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第567回

「新型PlayStation 5」開封してみた。着脱式ディスクドライブはどうなった?

手前が新型のPlayStation 5・Ultra HD Blu-ray ディスクドライブ搭載版。型番はCFI-2000A01。奥が初代モデル

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、11月10日より新型のPlayStation 5(PS5)を発売する。

価格は「PS5(Ultra HD Blu-ray ディスクドライブ搭載版)」が66,980円、「PS5 デジタル・エディション」が59,980円。

新型のうち、Ultra HD Blu-ray ディスクドライブ搭載版(型番:CFI-2000A01)の評価機材が、発売を前にSIEから届いた。

取り急ぎ開封し、中身を確かめてみた。

付属品はあまり変化なし、「スタンド」の違いに注目

まず基本的なところをおさらいしておこう。

新型PS5はボディが30%以上小型化し、重量も18%(デジタルエディション)から24%(ディスクドライブ搭載版)軽くなっている。

ただ、サイズは変わったし構造も多少変化しているが、PS5としての性能には変化はない。ストレージ容量が825GBから1TBに増量されており、それが唯一の変更点と言える。

筆者は初回出荷版のPS5(ディスクドライブ搭載版、CFI-1000A)を持っており、それと比較しながら進めていく。

まずパッケージから見ていこう。CFI-1000Aのパッケージは処分してしまったので直接比較は難しいが、一回り小さくはなっている。

新型(CFI-2000A01)のパッケージ。ハンドルがなくなり小さくなっている
参考までに、初代PS5のパッケージ
いよいよ開封
同梱品。透明なプラスチックのパーツに注目

入っているものは、USBケーブルが両端USB Type-Cのものになったくらいで大きな変化はない。コントローラーも従来同様、白いDualSenseワイヤレスコントローラーだ。

唯一新しく追加されたのが、Aの字に似た透明なプラスチックのパーツ。これは横向きに設置する際、ディスクドライブ部で傾かないようにするための「足」で、本体中央のスリット部に差し込んで使う。

透明パーツを使って横置き時の安定を確保

なお、従来モデルでは縦置き・横置き兼用のスタンドが同梱されていたが、新型では無くなった。横置きの時は付属の透明スタンドを使い、縦置きの場合には別売の「縦置きスタンド」の利用が強く推奨されている。なお、この縦置きスタンドは初代PS5でもそのまま利用可能だ。以下新型については、このスタンドをつけて使っている。(一部比較写真で本体同士を近づけて撮影するために外している)

縦置き時に利用する「縦置きスタンド」

サイズは3割変化、テレビ周りにより置きやすいサイズに

では実際に、初代モデルと比較しながら見ていこう。

手前が新型で奥が初代モデル

これを見て「意外と変わらない」と思うか「こんなに違う」と思うかは、意見が分かれるかもしれない。

ただ、初代PS5は正直ゲーム機としてかなり大きく、テレビ周りに置く家電としても限界に近いサイズだったので、新型のサイズ感はかなり好ましい。

よく見えると、縦置きした場合のフットプリント自体はそこまで変わっておらず、これは安定性のことを考えてのものか、とも感じる。特にディスクドライブ付きのモデルはその分厚みがあるので、どうしても違いは感じづらい。ただ、高さ・奥行きの違いはよくわかるのではないだろうか。

コントローラーを手がかりに、サイズ感をイメージしてもらいたい。ディスクドライブのある下側の厚みはそこまで変わっていない

カバーの角は新型の方が少し丸くなっている。以前から裏側の梨地に見える部分について、実は小さな「△○□×」マークの集合体だったのだが、これは今回も踏襲されている。
また、筐体の表面はマットな仕上げだった初代モデルと違い、新型は光沢仕上げになっている。

角が少し丸いのが新型。どちらもカバーの裏は小さな「△○□×」マークが大量にモールドされている

本体正面にあるインターフェースは、2つともUSB Type-Cに変わった。片方が転送速度10Gbpsの端子で、もう一方が通常の端子なので、コントローラーの充電には通常の端子の方を使った方がいいだろう。

