鳥居一豊の「良作×良品」

第123回

鳥居家に新AVアンプが届いた! マランツ「AV 10+AMP 10」よデレてくれ!

マランツ「AV 10+AMP 10」

新AVアンプ到着。ホームシアターを超える新しい可能性への挑戦が始まる

5月末、ようやく新しいAVアンプが到着した。荷物は2つ(と一緒に同じく可愛くないサイズの荷物が3個届いているのだが、それは別の話題)。もうおわかりの通り、筆者が新しいAVアンプに選んだのは、マランツAV 10とAMP 10だ。

自宅に届いた大きな箱がふたつ。廊下を占有してしまうので、すぐに開梱の儀式を執り行なった

デノンのAVC-A1Hではなく、マランツを選んだ理由は、決定打としてはやはりパワーアンプおよび、近く4個に増える予定のサブウーファーとの接続をバランス接続としたかったため。前の記事を読んだ人の中にはマランツを選んだのは意外だと感じる人がいるかもしれない。実際、いつもならば現時点で自分の求める音に近いデノンを選んだだろう。

しかし、今回は少し意識が違っていた。マランツのAV 10とAMP 10のペアに未知の可能性を感じたのだ。AVアンプとHi-Fiアンプの境界線を越えるというか、ホームシアターとHi-Fiオーディオのマルチチャンネル再生の融合のようなところを目指そうと考えたため。これは、音楽のジャンルで「空間オーディオ」と呼ばれるマルチチャンネル音源が登場したこともある。

もともとSACDやDVDオーディオの頃からマルチチャンネル再生はあったが(さらに大昔にはクワドラフォニックと呼ばれた4ch再生などもあった)、どれもジャンルとして定着することはなかった。だが、「空間オーディオ」はヘッドフォン再生でも楽しめるなど間口が広がっており、今度こそジャンルとして定着する期待もある。

これまでの経験から言っても、AVアンプの実力を高めていくと、ミュージカル映画や音楽家、アーティストを題材とした映画の面白さがよりよくわかるようになる。AVアンプでHi-Fiアンプと競おうとか、無意味な挑戦をするつもりはないが、超高級機による2チャンネル再生のステレオフォニックな音のイメージに、マルチチャンネル再生でなら限りなく迫れるのではないか。それとも2チャンネル再生とマルチチャンネル再生はやはり別物なのか。そのあたりを突き詰めてみたいと思ったのだ。

まあ、ご大層な物言いはこれくらいにしよう。ようするに、AVアンプのおかげでそれなりに興味を持つようになってきた音楽を題材とした映画、音楽そのものにも手を広げて行こうというわけだ。もちろん、アクション映画やアニメなどを捨て去るつもりはない、その両方を満足できる音に仕上げていこうというのが、新しい挑戦だ。

さっそく箱から出して、設置・接続・設定を開始。悪い予感が的中

何にせよ、まずは設置と接続だ。あらかじめ旧AVアンプはラックから出して準備をしていたので、開梱したAV 10とAMP 10を所定の位置に設置。サイズはなかなか大型でずっしり重いが、そんな苦労もユーザーにとってはご褒美のようなもの。大きなサイズでしかもがっしりと剛性の高いシャーシに感心したり、天板の放熱口から内部をのぞいて整然と配列されたアンプたちに惚れ惚れとしたりしながらの楽しい作業だ。

設置したAV 10の様子。サイズ的にも収まりがよく、TAOCのラックと色合いも近いため、そのために誂えたようだ
同じくAMP 10の様子。新しい顔のマランツのアンプが2台並んだ様子は壮観

そして配線。銅メッキされたバックパネルに感激。マランツの製品はこうでないと! そんなふうにニヤニヤしながら何十本ものバランスケーブルを接続していく姿は、かなり滑稽だっただろう。パワーアンプのAMP 10への接続は、とりあえずというか、あまり深く考えずに、プリアンプ側の並びと同じとした。つまり、左のCH(チャンネル)1からフロント(L/R)、センター、サラウンド(L/R)という感じだ。現在の我が視聴室は6.2.4ch構成なので、当然パワーアンプは6チャンネルも余る。これについては、後々考える。

