術で、すでに米国ではESPNなどのテレビ中継や、ラジオ、一部のゲームなどで採用されていおり、AVアンプなどの対応機器も発売されている。日本での採用事例はないが、今後の関連機器メーカーや放送局などに採用を呼び掛けていく予定という。

 

 また、エンコーダの最新バージョンDTS Master Audio Suiteの紹介も行なわれており、6月から最新バージョン2.0の機能などを紹介している。

DTS Neural SurroundのエンコーダとデコーダDTS Neural Surroundの概要DTS Master Audio Suiteのデモ

 ダイマジックは、EUPHONY技術を使った極細のフロントサラウンドスピーカー「SAGE-SGB81」や、小型の「DK-SBR510」などを紹介している。

ダイマジックは、EUPHONY技術を使った極細のフロントサラウンドスピーカー「SAGE-SGB81」や、小型の「DK-SBR510」などを紹介しているDYMAGICのEUPHONY Mobile Surround搭載携帯電話も

(2009年 7月 24日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]