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スペック、電源別筐体で“響一”も搭載した80万円のネットワークプレーヤー

 スペックは、DSDの11.2MHz、PCM 384kHz/32bitまでの再生が可能なネットワークプレーヤー「RMP-X1」を10月15日に発売する。価格は80万円。

ネットワークプレーヤー「RMP-X1」。電源は別筐体

 ネットワーク経由での音楽再生が可能なプレーヤー。DSD 11.2MHz、PCM 384kHz/32bitまでに対応し、フォーマットはAIFF/WAV/FLAC/Apple Lossless(352.8kHz/384kHzは非圧縮のみ対応)をサポート。ギャップレス再生にも対応する。Ethernet経由でのソフトウェアアップデートも可能で、「常に最新の機能と性能にアップデートし進化し続ける、“究極のネットワークプレーヤー”」としている。

 DACにはESSの「ES9018S」を左右チャンネル独立で搭載。入力信号と完全同期で動作させることで、純度の高いアナログ信号を実現。さらに、「音質パーツで調整することで、“スペックの音”に仕上げている」という。

 アンプで培った技術も投入。響きの美しい天然木を底面に配置。バイオリンやチェロに使われるヨーロピアン・スプルースのアンダーベースにより、筐体の不要な振動を自然に減衰。「音楽性溢れる、豊かな音を再現する」という。インシュレーターにはピアノ鍵盤で使用される堅い北海道産イタヤカエデの無垢材をラウンド状に加工して採用。繊細かつ表現力豊かな響きが得られるという。

 アナログ電源部には、新開発のニチコン製電解コンデンサ「響一(ひびきいち)」を搭載。「透明感ある余韻と、伸びやかで気品のある音色を浮かびあがらせる」という。

 ノイズを低減するために、ネットワークとデジタルデコードブロックは完全分離し、アイソレーションされた信号をDACブロックに送り出すことでデジタル演算のノイズをシャットアウト。シャーシの内側にはEMCコーティングを塗布し、内部の高周波ノイズをさらに低減している。電源部は別筐体で、トランスからのノイズも遮断した。

 高精度かつ超低ジッタのTCXO(温度補償型水晶発振器)も装備。得られたマスタークロックを差動信号で伝送し、ジッタの影響を排除している。

 開発は、演奏家・チェリストでもあるエンジニアが担当。「チェロの甘い響きと楽器の実在感」にこだわっているほか、「ピアノの余韻や空間表現、バイオリンの滑らかな超高域、オーボエによる中域の表現力、これらは演奏家ならではの基軸をもってチェックした」という。

 出力端子はRCA、XLRを各1系統。入力はEthernetを1系統。BNCのクロック入力も備えている。消費電力は45W。外形寸法と重量は、本体が440×386×124.5mm(幅×奥行き×高さ)、約9.5kg。電源部が260×372×124.5mm(同)で、約7kg。

(山崎健太郎)