Nero、ビデオ編集機能を強化した統合ソフト「Nero 10」

-マルチトラック編集、BDMV対応。再生ソフトも一新


通常版のパッケージ

6月24日より順次発売

標準価格:8,330円~15,500円


 Neroは、動画/静止画/音楽編集やBD/DVD書き込みなどが行なえる統合型ソフトの最新版「Nero Multimedia Suite 10」を6月24日より順次発売する。対応OSはWindows XP/Vista/7で、Vista/7の64bit版では32bitエミュレーションモードで動作する。

 同社オンラインショップでダウンロード版とパッケージ版を6月24日より先行発売。パッケージ版の店頭販売は7月2日より行なう。価格は下表の通り。ソフトの使い方などを案内するガイドブック付きのバージョンも用意し、ガイドブックは単品での販売(2,499円)も行なわれる。

販売形態バージョン価格
ダウンロード版通常版10,800円
アップグレード版8,330円
通常版
ガイドブック付き
12,800円
アップグレード版
ガイドブック付き
10,330円
パッケージ版通常版13,500円
乗り換え/アップグレード版9,800円
通常版
ガイドブック付き
15,500円
乗り換え/アップグレード版
ガイドブック付き
11,800円
ガイドブック付きのパッケージ

 ビデオ編集/オーサリングソフトの「Nero VisionXtra」と、動画/音楽/静止画の管理・再生ソフト「Nero MediaHub」、動画変換ソフト「Nero Recode」、BD/DVD/CDライティングソフト「Nero Burning ROM」と「Nero Express」、バックアップソフト「Nero BackItUp」、マルチチャンネル録音ソフト「Nero SoundTrax」、波形編集ソフト「Nero WaveEditor」などを統合したソフト。ランチャーソフト「Nero StartSmart」も搭載する。

 大きな特徴は、動画編集のインターフェイスを一新し、編集機能を強化したこと。動画/音声のマルチトラック編集に対応し、PinP(子画面表示)が可能になったほか、クロマキー合成や、キーフレームを使ったエフェクトなどの変化、クリップアートの追加などにも対応。また、映像の明るさ/コントラストや色あいなどの補正も行なえるようになった。


ビデオ編集/オーサリングソフトの「Nero VisionXtra」

 Nero 9ではBDMVオーサリングにプラグインが必要だったが、10では標準でBDAV/BDMVの両方に対応。撮影したビデオに、メニュー画面などを付けてBDに記録できるようになった。さらに、AVCHDファイルの書き出し時のみとなるが、NVIDIAのCUDAもサポートし、変換の高速化を図っている。

 そのほか、テーマを選び、簡単な設定で動画が自動編集される機能も強化。新しいテーマが追加され、「お祝い」、「キッズ、ファミリー」、「スポーツ」、「休日」など15種類から選べる。さらに、メニュー画面のテンプレートは74種類まで増やした。

 従来の再生ソフト「Nero ShowTime」は、前述の「Nero MediaHub」に統合。このソフトではDVD/CDなどの再生や、CDリッピング、スライドショー作成、メディアファイルの管理などが、シンプルなインターフェイス上で行なえる。作成したスライドショーをYouTubeやFacebookなどにアップロードする機能も備える。従来のShowTimeの機能はほぼ全てMediaHubに引き継がれているが、スロー再生機能は省かれている。なお、市販Blu-ray Discビデオの再生は行なえない。音楽ファイル再生機能では、新たにプレイリスト作成にも対応した。

 ライティングソフトの「Nero Burning ROM」は、AVCHDビデオカメラで撮影した動画を直接BDまたはDVDに書き込むことが可能。BDプレーヤーなど、AVCHD再生対応機器で再生できるフォーマットに変換して保存できるという。また、1枚のディスクを超えるデータを書き込む際に、ファイルを分割して複数枚のディスクに記録する機能も搭載。光ディスクからHDDに戻す際には自動で元の状態に戻る。

 そのほか、ビデオ変換ソフト「Nero Recode」では手持ちの動画を変換してiPodやiPhone、PSPなどで再生可能なファイルに変換できる。また、「Nero SoundTrax」ではレコードやカセットテープなどのアナログ音源のデジタル化や、5.1ch/7.1chのマルチチャンネル録音、ミックス作業が行なえる。

新たに採用した「Nero MediaHub」BD/DVD/CDライティングソフト「Nero Burning ROM」iPod/PSP用動画などが作成できる変換ソフト「Nero Recode」

ランチャーソフト「StartSmart」

 主な対応フォーマットは、ビデオの入力がMPEG-4 AVC/H.264、AVI、DV-AVI、DVDビデオ、DVD±VR、MOD、HDV、DVR-MS、MPEG-1/2/4、MPEG-4 TS、メモリースティックビデオ、VOB、VRO、ASF、WMV、AVCHD、BDMV(再生は不可)、Matroska、AVCREC(再生のみ)、FLV、3GPP、WTV、DivX、OGG、OGM。出力がAVI、DV-AVI、DVDビデオ、DVD±VR、MPEG-1/2/4、メモリースティックビデオ、WMV、AVCHD、BDMV、3GPP。

 オーディオはAAC(M4A)、MP4、AIFF、AIF、リニアPCM(32bit/192kHz)、MP3、MP3 PRO、WMA、OGG Vorbis、ドルビーデジタル(AC3)、FLACの入出力に対応。



(2010年 6月 17日)

[AV Watch編集部 中林暁]