「CEATEC JAPAN 2009」が幕張メッセで開幕

-各社が3D展示。「CELL REGZA」「LED AQUOS」も


会期:10月6日~10月10日

会場:幕張メッセ

入場料:大人1,000円/学生500円
    (事前登録で無料/最終日は無料)

 映像、情報、通信の総合展示会「CEATEC JAPAN 2009」が6日、幕張メッセで開幕した。期間は10月10日まで。入場料は一般1,000円/学生500円だが、事前登録を行なうことで入場無料となる。また、最終日となる10日(土)は入場無料。主催は情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)、社団法人情報技術産業協会(JEITA)、社団法人コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)、CEATEC JAPAN 実施協議会。

 AV関連の最新技術やコンセプトモデルが多数展示されているほか、各社の新製品も一堂に出展されている。 1~8ホールを使用し、会期5日間で来場者20万人(2008年は19万6,630人)を見込む。参加は590社/団体(うち海外:263/国内327)、2,123小間となっている。


 

 今年の展示のキーワードになりそうなのは「3D」。2010年に3D対応製品の商品化を目指すソニーのブースには、3D表示可能な液晶テレビ「BRAVIA」を参考展示。映画、ゲーム、スポーツなど、様々なコンテンツで表示性能をアピールしている。

 さらに、1日に発表された、毎秒240フレームでの3D撮影を可能にする単眼レンズ3Dカメラも展示。シャッターの代わりにミラーを使うことで動きの激しいシーンでも滑らかな3D撮影ができるのが特徴。ほかにも4Kでの2D映画上映や、米RealDの3Dデジタルシネマシステムを用い、1台で3D上映に対応したデジタルシネマプロジェクタ「SRX-R220」も紹介されている。

 また、薄さ0.2mmを実現した、曲がる有機ELディスプレイの試作機や、デジタルカメラや携帯電話など、ポータブル機器の利便性向上が期待される近接無線伝送技術「TransferJet」などの展示もある。

ソニーのフルHD・3D表示対応BRAVIA。52インチの液晶で、IFA 2009やディーラーコンベンションで展示されたものと同じだが、コンテンツ(3Dゲーム)が増えたという近接無線伝送技術「TransferJet」のデモ。デジタルカメラからPCへの転送といった屋内利用だけでなく、店頭での使用イメージも展開。写真はCDショップなどの店頭配信機から携帯電話にデモ映像や音楽を転送しているところ0.2mmの薄さを実現した曲がる有機ELディスプレイ
毎秒240フレームでの3D撮影を可能にする単眼レンズ3Dカメラ視線やフォーカス移動があっても、自然に見える3D表示が実現できるという1台で3D上映に対応したデジタルシネマプロジェクタ「SRX-R220」

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 同じく2010年に3D対応製品の投入を予定しているパナソニックブースでは、フルHD・3D対応50型PDP(プラズマディスプレイ)と、3D映像の視聴に利用する高精度アクティブシャッターメガネを参考展示。PDPの動画応答速度の速さなどを活かし、フルHD解像度を維持した3D表示が行なえるのが特徴。併せて、3D再生対応BDプレーヤーの試作機も参考展示している。

 ほかにも、同社薄型テレビ「VIERA」の最新ラインナップや、採用されているNeo PDPやNeoLCD技術なども紹介。また、BDプレーヤーを内蔵したポータブル地上デジタルテレビで、無線LANに対応したモデルも参考展示。DTCP-IP対応DLNAサーバー機能を備えたブルーレイDIGAから、録画番組をワイヤレスで表示できる。

BDプレーヤーを内蔵したポータブル地上デジタルテレビ50型PDPを使ったフルHD・3Dシアターシステムの参考展示3D表示対応のBDプレーヤーも参考展示

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 東芝ブースは、前日の5日に発表された「CELL REGZA」をアピール。高性能メディアプロセッサ「Cell」や、LEDバックライトのエリア制御技術などを用いることで、ダイナミックコントラスト500万:1や、新しい超解像技術などを実現。14チューナと3TB HDDなどを内蔵なども内蔵し、地上デジタルの全チャンネル常時録画できる高機能が特徴。

 さらに、将来の「CELL REGZA」に向け、2D画像から3D画像を生成するデモや、4K2Kパネルを採用したモデル、チューナ部とディスプレイ部を一体化させたモデルなどを提案。また、インターネットケータイ「dynapocket」(T-01A)を中心に、DLNAやTransferJetと組み合わせた参考展示なども行なっている。

 

CELL REGZAを大々的にアピールしている東芝ブース4k2Kパネルを採用したCELL REGZAなど、次世代モデルの展示も東芝は別ブースを設けてdynapocketもアピール。ノートPCとTransferJetで通信するデモ

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 シャープのブースでは「LED AQUOS」を掲げて、9月29日に発表した白色LEDバックライト採用の液晶テレビ「AQUOS LX1」シリーズを展示。大阪堺の新工場で10月から製造される新液晶パネル「UV2A」を採用し、黒浮きを抑え、低消費電力を実現したのが特徴。8.5倍録画モードを備えたレコーダ「AQUOSブルーレイ」も展示されている。

 さらにシャープもフルHD・3D液晶テレビを参考展示。「UV2A」パネルを用いて左右眼用映像の時分割表示でフルHDを実現し、UV2Aパネルの高開口率や動画ブレの少なさなどを活かし、明るくて滑らかな3D表示ができるという。表示フレームレートなどの技術の詳細は非公表だが、2010年の製品化を予定しているという。

 また、高い環境性能と省エネ・創エネ商品の創出を実現するという「シャープグリーンフロント 堺」の取組みをアピール。省エネ・創エネ技術と取り入れた「ソーラーDCエコハウス」構想なども紹介されている。

LED AQUOSをアピールするシャープブース新液晶パネル「UV2A」の特徴を説明フルHDの3D液晶テレビも参考展示

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(2009年 10月 6日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]