本体前面を比較。右が新型

ちょっとしたことだが、ディスク排出用のイジェクトボタンは中央でなくドライブ側に移動している。

これは利用者の観点で言えば結構ありがたい。従来は中央に電源と並んでいてどちらも黒なので、「どっちが電源でどっちがイジェクトか」がわかりづらかった。

今回はドライブが取り外し式になったためでもあるが、イジェクトボタンと電源の位置が明確に分かれたので使いやすい。

背面の端子は、位置こそ変わっているが数・仕様的に変更はない。

背面を比較。位置は変わったが端子仕様に変更はない

ディスクドライブは着脱式に。旧型との主な違いは「カバーの外しやすさ」

今回の新型の大きな変化が、Ultra HD Blu-rayドライブが「着脱式」になったことだ。

ドライブがある側は少しふくらんだような形状で、下の部分に「△○□×」のマークがある。

ドライブ部。ディスク挿入口の端にイジェクトマークがある
ドライブ部の下には「△○□×」マーク

ドライブは取り外しも取り付けも簡単。カバーを引っ張って外し、端からドライブを外すだけ。ドライバーなどは不要だ。

ディスクドライブは簡単に着脱可能
ディスクドライブをつなぐコネクター
専用のUltra HD Blu-ray ドライブ

ただ着脱式になったからといって、利用者が頻繁に取り外すことを前提にしているわけではない。ディスクドライブなしのモデルを買った場合にも後付けはできるが、そうする人が多いとも考えづらい。

おそらくこうした理由は、SIE側で生産・出荷する際の数量調整がしやすいためだ。従来は生産段階で「ドライブありモデル」「ドライブなしモデル」を分けておく必要があったが、新型の構造であれば、生産後出荷直前にどちらにするか選べるため、出荷量の調整も生産もシンプルになる。

消費者にとってのメリットは限定的だが、「出荷量が安定しやすい」という隠れた利点はあるだろう。

初回起動時にはドライブを「ネットで認証してアップデートする」作業が行なわれる。そのため、ディスクドライブ付きPS5を使うにはインターネットが必須だ。まあ、PS5自体がネット必須と言っていい機器なので、ここはさほど問題ではないだろう。

初回起動時にはディスクドライブを認証しアップデートする

映像自体はなんの問題もなく見られて、当然画質などにも変化はない。

UHD BDの再生機能に変化はない

ただちょっと変わったかな、と感じたのは、ディスクをマウントする際の「音」だ。UHD BDは高速回転するメディアだし、PS5のディスク認識音は少し大きくて耳障りかな……と感じていたのだが、新型ではそれが少し小さくなった。まあ、再生が始まればどちらも静かで問題なく、ほんの小さな違いに過ぎないのだけれど。

それよりも、個人的に「いいな」と思ったのは、外側のカバーが非常に外しやすくなったことだ。

上下2つに分割されたこともあるが、力を使わなくても簡単に外れる。初代モデルのカバーは外す時に「割れるんじゃないか」と怖くなる感じだったので、この違いは大きい。

カバーを外すのは埃の掃除にも有用だし、ストレージの交換も簡単になる。ストレージ交換にはネジを1つ外す必要があるが、それだけ。非常に簡単だ。

カバーは簡単に外れる
ストレージ(SSD)の交換は、ディスクドライブがある側の上の方を外す。ファンの隣にある細長い金属プレートの部分がSSDだ

冒頭で述べたように、新型PS5は性能面ではほとんど変化がない。動作音も同じように静かで変化が感じられなかったし、発熱も同様だ。詳細に消費電力などを比較すると違いもあるかもしれないが、今回は時間の関係もあり検証できていない。どちらにしろ、「新型でも旧型でも、PS5であることに変わりはない」のだ。

新型は為替の影響もあって価格が上がってしまった。購入するなら新型をお勧めするが、もし安価に入手できるなら、以前のモデルでも全く問題はない。

入手性を高め、リビングなどでもより置きやすいサイズになったことが、新型の最大の違い、といっていいだろう。

西田 宗千佳

1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に、取材記事と個人向け解説記事を担当。朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞、AERA、週刊東洋経済、週刊現代、GetNavi、モノマガジンなどに寄稿する他、テレビ番組・雑誌などの監修も手がける。 近著に、「生成AIの核心」 (NHK出版新書)、「メタバース×ビジネス革命」( SBクリエイティブ)、「デジタルトランスフォーメーションで何が起きるのか」(講談社)などがある。
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