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ソニー、XRプロセッサ×直下型LEDのプレミアム4K液晶「X90L」
2023年4月10日 10:04
ソニーは、高画質プロセッサーと直下型LEDバックライトで画質性能を高めた4K液晶ブラビア「X90L」および「X85L」シリーズを、5月20日より順次発売する。サイズは、X90Lが65・75・85型、X85Lが55・65型。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は21.5万円前後(KJ-55X85L)から。
4K液晶ブラビア「X90L」シリーズ
・85型「XRJ-85X90L」 約605,000円 5月27日発売
・75型「XRJ-75X90L」 約440,000円 5月20日発売
・65型「XRJ-65X90L」 約352,000円 同上
4K液晶ブラビア「X85L」シリーズ
・65型「KJ-65X85L」 約275,000円 5月27日発売
・55型「KJ-55X85L」 約215,000円 6月10日発売
XR搭載のプレミアム4K液晶「X90L」シリーズ
X90Lは、2022年に発売された「X90K」シリーズの後継。新ファームの認知特性プロセッサー「XR」により、ノイズ抑制処理が向上。さらにLEDバックライトのピーク輝度や分割数を改善し、画質性能をアップデートしている。
65・75・85型共に、4K/3,840×2,160ドットの倍速液晶パネルで、直下型LEDバックライトを搭載。独自のコントラスト基準「XR コントラスト ブースター」の数値は、前モデルX90Kと変わらず“10”のままだが、「前シリーズ比で、ピーク輝度は最大30%アップ、分割数は最大60%アップしている」(担当者)という。
映像エンジンは、第3世代へと進化した認知特性プロセッサー「XR」。
2022年の第2世代では、新しいから―アルゴリズムによる色域拡大と、奥行き情報に基づいた前景・後景の映像処理が追加されたが、今期は「XRクリアイメージ」が追加。コンテンツ毎の解像度やエンコード情報、ビットレートといった特性をこれまで以上に細かく分類・認識できるようになったことで、映像毎の処理を最適化。放送波を含むあらゆるコンテンツにおいてノイズや動きブレが抑制され、より精細感のある映像が楽しめるようにした。
また、2023年モデルではスタンダードやダイナミックなどの一部モードで“色味”が変更されたのもポイント。2022年モデルまではやや赤味の強い画作りだったが、'23年モデルからはやや青味に寄った画作りとなった(カスタムなどは変更なし)。
色味の変更について、担当者は「各画質モードにおいて、一般ユーザーがパッと見で“キレイ”“明るい”と感じる色味に調整を行なっています。ダイナミックモードでは、より人の目で見た時に明るく感じるよう色温度を調整しました」という。
その他の主な映像処理は前モデル同様で、広色域「XR トリルミナス プロ」や超解像「XR 4Kアップスケーリング」、コマ補間「XR モーション クラリティ―」を引き続き搭載。HDR10、HLG、Dolby VisionのHDR規格もサポートする。
サウンドシステムは、画面下部のフルレンジスピーカーと背面上部・両サイドに設けたツイーターによる「アコースティックマルチオーディオ」(2.2ch/30W)。音の定位感を向上させることで、人の声の聞きやすさと臨場感の向上を図った。
ソニーのサウンドバーなどと接続した時に、テレビスピーカーをセンタースピーカーにする「アコースティックセンターシンク」、Atmos以外のコンテンツでも左右・高さ方向の3次元立体音響を生成する「3Dサラウンドアップスケーリング」などにも対応。Dolby Atmosもサポートする。
エッジ型から直下型になったスタンダード4K液晶「X85L」
X85Lは、2022年に発売された「X85K」シリーズの後継。従来はエッジ型だったLEDバックライトが“直下型”に変更。エリア分割のバックライト制御により、残像感も低減されている。またXRプロセッサ非搭載モデルながら、独自の動画配信サービス「BRAVIA CORE」も楽しめるようになった(詳細は後述)。
4K/3,840×2,160ドットの倍速液晶パネルで、直下型LEDバックライトを搭載。暗部の電流を明部に集中させて輝度向上を図る、独自のエリア制御「エクステンディッド ダイナミックレンジ」のほか、LEDバックライトの発光時間を最適化することで、画面の明るさを保ったまま残像感を低減する「Xモーション クラリティー」もサポートする。
