プレイバック2018

USB DAC再生が快適に! Windows版「Audirvana Plus」が気に入った by 三浦孝仁

ピュアオーディオの音を追求している私にとって、2018年はかなり充実した1年だったと言える。ハイレゾ音源に代表されるデジタルオーディオの音はさらに高い次元へと進化した印象であるし、再び脚光を浴びてきたアナログディスク再生の本格的な音も魅力的。唯一残念だったのは、オーディオ機器として高く評価していたOPPO Digitalが撤退してしまったことだが……。

Windows版「Audirvana Plus」を使っているところ。下のDACは、MYTEK Digitalの「Manhattan DAC II」だ

さて、私が今年1年を振り返り、導入したものから特に気に入っているアイテムを1つ紹介しよう。それは、Windows版の「Audirvana Plus」である。私はネットワークオーディオをハイレゾ再生の本命と考えて機材環境を整えているが、PCとのUSB接続で音を鳴らすUSB接続DACは、カジュアルな高品質サウンドという位置づけで楽しんでいる。

Windows PCのほうがMacよりも使うことが多く、これまでは音楽再生アプリにWindows環境の定番といえる「foobar2000」を愛用してきた。フリーソフトという手軽さに加えてシンプルな操作系ということが入門者にも紹介しやすいため、機会があるごとにfoobar2000を推奨していたのである。Windowsには他にも定番アプリ「JRiver Media Center 」もあるが、いまひとつ馴染めないでいる。

foobar2000は頻繁にマイナー・アップデートが行なわれているが、今年に入ってからのfoobar2000では、DSD音源の再生に必要な環境(ASIO Proxy)の設定に悩むようになってきた。個人的なスキルの乏しさがその原因なのだろうけれども、提供されている最新モジュールでの設定がうまくいかない場合が増えてきたのだ。

そんななか、開発中とされてきたWindows版のAudirvana Plusがついに登場。ダウンロード版の価格は74ドルで、日本円では9,000円を切る程度。言うまでもなく、Mac環境では超定番の優秀なアプリのWindows版だ。

私も自分のMacBook Proにインストールしてあるので、その使い勝手と音の良さについては知っていた。なるほど有料アプリと思わせるのは、初心者であっても感覚的になんとか使えてしまうユーザーインターフェースの巧さだ。音楽再生アプリによって微妙に異なる音質傾向があるのだが、Windows版Audirvana Plusには音質的な不満もなかった。その点ではfoobar2000と同等か、それ以上と言うことができよう。最初は持ち歩くことの多いノートPCにインストールし、今はデスクトップPCにも同じ環境を構築して快適に動かしている。

USB接続で楽しむオーディオ再生は、とりあえずWindows版Audirvana Plusでしばらくいけそうだ。ほかにも導入して気に入っているアイテムは、たとえばSOULNOTEのDAC「D-2」やSOtMのオーディオ用ネットワークスイッチ「sNH-10G」などがある。2019年も、オーディオファイルをワクワクさせる機器の登場を願ってやまない。

SOULNOTEのDAC「D-2」

三浦 孝仁

中学時分からオーディオに目覚めて以来のピュアオーディオマニア。1980年代から季刊ステレオサウンド誌を中心にオーディオ評論を行なっている。