プレイバック2024
水月雨「大都会 - COSMO」、オーテク「ATH-ADX3000」などヘッドフォンが増殖した2024年 by野村ケンジ
2024年12月27日 10:00
遅ればせながら、今年はTemuやAliExpressなどの海外通販で様々な雑貨を購入することとなった。きっかけは5月に購入したプジョー308SW(先代モデル)のドリンクホルダーが車内にひとつしかなかったこと。デュアルタイプなどを活用することでなんとか増やせないかいろいろ試みたものの(最終的に10タイプくらい購入してみた)すべて合わず、かなりの加工や作り込みを行なわなければならないことが分かった。
と、きっかけのドリンクホルダー増加計画は頓挫したものの、もののついでに電源タップ(オーディオ用でなくOAタップと呼ばれるもの)やUSBケーブルなどを購入しているうちになんだか楽しくなり、無駄に複数購入し、いろいろと試してみた。そのうち電源タップは、PSEマークがないものも多く、日本では(法律的に)実用できないなという感じ。
一方のUSBケーブルは、意外と使えるものが多かった。なかでもお気に入りとなったのが太めのシリコンケーブルを採用した製品たち。絡みにくいので扱いも容易なうえ、100Wや120W対応を謳っているだけあって急速充電にもしっかり対応。今後はすべてこのタイプに変更しようかという勢いとなっている。
ということで、小銭で楽しめる趣味の買物をはじめた野村ケンジだが、一方で本命?のオーディオ製品もいくつか導入している。
2024年は、オープンイヤー型やイヤーカフ型などのながら聴き向け完全ワイヤレスイヤフォンが注目を集めていたが、ヘッドフォン系も熱かった。欧米での人気の影響か、高級モデルからエントリークラスまで、有線ワイヤレス問わず様々な製品が登場した。
なかでも印象に強く残ったのが、EarFun「Tune Pro」だろう。ハイブリッドANCなどの機能性はもちろん、デュアル・ダイナミックドライバーによるリアルなサウンドに衝撃をうけた。これで1万円以下の価格設定というのは驚くばかり。後日AV Watchでレビュー記事も掲載予定だ。
そして水月雨「大都会 - COSMO」。昨年発売された「楽園-PARA-」の上位モデルだが、いやはや、導入せざるを得なかった。というのも、音質面で大きなグレードアップを果たしていたからだ。
クリアで抜けのよいダイレクトなサウンドは大いに気に入っていたのだが、解像度感やSN感など音質に関しては「大都会 - COSMO」が1枚も2枚も上手。しかも、高域がさらに滑らかになり、抜けよく心地よい超高域を楽しませて貰えるようになった。価格帯が違うとはいえ、1年でここまでの進化を押し進める水月雨に驚くばかりだ。
来年のリファレンス、仕事での活用を想定して導入したヘッドフォンもある。先日発売されたばかり、オーディオテクニカの「ATH-ADX3000」だ。実は、その上位モデル「ATH-ADX5000」を所有しているため不要といえば不要なのだが、16万円前後のプライスタグで「ATH-ADX5000」に近い音質を実現しているなど、作り込みにただならぬ思いを感じる製品となっている。
さらに、インピーダンス特性の変更で、DAPはもちろんドングルDACでもきちんと鳴ってくれるため、様々な製品をテストするのにもってこいの製品となっている。来年の試聴仕事で、大いに活躍してくれそうだ。
ワイヤレスではAKG「N9 Hybrid」がお気に入り。AKGらしさ全開のサウンドキャラクターもよいが、なによりドングル接続がとても良音質なのだ。
コーデックはLC3+を利用しているようだが、スマートフォンと直接Bluetooth接続するよりも断然いい音。特にSNのよさが別次元で、ワイヤレス接続であることを忘れてしまうほど。
ヘッドフォンやイヤフォンのドングル接続といえば、ゲーミングなど低遅延を実現するために利用しているものがほとんどだが、今後は音質のために利用するという新たな方向性が生まれてくるかもしれない。今後の動向を見守りたいところだ。
もうひとつ、nwm「one」にも驚いた。ハウジングのない開放型ヘッドフォンなのに、音漏れがほとんどないのだ。NTTの技術力には、感心するばかりだった。
ということで、2024年はヘッドフォンを中心に紹介させてもらったが、このほかにも、HiBy「R8 II」やONIX「XM5」などのDAPを導入してみたり、ドングルDACもいくつか入手したりと、相変わらず多数のオーディオ製品に囲まれる毎日を送っている。とても幸せな日々を送れているのは間違いない。