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スペック、30万円を切るデジタルプリメイン「RSA-888」

新PWMスイッチングデバイスで小型化/電源効率向上

デジタルプリメインアンプ「RSA-888」

 スペックは、PWM方式のデジタルプリメインアンプ「RSA-888」を8月29日に発売する。価格は299,250円。

 同社がリアルサウンド・アンプとして訴求するステレオ・プリメインの新モデル。100万円を超える第1弾モデル「RAS-F1」や、2012年8月から発売している「RSA-V1 DT」(504,000円)など、従来モデルと比べて購入しやすい価格帯になっている。

 パワーアンプ部に最新のPWM方式スイッチングデバイスを採用。時間軸を正確にコントロールするドライバー段(PWMコントローラー)とスイッチング特性に優れたパワー段の2つのMOS FETを、1つに統合したデバイスになっており、コンパクトなサイズを実現し、基板のパターンやリード線の線長も最小になったという。外形寸法は350×375×95mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は7kg。

 これにより、高域信号の通過障害となるインダクタンス分が「実質的に無視できるものになったと等価で、理想的なスイッチングが可能になった」という。その結果、より自然でダイナミックなサウンドを実現したとする。さらに、通常の半導体アンプと比較し、3倍の電源利用効率(最大出力時96%以上)を持っており、スペックでは「新時代のアンプ」と表現している。

 最大出力は100W×2ch(4Ω)。周波数特性は10Hz~30kHz±1dB(6Ω、1W)、高調波歪率は0.02%(1kHz、80%出力時)。入力端子は、XRLバランス×1、アナログRCAアンバランス×3を搭載。スピーカーターミナルは1系統で、ヘッドフォン出力も装備する。

 スイッチング電源には、2012年秋に発表されたSiC(シリコン・カーバイド)の高耐圧、大容量ショットキー・ダイオード、オーディオ用に特化した電解コンデンサ、特別仕様のオイル・コンデンサ、マイカ・コンデンサなどを採用。「最良のアナログ電源に比肩しうる自然な豊かさと、この方式の長所である明快なダンピングと量感あふれる低域を併せ持ち、スイッチングノイズから一切解放された透明感あふれる中高域を実現した」とする。消費電力は無信号時9W、最大出力時150W(8Ω、100Hz)。

 筐体のサイドパネルはインシュレータも兼ねた形状で、木製。素材はスプルース単板とカエデ材で、飛騨高山の家具メーカーにカスタムオーダーしたもの。他にも、ロック機構付きのパワースイッチや、滑らかな回転フィーリングを持つアルミ無垢のボリューム、密閉型のロータリースイッチなどの高品質パーツを採用している。

入力端子部分
サイドパネルはインシュレータも兼ねている

(山崎健太郎)