「ヘッドフォン祭'12」ティアック、DSD対応PCソフト

各社新製品の試聴コーナー。ファイナルの低価格BAも


 東京・中野にあるAV機器の専門店フジヤエービックが主催する「秋のヘッドフォン祭 2012」が10月27日に開幕した。今回から会期が2日間となり、10月27日、28日の2日間で開催。会場は東京・外苑前駅近くの「スタジアムプレイス青山」。入場は無料。ここでは7階の展示を中心にレポートする。



■ ティアックは、「Reference 501」とDSD対応PC用ソフト

「Reference 501」。HA-501とPC-501HR

 ティアックは、コンパクトオーディオシステム「Reference 501」を中心に展示。11月上旬発売で、DSDにも対応するUSB DAC「UD-501」(115,500円)、USB入力対応プリメインアンプ「AI-501DA」(102,900円)、DSD/リニアPCMファイル再生対応のCDプレーヤー「PD-501HR」(90,300円)のほか、10月発売のヘッドフォンアンプ「HA-501」(115,500円)などを紹介している。

 今回初披露の製品は、Reference 501シリーズ向けのPC用ソフトウェア「TEAC Media Player」。これはDSDやFLACなどの高音質コーデックを使った楽曲の管理/再生ができるWindows用のソフトで、DSDは2.8MHz/5.6MHzに対応する。ドライバはASIO 2.1で動作し、Reference 501シリーズのユーザーに無料で提供する。


UD-501とHA-501。PCとUSB接続TEAC Media PlayerCDプレーヤー「PD-501HR」(上)、プリメインアンプ「AI-501DA」(下)

 独beyerdynamicの、密閉/開放が変更できるヘッドフォン「CUSTOM ONE PRO」(11月上旬発売/実売23,000円前後)も展示。海外では10年前から発売しているbeyerdynamicの密閉型モニターヘッドフォン「DT 100」は、前回のヘッドフォン祭時に今秋発売予定と案内していたが、現時点では国内投入を見送っているという。

CUSTOM ONE PRODT 100

 beyerdynamic/KOSSの新製品として、beyerdynamicのヘッドフォン「DTX501p」、KOSSのカナル型イヤフォン「iL100k」、KOSSのリモコン付きのカナル型「iL200wKTC」、KOSSのカナル型「RUK30r」などを参考展示。近日発売予定だが、価格は未定。

beyerdynamic/KOSSの新製品iL200wKTCは組み合せて収納できる

■ エミライ、OPPOのBD/DLNAプレーヤー「BDP-103」など

OPPO「BDP-103」

 エミライは、音質や画質にこだわったBlu-rayプレーヤーを手がけるOppo製品を取扱う。11月中旬より「BDP-103」を発売し、価格は99,790円。OPPO製品を輸入して販売するが、エミライがDVDのリージョンフリー化を行なっているという。

 Blu-ray 3DやBDはビデオのほか、DVDオーディオ、SACD(ステレオ/マルチチャンネル)、音楽CDなどの再生に対応。DLNAにも対応しており、レンダラーとして動作。ネットワークオーディオプレーヤーとして利用できるなど、音に拘っている点が特徴。HDMI出力は2系統装備し、オーディオ、ビデオの分離出力にも対応する。


 また、USB光出力に対応したPC+トランスポート「acroama luminis」も11月発売。価格は63万円。Windows 8搭載パソコンからの出力を光ファイバ経由とすることで、グラウンドの影響を無くし、伝送先のトランスポートボックスからUSBで出力することで、高音質再生が可能という。

acroama luminisPCからの音声出力を光ファイバで伝送

 同社取り扱いの「AURALIC」の新製品としては、バランス駆動のヘッドフォンアンプ/プリアンプ「TAURAS」(17万100円)と、32bit/192kHz対応のUSB DAC「ARK MX+(187,250円)」を11月中に発売。また、海外ではAURALICが新製品としてDSD対応のUSB DAC上位モデルを発表しており、同製品も後日取り扱う予定とのこと。