まずはとにかく音を出そうと、あまり深く考えずに配線。スピーカー配置もそのままで、Audysseyによる自動音場補正もいつもの通りのやり方で済ます。正しく配線ができていることを確認し、自動音場補正を行なって、とにかく最低限の設定だけ済ませて準備完了。

設置や配線などが完了した状態。ラックの下側がAV系、上側がHi-Fi系という配置。カラーコーディネートしたわけではないが、結果的にかなりうまくまとまってご満悦

記念すべき最初の映画は「トップガン:マーヴェリック」。マランツ本社に伺っての試聴でも聴いているし、それ以上にさんざん聴いているので、聴き所も把握しており、音のチェックという意味でも間違いない選択だ。

出てきた音は試聴室などで聴いた印象のまま。色づけの少ない忠実感のあるトーンで情報量が豊かだ。さんざん聴いているジェット機のエンジン音や飛行時の風切り音、登場人物の声、そして音楽が、今までとは違う精密さで、細かな部分まで描き切る。

これまでのAVアンプと、いや一般的なAVアンプとはずいぶんと音の感触が違う。低音はローエンドまでしっかりと出る。ややタイトだがしっかりと鳴っている。中高域は音の質感や立体的な定位や移動感などは見事なものだし、空間感の再現は非常に精密。さすがはマランツのAVアンプの最上位モデルである。

だが何か物足りない。

クライマックスでの作戦シーンから無数のミサイルに狙われる“棺桶コーナー”の戦いなどを見ていても、なにかひとつ盛り上がらない。熱気や情感はしっかり伝わるのに、もうひとつ心にぐっとこない。

正直に言って、悪い予感が的中したと感じた。Hi-Fiアンプに近い色づけのないストレートな音だと、いわゆる映画的な興奮とか高揚感が薄いのだろうか。いやいや、Hi-Fiアンプだって、音楽の情熱やプレイヤーの心情を豊かに、そして雄大に描くはず。だが、これまでに自分が追求してきた映画の音とは決定的に何かが違う。

選択を誤ったとは思わないが、デノンのAVC-A1Hを選んでいたら、この時点で大満足し、めでたしめでたしだったろうとは思う。いや、まあ、まだ電源を入れてすぐだし、2、3日通電していれば、音も変わってくるはず。そんな感じで、最初の1日は終わった。

配線を見直せ、測定の精度を高めろ。すべてをゼロからやり直す

こういう時、その場でセッティングや設定を見直すなど、とにかくいろいろと試してみるのは重要だ。だが、他の仕事の予定などもあり、購入してからの数日は映画を1本通して見ることもかなわず、いくつかの映画の要所だけ再生しながら、物足りないと感じた理由を考える日々が続いた。

日が経つとアンプの音はより良くなってくるのがわかる。音像や音場の精密さがますます高まっていく。だが、映画的なリッチな感触、アクション映画の迫力や興奮という感じは物足りない。このまま、良くも悪くもHi-Fiっぽい感触のまま、新しい自分の音を追求していくことになるのかなあ。などと諦めに近い気持ちもあった。

そして、とある映画でふと気付いた。センターの定位が左に偏っている。筆者は製品にしても、聴き手の好みとしても、あまり音像型とか音場型という言い方はしないが、個人的な好みとしては正確な音像定位と実体感のある音像が成立してこそ、豊かな音場が得られると考えている。

だから、音像定位にはそれなりにうるさいし、そのようにセッティングしているはずだった。そこで、センター定位の偏りに気付く。センタースピーカーのない構成だからフロントスピーカーのバランスだろうか。厳しくチェックしていくと、定位はセンターだが、音の響きの余韻が左に偏る感じだと気付いた。音量的な問題ではない。

スピーカーセッティングからすべて見直すか……。そう決めた後は早い。仕事のスケジュールを組み立て直して、1日時間を空ける。こんなこともあろうかと、入手していた新兵器「レーザー距離計」を導入し、より高精度にスピーカーの距離を合わせ、セッティングを再調整するところから始めた。

