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アキュフェーズ、24bit/192kHz USB入力も追加可能なプリ

別売で新DACボード用意。「MCS+」パワーアンプも

 アキュフェーズは、ステレオプリアンプ「C-2120」とステレオパワーアンプ「P-4200」を7月上旬より順次発売する。発売時期と価格は、C-2120が7月中旬発売で493,500円で、「P-4200」が7月上旬発売で514,500円。

ステレオプリアンプ「C-2120」
ステレオパワーアンプ「P-4200」

 また、C-2120などに対応するオプションボード2種類もモデルチェンジ。24bit/192kHzに対応したデジタル入力の「DAC-40」と、アナログディスク入力の「AD-30」を7月中旬より発売する。価格は、DAC-40が84,000円、AD-30が63,000円。

ステレオプリアンプ「C-2120」

 '10年発売の同社創業40周年記念モデル「C-3800」などの技術を導入し、従来機「C-2110」の全回路の完成度を高めたというモデル。高SN/低歪み/極小クロストークなどを特徴とする独自のボリュームコントロール「AAVA(Accuphase Analog Vari-gain Amplifier)」を搭載。

 標準利得は18dB。フロントパネルに12/18/24dBの3種類のゲインが選択できる切り替えスイッチを備える。内部信号経路のリレーを電子的にコントロールする「ロジック・リレーコントロール」には、金貼り接点を使ったクロスバーツイン方式を採用し、低接点抵抗と高耐久性を実現している。

 トーンコントロールは加算型アクティブフィルタ方式。トランスやフィルター用コンデンサなどの電源部は、左右独立構造としている。また、入力バッファ、AAVA、バランス出力など、5個のユニットアンプはマザーボード上の左右に分離。左右チャンネルの電気的な干渉を防いでいる。

 専用のヘッドフォンアンプも内蔵。外部プリアンプ用の入力を備え、他のプリアンプと切り替えられる「EXT PRE」機能も備える。入力端子は、バランス(XLR)を2系統、アンバランス(RCA)を5系統用意。出力端子は、バランス(XLR)1系統、アンバランス(RCA)2系統、レコーダ用出力とプリアウトも備える。全高調波歪み率は0.005%。SN比は定格出力時でバランス/アンバランスどちらも109dB。外形寸法は465×409×150mm(幅×奥行き×高さ)、重量は16.8kg。消費電力は30W。リモコンも付属する。

 リアパネルにオプションボード用のスロットを用意。対応するデジタル入力ボードの新製品「DAC-40」は、光/同軸デジタルとUSBの入力端子を各1系統備え、パソコンなどからのデジタル入力に対応。従来モデル「DAC-30」のUSBは24bit/96kHzまでの対応だったが、新モデルのDAC-40は24bit/192kHzにも対応。同軸デジタルも最高24bit/192kHz、光デジタルは同24bit/96kHzで従来モデルと同じ。

 アナログレコード用の入力ボード「AD-30」は、RCAアナログ入力を1系統装備。ハイゲインのイコライザを搭載し、幅広いカートリッジに対応可能としている。MCカートリッジ利用時のゲインは66dB、入力インピーダンスは30/100/300Ω切り替え。MMカートリッジ利用時はゲインが40dB、入力インピーダンスは47kΩ。

別売のデジタル入力ボード「DAC-40」
アナログレコード用の入力ボード「AD-30」

ステレオパワーアンプ「P-4200」

 従来機「P-4100」の全回路構成を見直してフルモデルチェンジしたという製品。ダンピングファクターを改善したほか、高SNを追求。出力段にハイパワートランジスタをチャンネルあたり3ペア使用したパラレルプッシュプル駆動により、アンプ出力の低インピーダンス化も実現している。

 定格出力は500W×2ch(1Ω時)、360W×2ch(2Ω時)、180W×2ch(4Ω時)。ブリッジ接続でモノラルパワーアンプとしても動作可能。その場合は1,000W(2Ω時)、720W(4Ω時)、360W(8Ω時)の出力となる。リアパネルのスイッチでデュアル・モノ/ステレオ/ブリッジが切り替え可能で、バイアンプ駆動も手軽に行なえる。

 信号経路はインスツルメンテーション・アンプ構成。入力からパワーアンプ段までをフルバランス伝送とし、機器内で発生する雑音を除去する能力や歪み率を改善。温度など周囲の環境変化にも強いとしている。

 回路方式は「MCS+(Multiple Circuit Summing-up)回路」。MCS回路を進化させ、初段バッファアンプのバイアス回路を改善することで、回路安定性を向上させた。また、並列動作させる部分を電流-電圧変換部のA級ドライブ段まで拡張することで、低ノイズ化を図っている。

 増幅方式は、出力信号を電流の形で帰還する「カレント・フィードバック増幅回路」。ゲインの大小による周波数特性の変化がほとんどなく、広い帯域に渡って一定の特性を保つことを特徴とする。位相回転が発生しにくく、位相補償の必要がほとんど無いため、少量のNFBで諸特性を大幅に改善。「立ち上がりに優れ、音質面でも自然なエネルギー応答を得られる」という。

 電源部には、容量アップされた新開発のトロイダルトランスと、47,000μFのフィルタ用コンデンサ2基を搭載。信号経路は金プレート化。入力端子部には通常の金プレートより厚い処理を施し、信頼性を高めている。出力リレーには、創業40周年記念モデル「A-200」と同様にMOS FETスイッチを搭載。無接点化により、音質や長期信頼性の改善が見込めるという。

 入力端子はバランス(XLR)とアンバランス(RCA)を各1系統用意。大型のスピーカーターミナルを2系統備え、Yラグやバナナプラグにも対応。スピーカーのA/B端子を使用してバイワイヤリング接続も行なえる。

 SN比は120dB。ステレオ動作時の全高調波ひずみ率は0.05%(2Ω負荷)/0.02%(4~16Ω負荷時)、IMひずみ率は0.01%。前面には大型のアナログ式パワーメーターを装備。ピークホールドにも対応する。メーター動作や照明のON/OFFも可能。外形寸法は465×427×190mm(幅×奥行き×高さ)、重量は28.9kg。

(中林暁)