プレイバック2021

“次世代基準”α7 IVと悩んで、α7Cでミラーレスデビュー by 編集部:酒井

今年最後の散財として購入したソニー「α7C」

2021年はiPhoneやiMac、iPadなど、日常使っているデバイスを総入れ替えする1年だった。1~2年前から入れ替えを考えていたので準備は整えていたが、昨年12月のAirPods Maxや、今年9月の新型iPad miniなど想定外の出費もあり、「結構使ってしまったなぁ」という気持ちで年の瀬を迎えている。

そんな年の締めくくりに、ちょっと早めのクリスマスプレゼント、今年最後の散財としてミラーレスカメラ「α7C」を購入、フルサイズミラーレスデビューを果たした。

そもそも筆者がカメラを扱うようになったのは社会人になってから。それまでは携帯の内蔵カメラや、エヴァンゲリオンコラボだからと買ったリコーの「PENTAX Q10」をたまに使うくらいだったのだが、2015年ごろ、社会人になって最初に務めた某Web媒体で、記者会見の取材や製品撮りに一眼カメラが必要になった。

エヴァコラボという理由だけで購入したリコー「PENTAX Q10」
初めて本格的に扱った一眼レフカメラ「EOS Kiss X4」

編集部の共有機材として一眼カメラも用意されていたが、カメラを所有していないスタッフも多く、取材が複数重なると機材が足りなくなることも。先輩のベテラン記者から「早く慣れるには自分のカメラを使うのが一番」とも言われていたので、以前父が使っていたキヤノンの「EOS Kiss X4」を借りる形で本格的なカメラデビューを果たした。

レンズはネットの口コミやYouTuberのレビューを見て、評価が高く、値段も手頃だったSIGMAの「17-50mm F2.8 EX DC OS HSM」を購入。EOS Kiss X4は2010年発売の機種だが、F2.8で明るく、ボケ味も出せるレンズのおかげで不便さを感じることはなく、この組み合わせて約5年、日本国内はもちろん、海外での取材もこなしてきた。

転機となったのは2020年にAV Watchに入社したことと、コロナ禍でテレワークを求められるようになったこと。レビュー記事用にイヤフォンなどの撮影を自宅でする機会が増えると、シーリングライトしかない筆者の自室では絞り開放でも明るさが足りず、今度はISO感度を上げていくとノイズが目立つようになってきた。

別途ライトを用意すればいいだけの話だが、そもそもEOS Kiss X4は父の“お古”なので、ちゃんと自分用のカメラを買おうと思い、購入したのがレンズを流用できるキヤノン「EOS 9000D」。発売当時の実売価格は10万円前後だったが、筆者が購入した'20年夏ごろには86,000円で販売されていて手が届きやすかったこと、同価格帯だったEOS Kiss X10は小さすぎて、手になじまなかったことが決め手だった。

現在の“相棒”であるキヤノン「EOS 9000D」

有効画素約1800万画素で映像エンジンが「DIGIC 4」だったEOS Kiss X4から、有効画素数約2420万画素で「DIGIC 7」のEOS 9000Dに乗り換えたことで、多少ISO感度を上げてもノイズが目立ちにくくなり、(腕前はともかくとして)写真撮影で困ることはなくなった。

購入したばかりなので、EOS 9000Dには今後も仕事の相棒として活躍してもらうつもりだが、'21年に入って、このカメラでは対応できないことに興味が沸いてしまった。それは4Kの動画撮影。最近のVlogブームに影響され、筆者もコロナ禍が明けたら、旅行中の家族との様子や愛犬の姿などをVlogとして残しておきたいと思うようになった。

筆者が取材で撮影した動画。カメラは「iPhone 13 Pro」を使った

せっかくなら4Kの高画質で撮影したいが、EOS 9000Dで撮影できるのはフルHDまで。また、ミラーレスではないためボディが大きく、カバンに忍ばせて、いつでも気軽に持ち歩けるサイズとも言い難い。さらに、最近は取材先でも動画を撮影することが増えているので、仕事でも活用できるようにと、サブ機としてミラーレス購入を決意した。これが今年9月のこと。

本体サイズだけでなく、レンズのバリエーションや価格なども踏まえて、購入候補はα7Cズームキットに絞ったのだが、10月末に「α7 IV」が海外発表され、性能面でα7Cを圧倒していたこと、日本発売が予告されたこと、ボディ価格が2,500米ドルだったことから「せっかくならα7 IVにしてしまおうか」と気持ちが揺らいだ。

国内発売日と価格が発表されたあとも気持ちは揺らいでいたのだが、決め手となったのは、EOS 9000Dの存在と、α7 IVとボディ外観が近いα7S IIIを店頭で触ったこと。

EOS 9000Dは購入したばかりで写真性能に不満はなく、少ないながらレンズ資産もある。愛着も湧いてきているので、今後もメイン機として活用していきたい。しかし、ここでα7 IVを購入してしまうと、買ったばかりのEOS 9000Dをまったく使わなくなってしまうのではと考えた。

α7Cは写真で見るよりも持ちやすいサイズ感だった
EOS 9000D(左)とα7C(右)を並べたところ。圧倒的なサイズ差

そして、これは実機に触れる前から分かっていたことだが、実際にα7Cと、α7 IVにボディサイズが近いα7S IIIを持ち比べてみると、筆者が求める「カバンに忍ばせておける」サイズなのは、当然α7C。実際に手に持ってみると、α7Cは写真で見て想像していたよりは大柄で持ちやすいサイズ感だったのも、購入を後押しするポイントだった。

クーポンを所有していたため、今回はソニーストアでズームレンズキットを購入。購入代金は262,900円から、クーポン適用で231,940円(送料込)となり、α7 IVのボディ単体よりも10万円近くお得に。差額分を今後のレンズ購入予算にすることもできた。

長々と語ってきたが、要するに「コンパクトで気軽に持ち運べて、4Kが録れるカメラが欲しい」と考え、手持ちカメラとの使い分けや価格、サイズ感を踏まえた結果、より性能の高いα7 IVではなく、α7Cを選んだ。

Vlog用に評判の良いゼンハイザー「MKE200」も購入

まだ手元に届いてから1週間ほどしか経っていないため、操作感やキヤノンとは違う写真の色味など、戸惑っている部分もあるが、Vlog撮影用に口コミなどで評判の良いゼンハイザーのオンカメラマイク「MKE200」も購入して、動画撮影の準備は万端。

さっそくホワイトバランスなどはすべてカメラ任せにして、昼寝している犬を撮ってみたところ、先日のアップデートで追加された動画での動物瞳AFの正確さ、MKE200のクリアな音声に驚かされた。年末年始は近所を散歩がてら、α7C片手にフォトウォークならぬ、ビデオウォークを楽めればと思っている。

α7Cで初めて撮った動画
酒井隆文