レーザー距離計というと、業務用の高価なものをイメージしていたが、実はゴルフでの距離測定や大工仕事の道具として、数千円という価格で手に入る。自分が手に入れた建築用具向けのものは、精度はミリ単位だが、これまでは巻き尺を使った「ほぼミリ精度か、せいぜいセンチ精度」だったので性能は十分。

問題は、きちんとした台に置き、測定位置もきちんと定める必要があること。最初は手持ちで測ろうとしたが、当然ながら測る度に数値が変わる。三脚に取り付けるタイプのタブレット用ホルダーを使って簡易的な距離計用のスタンドを用意し、カメラ用の三脚にセットした。それでも測定結果がバラつくので、最終的には水準器まで使って正しく水平まで出した。

新兵器のレーザー距離計と、即席の設置台。最低限のものだが、このくらい距離計の設置をきちんとしないと正確な測定ができない
設置台は、三脚用のネジ穴がついたタブレット用ホルダー。そこに透明シートを敷いて45度ずつのガイドラインを引いた

業務用のレーザー距離計が高価な理由がわかった。計測精度もそうだが、カメラで言う三脚の雲台に近いものの調整と精度が優秀でないと正確な測定ができないのだ。四苦八苦しながらようやくコツをつかみ、測定のバラつきも減ってきたので、各スピーカーの距離を測定した。

スピーカーの距離の誤差は1cm以下だったが、とにかく、スピーカーの物理的な位置を調整して、フロント、サラウンド、サラウンドバックの左右の距離を揃えた。

このくらいの物理的な位置のズレが音に現れるのか? 怖いアンプだな。と作業しながら思う。だが、まあ、こういうユーザーに厳しいアンプは大好きだ。使いこなせばいつか“デレて”くれるはずだと信じて、いろいろと手をかけてやることにする。

このほか、パワーアンプへの配線をすべてやり直した。パワーアンプ側の各アンプというか、スピーカー端子にはフロント用とかサラウンド用という名称はなく、CH1~16の番号がふられているだけ。このあたりもユーザーには優しくないと感じたが、これはつまり、各スピーカーのアンプをどこにアサインしてもよいということだ。

そこで思いついたのが、左右対称配置。つまり、左端のCH1と右端のCH16をフロントの左と右として、アンプ1~8が左側チャンネル、アンプ9~16を右側チャンネルとして使うこと。各アンプはすべて独立したディスクリート構成だから、これで音が変わるということはない。だが、明らかに音が良くなりそうな気はする。

ちなみに、フロント、サラウンドという並びにせず、外側からフロント、トップフロント、サラウンド、トップリア、サラウンドバックという順番にしている。これは、比較的アンプ負荷の小さいトップスピーカー用アンプを間に挟むことで、熱的な平衡にも配慮したもの。これはマランツのAVアンプ、CINEMA 40で実際に採用されているアイデアだ。

CINEMA 40のパワーアンプはAB級動作、AMP10のパワーアンプは熱効率の優れたD級動作なので、期待するほどの効果はないとも思うが、優れたアイデアや手法は敬意をもって真似させていただく主義だ。もちろん、読者諸兄も共感いただけたならばどしどし真似してください。

Class Dアンプモジュールが並んだ内部

初心者には手強いアンプだな、とは思うが、気付いてしまえば面白い。自分のオーディオ、AVの知識や経験を試してくるようなアンプだ。ここからはまさにアンプとの格闘だ。

こうして、左右対称配置でアンプをアサインしていくと、使っていないアンプが気になってくる。よかろう、ならばバイアンプだ。ちょうどよく6チャンネルも余っていたので、フロント、サラウンド、サラウンドバックをすべてバイアンプ駆動とした。これで16チャンネルすべて使い切った。

今後はトップスピーカーの6チャンネル化やフロントワイドチャンネルの追加なども構想にあるのだが、スピーカーが増えたときにまた考えることにする。

16チャンネルもアンプがあると、「そんなにスピーカーをつなげないから不要」と思う人もいるだろう。だが、高級機でチャンネル数の多いAVアンプはバイワイヤ接続などを含めたアンプのアサインが柔軟に行なえるので、非常にマニアックだが、実に面白い。フロント、サラウンド、リアをすべてバイアンプ駆動とか、めちゃくちゃワクワクするのは筆者だけだろうか。