 日本の逢瀬(AUCE)の製品も取扱。ヘッドフォン出力搭載のUSB DAC「Waterfall DA」は20万円前後で、来春発売予定。小型ボディのパワーアンプ「Waterfall Compact」は12月中旬発売意予定で、15万円前後の見込み。

AURALICのヘッドフォンアンプ「TAURAS」(左)、USB DAC「ARK MX+」(右)逢瀬の「Waterfall DA」(左)、「Waterfall Compact」

■ ファイナルは廉価BAの「Heaven II」

 ファイナルオーディオデザインは、バランスド・アーマチュア(BA)ユニットを採用したカナル型(耳栓型)イヤフォンの廉価モデル「heaven II」を参考展示。近日の発売を予定しており、価格は8,000円前後の見込み。

 独自にカスタマイズしたBAユニットをシングルで採用。heavenシリーズのエントリーモデルとして展開する。ケーブルはフラットタイプで、カラーはブラックとブルーの2色。

Heaven IIブラックとブルーの2色を用意

■ Klipschはapt-X対応のBluetoothヘッドフォン

 イーフロンティアは、Kilpschの新製品として、オンイヤーヘッドフォン「Image ONE」のBluetooth対応モデル「Image One 2nd」を参考展示。年内発売予定で価格は3万円程度の見込み。

 既発売のImage OneをBluetooth対応としており、高音質コーデックのapt-Xをサポート。また、ハウジング部には再生/停止、ボリュームなどのコントローラを装備した。また、カナル型の「Image X7i」やスポーツタイプの「Image A5i Sport」などの新製品を展示している。

Image One 2ndコントローラを装備

■ フォーカルの2.1chオーディオ

フォーカルの2.1chシステム「Birds」

 ロッキーインターナショナルのブースでは、フォーカルの2.1ch構成のホームオーディオ・システムなど新製品を展示している。

 Birdシリーズは、サテライトスピーカーの「Bird」(2万円/1本)と、サブウーファ内蔵のサウンドシステム「BIRDSTAND」から構成されるオーディオシステム。ノートパソコンの下などに設置し、パソコンのオーディオ強化などが図れる。また、Bluetooth用のUSBドングルなども用意し、スマートフォン内の音楽を「Bird」で再生することも出来る。

 DOMEシリーズは、ドーム型のサブウーファ/メインユニット「DOME Subwoofer」(10万円)とサテライトスピーカー「DOME」(10万円/ペア)で構成される。特徴的なデザインで、スピーカーはテーブル設置、フロアスタンド設置、壁掛けなどの設置方法を選択できる。

 XS Bookはデスクトップ設置用のスピーカー。サブウーファ無しでも十分という、低域再生能力が特徴で、独自の内部構造設計により、強力な低域再生能力を有しているという。価格は72,000円。


DOMEシリーズXS Book

■ v-modaは折り畳み可能な「M-100」

Crossfade M-100

 フォーカルポイントブースでは、折りたたみ可能なv-moda製密閉型ヘッドフォン「Crossfade M-100」を出展。近日の発売を予定しており、価格は27,800円。

 50mmドライバによる重低音再生などが特徴。ケーブルは片出しタイプだが、もう片方のハウジングにスルー出力を備えているため、付属のケーブルを使って別のイヤフォンに接続することで、2つのヘッドフォンで同時に音楽を聞くことができるという。また、折り畳めるだけでなく、折り畳んだ状態で“立てる”ことができるのも特徴。


折り畳み可能折り畳んで立てることも付属ケーブルで他のヘッドフォンに出力できる

■ オヤイデは新ヘッドフォンアンプを参考展示

Fiio

 オヤイデは、「Flio」のヘッドフォンアンププロトタイプモデル「Fiio E12」を参考出展。Fiio 11の上位モデルで2万円程度になる見込みだが、展示機はプロトタイプで、DACチップの選定なども含め、変更の可能性があるとのこと。今後、オペアンプ交換が可能なポータブル型として開発を進めるという。


shureやWestone用のリケーブルも参考展示HPC-35/62 HD598

■ ヤマハ新ヘッドフォンも試聴可能

 ヤマハは、ヘッドフォンの新製品として25日に発表した「HPH-PRO500」を「HPH-PRO300」出展。店頭予想価格はPRO500が5万円前後、PRO300が3万円前後。

