NECライティング、音が出るLEDシーリングライト
Bluetoothでスマホから無線伝送。環境音MIXも
スマホから音楽再生や制御が可能 |
NECライティングは、パイオニアのスピーカー技術を採用した音が出るLED照明「CrossFeel」シリーズ4製品を12月1日に発売する。8畳用と12畳用があり、それぞれに2種類のデザインを用意。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は8畳用が6万円前後、12畳用が8万円前後。
適用畳数 | モデル名 | 実売 | デザイン特徴 |
~8畳 | HLDCB0821SP | 6万円前後 | 乳白色アクリルカバー シルバーつや消し飾り シルバー飾り |
~12畳 | HLDCD1221SP | 8万円前後 | |
~8畳 | HLDCB0822SP | 6万円前後 | 乳白色アクリルカバー ライトオーク調木製枠(2段) クリア色アクリルパネル |
~12畳 | HLDCD1222SP | 8万円前後 |
天井などに設置するLEDシーリングライト。最大の特徴は、アンプとBluetoothスピーカー機能を内蔵しており、音楽を再生できる事。iOS/Android向け制御&音楽再生アプリも用意し、ライトの明るさや音楽再生などの制御がスマートフォン/タブレットからできるほか、スマートフォン/タブレットを音楽ソースとして使う事もできる。
シルバーデザインの使用イメージ | 横から見たところ | ライトオーク調デザインのモデルも |
スピーカー技術はパイオニアが協力。パイオニアが専用に音質設計、チューニング監修したものを搭載している。具体的には、小型・薄型の40mm径フルレンジユニット×2基と、77mm径ウーファ×1基を搭載した2.1chシステムとなる。ユニットからの音は「パイオニア オムニエリア リフレクター」により拡散され、再生音を部屋全体に広げられる。また、天井自体に反射させない事で、マンションなどの上の部屋に振動が伝わりにくいように配慮されている。
側面の根元部分 | 40mm径フルレンジユニットが見える。ユニットの前にあるのが、音を拡散するリフレクタ | ライトのカバーを外したところ |
付属のリモコン。Bluetoothには対応しない |
アンプの総合出力は約20Wで、これは8畳用でも12畳用でも同じ。LEDシーリングライトとアンプ、スピーカーが一体になっているため、天井に引っ掛けシーリングが付いていれば、ワンタッチで取り付け/取り外しができる。
アプリは「CrossFeelリモコン(SP)」を無料で提供(iOS版は11月下旬提供開始)。このアプリから、スマートフォンなどのライブラリに入っている音楽を選び、Bluetoothを使ってライトへ送信。天井から再生できる。
Bluetooth 2.1に対応し、プロファイルはA2DP、コーデックはSBCのみサポートする。
また、音楽ファイルに加え、スピーカー側に「鳥のさえずり」、「せせらぎと小鳥」、「サンゴ海ビーチ」、「小川の流れ」、「夜のビーチ」、「虫の声」という6つの環境音を内蔵。それらを流すほか、音楽とミックスして再生する「サウンドスケープ機能」も搭載。森林やリゾート地にいるような空間を演出できるという。
タブレットで視聴する動画の音声なども再生できるが、Bluetoothの遅延があるため、厳密なタイミングが求められるような映像やゲームには向かないという。
アプリ「CrossFeelリモコン(SP)」の画面。主に6つのシーンから選択。好きな音楽をワイヤレス伝送したり、環境音をミックス再生もできる |
LEDシーリングライトとしては、調光・調色が可能。調光はリニアに調整でき、調色は昼光色や電球色、常夜灯など6つのモードから選択できる。色と、前述の環境音はセットになっており、6つのシーンモードとして提供。例えば「おめざめ」シーンを選ぶと、色が昼光色になり、鳥のさえずりが再生。「リラックス」を選ぶと「電球色」になり、夜のビーチの音が流れる。シーン選択後に、任意の環境音を選ぶ事は可能。ユーザープロセットは用意されていない。
独自の新配光技術「マルチアングルシステムII」を搭載しており、光色を変化させても平均演色評価数Raは自然光に近い85を維持できるという。この数値は色再現の忠実度を表した指数で、100に近いほど色が自然見え、80以上であれば満足が得られるものだという。
設定時間に合わせて徐々に明るくなり、好みの音も再生してくれる「おはようタイマー」や、消し忘れ防止にも有効な「おやすみタイマー」も搭載。
消灯後にしばらくのあいだ、周囲がほのかに見える「ホタルック」機能も用意。消灯時に淡いブルーグリーンの薄明かりが約2~3分残るもので、急に真っ暗にならないため、部屋を出るまでや、ベッドに入るまでなどが安心して行動できるという。停電時にもこの機能が働く。また、OFFにする事もできる。
照明部分の消費電力は、8畳用が51W、12畳用が69W。光束は8畳用が3,700ルーメン、12畳用が5,100ルーメン。外形寸法と重さは、シルバーデザインのものが588×167mm(直径×高さ)で4kg。ライトオーク調デザインが640×146mm(同)で、4.9kg。
左はNECライティングの山脇隆司社長、右はパイオニア常務執行役員の井下源氏 |
NECライティングの山脇隆司社長は、「これまで心地よい空間を作ろうと照明器具を長年手掛けてきたが、視覚だけでなく、他の感覚と組み合わせればもっと心地よい空間が作れるのではないかと考え、音に着目した。パイオニアさんにはACCOという気持ちの良い音の空間を作る製品が数年前から存在し、シャワーのように音が降り注ぐと心地良く感じるというユーザーからの声もあったという。部屋の上にあるものと言えば照明であり、照明と音の融合させた製品ができるのではないかと考えた」と、経緯を説明。視覚と聴覚がクロスすることから、「CrossFeel」と名付けたという。
製品は11月20日11時より、銀座にあるショールーム、パイオニアプラザ銀座で展示されるほか、家電量販店や大塚家具などでも販売予定。住宅メーカーやハウスメーカーからも引き合いがあり、住宅に組み込んだ上で販売する事も検討されている。他にも、「老人ホームや介護施設など、音が必要だなというところには積極的に展開していきたい」(山脇社長)とのこと。
初年度の出荷見込みは2万灯。「我々のシーリングライトは年間だいたい70万灯、80万灯、90万灯なので、その内の2万灯は数%。高価なモデルではあるが、高付加価値をご理解いただけるところに浸透させていきたい。また、音との融合をさらに追求すると共に、音以外の感覚を取り入れる事も研究している」(山脇社長)という。
(2012年 11月 19日)
[AV Watch編集部 山崎健太郎]