格闘の末、ようやく手応えのある音が出た。デレるのはまだまだ先か

ゼロから見直すということで、珍しくセットアップアシスタントもすべて行なった。AVアンプに慣れてしまうと、確認すべき項目も設定すべき項目もわかっているので、必要な部分だけ設定しがちだが、やはりすべてきちんとやった方がいい。案外、見落としもある。

デノンとマランツのセットアップアシスタントは、非常に親切で各スピーカーとの配置などをはじめ、極めて丁寧にガイドしてくれる。手順としてもスピーカーの接続、テレビとの接続、その他の機器の接続など、きちんと整理されている。最近の機器は分厚い紙の取扱説明書は付属せず、必要な人はパソコンなどでPDF化したものを参照できるようになっているものが多いが、少なくとも初期設定に関しては、内容がすべてセットアップアシスタントに収録されているようなものなので、説明書は不要だろう。

セットアップメニューのトップ画面。一番下にあるのが最初に行なう「セットアップアシスタント」。必要な準備はこれで一通り行なえる
セットアップメニューにある、おそらくはAV 10ならではの画面。プリアウトがアンバランス(RCA)とバランス(XLR)があるので、それについての解説がある
同じくAV 10ならではの画面。外部パワーアンプに接続するとき、接続した端子を選び、セレクターを切り替えることをガイドしている。なぜかここだけ英語だ

このほか、フロントパネルのディスプレイ、イルミネーションの明るさなどもきちんと設定。HDMI周りの設定も一通り確認した。アップスケール機能はなんと8Kアップコンバートにまで対応しているし、4K/120pや8K/60p信号にも対応するが、必要に応じて信号フォーマットの設定を変更する必要がある。

一般設定のフロントパネルの項目。ディスプレイとイルミネーションは、独立して明るさを調整できる(連動も可能)
ビデオ/HDMI設定。HDMIコントロールやARCなどの設定ができる
ビデオ/ビデオ出力の設定。2系統あるHDMI出力の設定やHDMIスケーラーの使用を選択できる
ビデオ/4K/8Kフォーマットの設定。初期設定はすべて「拡張」フォーマット。ゲーム用の端子のみ、4K/120pなどに対応する「8K拡張」に切り替えた

このように、まったくのゼロから設定をやり直し、WiFi設定やらHDMI連動設定、HEOS設定まですべて完了。パワーアンプのAV 10は、こうしたガイド機能がないため、取説を読んできちんと接続をやり直した。入力のRCA/XLRの切替、バイアンプ/BTL駆動の切り替えなどは、電源オフ時にバックパネルのスイッチを切り換え、電源を入れ直すと設定が切り替わるので要注意だ。

これで改めて、Audysseyによる自動音場補正をやり直す。設置台はレーザー距離計で実測した時に使った簡易スタンドをそのまま流用。レーザー距離計の測定基準位置に測定マイクを置いた。

普段だと、何度か測定するとそのたびに距離に誤差が生じるのだが、きちんとした測定用のスタンドを使うと、測定距離の誤差もほとんどなかった。正しく測定できれば、補正もより正確になる。今さら言うことではないのだが、自動音場補正機能をきちんと使いこなすうえで、かなり基本的で、しかも重要なポイントかもしれない。

また、今後は有償で使うことができる「Dirac Live」での音場補正も試したいと思っているので、今回の経験がきっと役に立つはずだ。

スピーカー設定にある、各種セットアップの画面。一番下の「Drac Liveセットアップ」が気になる
スピーカー設定のサブーファー出力。現在はサブウーファー2個使いだが、設定はもちろん「LFE+メイン」。「指向性:左右」の設定で使用している

なるべく簡潔にまとめたが、実際はいろいろと手間取ったし、配線も含めて何度か最初からやり直したので、実際には1日では終わらなかった。最終的には、フロント、サラウンド、サラウンドバックはすべてバイアンプ駆動ではなく、底力のある駆動力を感じたBTL駆動(バイワイヤ接続)とした。