 PRO500は耳の周囲を覆う、アラウンドイヤータイプで、イヤーパッドにはウレタン素材を使用。遮音性と快適な装着感を追求している。ハウジングが小さめのPRO300は、オンイヤータイプ。イヤーパッドにウレタン素材を使い、適度な圧力でホールドする。

 ハウジングのロゴプレートはマグネシウム製。カラーリングも特徴で、レーシングブルーは、ヤマハ発動機のバイクの色をベースとしている。

HPH-PRO500HPH-PRO300リモコン部にもヤマハロゴ

■ JVCは「ライブビートシステム」をアピール

 JVCは、サブウーファ内蔵の新カナル型イヤフォン「HA-FXZ200/100」を中心に展示。低域用の8.8mm径のユニットと、中高域を担当する5.8mm径のフルレンジユニット×2を使った「ツインシステムユニット」を組み合わせ、合計3基のダイナミック型ユニットから構成される。

 FXZ200/100の試聴が可能なほか、同社が「ライブビートシステム」と呼ぶ、FXZ200/100の内部構造のカットモデルも用意し、その仕組みが確認できる展示となっている。

HA-FXZ200/HA-FXZ200/100ライブビートシステムの内部構造

■ AKG「K374」やSOUL「SL300」のセスクモデルなど

 ハーマンインターナショナルは、AKGやharman kardonの新製品を展示。AKGは、11月発売予定の実売7,000円のカナル型エントリーモデル「AKG K374」や、カナル型のフラッグシップモデル「K3003」(実売13万円)などを中心に試聴可能となっている。

AKG K374harman kardon製品も

 CAVジャパンは、「SOUL」ブランドのノイズキャンセリング(NC)ヘッドフォン「SL300」のセスク・ファブレガスモデル「SL300」を参考出展している。

SOUL SL300のセスクモデル。セスクは、FCバルセロナのサッカー選手

 有名メーカーのOEMなどを手がけているという、台湾TopSoundの自社ブランド「DUNE」は、「DN-17」、「DN-13」、「DN-12」の3モデルを発表。

 DN-17は27日よりフジヤエービックで販売開始しており、実売価格は9,980円。ダイナミック型のイヤフォンで、9mmのダイナミック型ドライバを搭載し、CNCメタルハウジングを採用。再生周波数帯域は10Hz~20kHz。インピーダンスは16Ω。

 DN-13はバランスドアーマチュア型、DN-12はダイナミック型で、DN-13の実売は7,980円前後、DN-12の実売は4,980円前後。

DN-17DN-13DN-12
独G&BLのヘッドフォン「Ebony」シリーズ

 WiseTechは、独G&BLのヘッドフォンを取り扱い開始。Ebony 80/70/60の3モデルを11月下旬に発売する。

Ebonyの名の通り、ハウジングにエボニー(黒檀)を採用したヘッドフォン。Ebony 80は、最上位モデルで50mm径のネオジウムドライバを採用。ケーブルは両出しタイプで、リケーブルにも対応する。価格は19,800円前後。


 テックウィンドは、Westone製品用のデザイン変更パネルや、フェラーリとのコラボレーションによるヘッドフォン、「House of Marley」の新イヤフォン/ヘッドフォンなどを出展している。

Westone製品用のデザイン変更パネルフェラーリ ヘッドフォンなど「House of Marley」のイヤフォン/ヘッドフォン新モデル
東和電子は、Olasonicのヘッドフォンアンプ搭載USB DAC「NANO-D1」を出展バイオスケールはBispaヘッドフォンアンプの新モデル「BSP-PHPA-03WS」を来春発売。従来機より薄型化したほか、中域よりのバランスを改善したという。想定価格は29,800円音茶楽は、カナル型「Flat4シリーズ」の第2弾「Flat4-楓」(KAEDE)を発売。71,400円で200セットの限定販売

(2012年 10月 27日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]