プレイバック2016

HDRと体験の時代。買えなかったPS VR by 編集部:臼田

 HDRやUltra HD Blu-ray、4Kテレビの普及、VRへの注目、ドローンの進化、映像配信サービスの伸長、Spotify上陸など、毎月のように大きなトピックがあった2016年。

 個人的には、Ultra HD Blu-ray(UHD BD)とHDRによる映像表現の進化は驚かされた。特にHDRについては、夏頃は既存タイトルのHDR化が中心となっていたが、年末から来年には最新作がHDR化されており、盛り上がりを見せている。PlayStation 4 ProのUHD BD非対応にはズッコケたが、最近はUHD BD関連記事への注目度も上がり始めており、2017年はさらに広がりを見せることを期待したい。

 一方、AV Watchというメディアを運営する上で、'16年に気になったことは、最新情報やスペックへの注目度が下がってきていること。例えば、DVDレコーダ黎明期であれば“Wチューナ長時間録画”、地デジの普及期であれば“フルHD”テレビといつた、キーワードだけで注目されていたが、現在“HDR対応”や“ハイレゾ“といったキーワードにそこまでのパワーはないようだ。

 ただ、「5,000円のハイレゾイヤフォン」、「10万円台前半の40型台4K/HDRテレビ」、「ガルパンに最適なシステム」のように、価格や用途を限定すると、しっかりと読んでもらえるようだ。

 「モノ」(製品)から「コト」(体験)へ、とはよく言われることだが、AV Watchの“読まれる記事”でも、「その製品を買うと、何がより楽しく、便利になるのか」という”理由”を、より求められるようになったと感じる。個人的に2016年に興味を持った製品やサービスも、フライングカメラとしての機能を強化した「DJI Mavic Pro」(まだ入手できていないが……)や、統合的なオーディオ管理ができる「Roon」、完全分離のワイヤレスイヤフォン「EARIN」や「AirPods」など、“なんか新しい経験をもたらしてくれそう”な製品・サービスだった。

DJI Mavic Pro
AirPods

 今年は、僚誌の家電Watchも兼任していたが、市販のコーヒーメーカーを使った期間限定カフェや、市販炊飯器を使った期間限定店舗など、体験型イベントやプロモーションが増えたのも印象に残った。

 そして“体験”、“使わなければわからない”という意味では、PlayStation VR(PS VR)に代表される、VR製品やサービスが続々登場したのも2016年の大きな話題だ。

 もっともPS VRについては、発売から3カ月立った今でも入手困難で、多くの人が“体験できない”という状態なのが残念だ。筆者もその一人。発表時の「台数を十分確保」という記事を音読しながら、毎週末販売ページを巡回している。発売日入手は難しいのは想定していたが、まさか年末まで入手できないとは……。17年はPS VRの増産よろしくお願い致します!!>SIE様

PlayStation VR

臼田勤哉