また、なんとなく聴感で合わせていた音量も、騒音計アプリで測ってみると、ふだんより20dB近く低い音量だったことがわかって、がく然とした。音が明瞭でエネルギーも力感もあるので、ふだんより小音量でもまったく気にならなかったのだ。実は当初感じた物足りなさの最大の原因は、音量かもしれない。

ひとまずは納得のいく音に仕上がった。使いこなすのはまだまだこれから。

さて、「トップガン:マーヴェリック」を聴いてみよう。ようやく納得のいく音が出た。というか、冒頭の「トップガン・アンセム」から「デンジャー・ゾーン」を見て、ダークスターの飛行テスト、終盤の空中戦と主要なシーンだけを見るつもり、結局全部見てしまった。迫力やスケールも申し分ない。

そして、さらに精密になった音像定位は、Dolby Atmosの立体的な音の定位や移動をより明瞭に描き出す。これまでの映画的なシアターサウンドとは感触は違うが、これはこれでリアルな映画の音だ。

面白いのは、空中戦などのシーンではなく、砂浜での特殊なビーチ・フットボールの場面やロマンチックな場面などの面白さが増していること。ド派手なシーンだけでなく、日常的な場面での情感や場面の空気感が濃厚に伝わる。アイスマンとマーヴェリックの会話なんて、映画館で初めて見たとき以上に感動的だ。

ホラー映画は「死霊館 エンフィールド事件」を見た。子供たちの寝室に何者かがやってくる時の足音の深みと、壁越しに聴こえる音の定位感も最初は物足りなかったが、壁越しに伝わる足音の重みと定位感、なにより閉じられたドアにだんだんと足音が近づく様子がわかる再現には鳥肌が立った。ホラー映画はかなり怖い。

音楽映画は「ボヘミアン・ラプソディ」。フレディ・マーキュリーらの心情がより伝わるし、ラストのライブ・エイドでのパフォーマンスが素晴らしい。個々の演奏の音の質感やリアリティーはもちろんだが、一緒になって歌う観客の声や手拍子の数がとても多い。音場というよりその場の空気の再現が見事だ。

かなり久しぶりになってしまったが、「ガールズ&パンツァー劇場版」も見た。この映画館向けの轟音を余裕さえ感じるパワー感で再現。ちまちまとセッティングを追い込みながら、劇場での轟音を再現しようとしていた日々を思い出す。劇場そのままの音の再現ができないことにはすでに気付いているが、ホームシアターでこそ再現できる正確な空間の再現や精密な定位といった方向性は間違っていなかったことを実感した。

これが我がシアターの新しい音の第一歩だ。

この音を基準にさらに理想を追求していこう。AV 10とAMP 10はようやく心を開いてくれた感触はあるが、まだまだ“デレてくれた”手応えはない。時間をかけて、ゆっくりと詰めていこう。やりたいこと、試してみたいことはまだまだたくさんある。長い付き合いになる予感がする。

最初はどうなることかと思ったが、ようやく「いい買い物をした」と実感できた。今までのホームシアターを超えた音の探求はまだ始まったばかりだ。

鳥居一豊

1968年東京生まれの千葉育ち。AV系の専門誌で編集スタッフとして勤務後、フリーのAVライターとして独立。薄型テレビやBDレコーダからヘッドホンやAVアンプ、スピーカーまでAV系のジャンル全般をカバーする。モノ情報誌「GetNavi」(学研パブリッシング)や「特選街」(マキノ出版)、AV専門誌「HiVi」(ステレオサウンド社)のほか、Web系情報サイト「ASCII.jp」などで、AV機器の製品紹介記事や取材記事を執筆。最近、シアター専用の防音室を備える新居への引越が完了し、オーディオ&ビジュアルのための環境がさらに充実した。待望の大型スピーカー(B&W MATRIX801S3)を導入し、幸せな日々を過ごしている(システムに関してはまだまだ発展途上だが)。映画やアニメを愛好し、週に40~60本程度の番組を録画する生活は相変わらず。深夜でもかなりの大音量で映画を見られるので、むしろ悪化している。