映像プロセッサーは「HDR X1」。低解像のコンテンツも4K解像度へアップコンバートする超解像エンジン「4K エックス リアリティープロ」、彩度・色相・明度を3次元で検出して細部まで忠実な色再現を目指す「トリルミナス プロ」も備える。
サポートするHDR規格は、HDR10、HLG、Dolby Vision。
サウンドシステムは、フルレンジ2基による計20Wの「エックス バランスド スピーカー」。音の歪みを低減する形状のスピーカーと大容量のスピーカーボックスを組み合わせた。Dolby Atmosもサポートする。
X90L、X85Lの共通機能・仕様
ゲーム専用のユーザーインタフェース「ゲームメニュー」を新搭載。PlayStation 5などのゲーム信号を検知すると、ゲームのステータスや設定などのアシスト機能を集約したメニューが表示できる。
画面を小さくして表示できる「画面サイズ調整」、シューティングゲームで活用できる中心点表示「クロスヘア」、暗部を持ち上げて視認性を高める「ブラックイコライザー」、プレイ画面のちらつきやカクツキを抑える「VRR」などを用意する。画面サイズ調整は、後日ソフトウェアアップデートでの対応。
ソニー・ピクチャーズなどの映画コンテンツを高ビットレートで楽しめる、独自の動画配信サービス「BRAVIA CORE」をサポート。X90Lの場合は有効期間24カ月の10クレジット、X85Lの場合は有効期間12カ月の5クレジットが配布される。
また今年からBRAVIA COREがDolby Atmosのサポートが始まり、順次Atmos対応コンテンツが拡充される予定。なお、BRAVIA COREの“IMAX enhanced”コンテンツは従来dts音声だったが、Atmos音声の提供開始後も、ホーム画面の設定や音声切り替えにより2つの音声が楽しめる見込みとのこと。
搭載チューナーは、BS4K/110度CS 4K×3、地上/BS/110度CS×3。別売の外付けHDDを接続すれば、2番組の同時録画も可能。放送視聴中の裏番組録画や2番組同時録画が行なえる。
OSは「Google TV」。独自のBRAVIA COREほか、NetflixやPrime Video、Hulu、Disney+、TVer、ABEMA、U-NEXT、Apple TV、YouTube、DAZNなどの各種映像配信サービスが楽しめる。Bluetooth式リモコンには「U-NEXT」「Netflix」「Hulu」「Prime Video」「ABEMA」「Disney+」「YouTube」の7つのダイレクトボタンを用意する。
無線LANは、IEEE802.11ac/a/b/g/n。Googleアシスタント、ハンズフリー音声検索、Chromecast built-in、Apple AirPlay 2ほか、ホームネットワーク機能(DLNAクライアント)も備える。
HDMI入力は4系統で、入力3・4がHDMI 2.1をサポート。4K120p入力や可変リフレッシュレートのVRR、自動低遅延モードのALLMに対応する。eARCは入力3のみ可能。PS5連携機能のオートHDRトーンマッピング、コンテンツ連動画質モードにも対応。XRプロセッサー搭載機は、4K120p入力時のフル解像度表示も行なえる。
HDMI以外の端子として、ビデオ入力(4極ミニ)、光デジタル音声出力、センタースピーカー入力、ヘッドフォン出力、USB、LANを備える。
X90Lのみ、スタンドをサウンドバースタイル(ハイポジション)にも変更可能。
消費電力と年間消費電力、外形寸法、重量は以下の通り。
【消費電力と年間消費電力】
X90Lシリーズ
・XRJ-85X90L:378W 231kWh/年
・XRJ-75X90L:292W 202kWh/年
・XRJ-65X90L:276W 188kWh/年
X85Lシリーズ
・KJ-65X85L:231W 167kWh/年
・KJ-55X85L:178W 140kWh/年
【スタンドを含めた外形寸法と重量】
X90Lシリーズ
・XRJ-85X90L:189.1×46.4×112.0cm/標準時(幅×奥行き×高さ)
189.1×46.4×116.0cm/サウンドバースタイル(同) 45.9kg
・XRJ-75X90L:166.8×39.5×99.2cm/標準時(同)
166.8×39.5×103.2cm/サウンドバースタイル(同) 36.6kg
・XRJ-65X90L:144.5×34.5×86.1cm/標準時(同)
144.5×34.5×90.1cm/サウンドバースタイル(同) 25.0kg
X85Lシリーズ
・65型「KJ-65X85L」:144.7×33.6×90.7cm(幅×奥行き×高さ) 24.7kg
・55型「KJ-55X85L」:122.8×33.6×78.4cm(同) 17.4kg