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小型&低価格でも実力十分「Sound Blaster X3」。映画やライブ、ゲームまで。あのSuper X-Fiも

誕生30周年の「Sound Blaster」から、注目モデル登場

パソコン用のサウンドカードの定番「SoundBlaster」。初代機「Sound Blaster」が登場した1989年から今年で30周年。その歴史は”PCのサウンドの歴史”そのものだ。USBモデルもクリエイティブは2002年に「Sound Blaster Extigy」を発表している(詳細はPC Watchの記事を参照のこと)。この記念すべき2019年に、内蔵型ハイエンドサウンドカードが登場。それに続き、USB接続の外付け型「Sound Blaster X3」が10月上旬に発売される。

Sound Blaster X3

こちらはコンパクトなサイズで直販価格11,637円とリーズナブルでありながら、従来のSound Blasterのオーディオエンハンスメントを受け継ぎつつ、同社独自のヘッドフォン向けの立体音響技術「Super X-Fiヘッドフォンホログラフィ」(以下Super X-Fi)を搭載しているのが大きな特徴。これにより、ヘッドフォン再生時でもよりリアルなサラウンドが楽しめるようになったのだ。なお、直販価格は11,637円だが、直販サイトのクリエイティブ ストアでは、過去に同ストアでSound Blasterを購入、または登録したユーザーに対して、10% OFFの割引を行なうアップグレードキャンペーンも実施している。

初代Sound Blaster登場から、今年で30周年(出典Creative Technology)

「Sound Blaster X3」は、パソコン用の外付け型USBオーディオインターフェースで、7.1chのオーディオ出力とヘッドフォン出力(3極端子)、マイク入力を備えている。ディスク再生、音楽配信サービスなどの音を高音質で外部スピーカーに接続して楽しむほか、ゲームもサラウンド音声で楽しめ、マイクを使ったボイスチャットなども行なえる。

このあたりは、従来のSound Blasterシリーズと同様だが、前述の「Super X-Fi」搭載が一番の特徴だ。SuperX-Fiとは、スマホ用アプリの「SXFI App」で両方の耳と正面の顔の写真を撮るだけで、ユーザーに最適化された頭部形状モデルを作成し、より自然な音響の再現が可能になる技術だ。

スマホ用アプリ「SXFI App」を使い、耳などを撮影。ユーザーに最適化された頭部形状モデルを作成する

ヘッドフォンで仮想的なサラウンド再生を行なうには、人間の頭部の形状を数値化したHRTF(頭部伝達関数)を用いて、右の耳と左の耳に入る音の聞こえ方の違いを計算することで再現できる。これは、一般的なヘッドフォンサラウンド技術のすべてに共通する基本だ。ただし、一般的なヘッドフォンサラウンド技術では、計算を行なう頭部モデルを“平均的な人間の頭部形状モデル”を使っているため、使う人によって効果に差が出たり、十分な効果が得られにくいことがある。

Super X-Fiは、両耳と顔の写真を撮影することで、頭部モデルをユーザーに最適化できる。スマホで撮った写真は専用のサーバーにアップロードされ、画像解析。解析結果をもとに、あらかじめサーバーに用意しているいくつかの頭部モデルを元にして、ユーザーに最適化した頭部モデルを生成するというわけだ。

これにより、ステレオ音声を再生すれば、その音はスピーカーの前で音を聴いているかのように、前方に定位する。ヘッドフォンにありがちな頭内定位を解消し、より自然な音の聴こえ方で音楽などを楽しめるようになるわけだ。さらに、Sound Blaster X3は最大7.1chのサラウンド音声にも対応しているので、サラウンド再生でもより本格的なヘッドフォンサラウンドを楽しめるのだ。

こういったユーザーに最適化したヘッドフォンサラウンドは、測定などに手間がかかったり、費用が高価であるなど、まだまだ一般的ではなかった。しかし、Super X-Fiは、スマホで写真を撮るだけという驚くほどの手軽さで実現してしまったのだ。

Sound Blaster X3

AKMの115dB DACを搭載。USB DACとしても優れた実力

さっそく取材用に実機をお借りして自宅で試してみた。サイズは横幅・奥行きともに10cmちょっとで、机の上に置いても邪魔にならない。背面には、フロント(左右)・センター、サイド(左右)、リア(左右)、サブウーファーの出力端子(3.5mmステレオミニ×4)があり、このほかに、光デジタルオーディオ出力、パソコンとの接続用のUSB-C端子がある。電源はUSBバスパワーなので電源は不要だ。

Sound Blaster X3を接続した状態。上面には大きなボリュームツマミのほか、マイクと音声モード切り替え、SXFI切り替えボタンがあり、それぞれ、インジケーターの色で動作状態が確認できる

7.1ch出力を持つ、事実上のUSB DAC内蔵のプリアンプ/ヘッドフォンアンプと言える製品だが、操作は実にシンプル。大きなボリュームツマミのほか、ボタンが3つあるだけだ。これだけでもある程度の操作は行なえる。

上から見たところ

コンパクトなサイズではあるが、音質にもきちんと配慮し、AKM(旭化成エレクトロニクス)の115dB DACを採用。デジタル音声はリニアPCMで最大192kHz/32bitに対応する。オーディオ機器にも使われる高性能DACを贅沢に使っているのだ。このほかに、Super X-Fiのために専用に開発されたDSPも搭載している。

Sound Blaster X3の背面端子部

まずは、Windows PCと接続して7.1ch再生

まずはWindows PCと組み合わせて使ってみた。機器の接続が済んだら、専用ソフトの「Sound Blaster Command」やドライバー類をインストールすれば準備完了。このあたりは作業は一般的なPC周辺機器と変わりはない。後はSound Blaster Commandを起動して、設定などを一通り行なう。サウンド周りの設定変更もすべてこのソフトで行なえるので、Windowsの設定やコントロールパネルを呼び出す必要がないのも便利だ。

「Sound Blaster Command」の画面。トップ画面はSBXプロファイル(音声モード)を切り替える画面となっており、音声効果を好みで切り替えできる
SBXプロファイルには、ミュージックやムービー、ゲームのほか、特定の人気ゲーム用のプロファイルも用意されている。
イコライザー機能で、好みに音質を調整することも可能。3つのモードを調整可能で、本体側のボタンで手軽に切り替えることもできる
再生デバイスなどの設定画面。出力デバイスの切り替えや設定などが行なえる

SBXプロファイルはいわゆる音声モードで、ゲームやミュージック、ムービーのほか、特定のゲーム用のモードも用意されている。そして、それぞれでサラウンドの効きや主に声の再現性を高めるクリスタライザーなどの効果を調整できる。このほかに、グラフィックイコライザー機能で好みの音質調整も行える。ちょっとしたAVアンプ並の機能がある。

再生のメニューでは、スピーカー/ヘッドフォンの切り替えや、再生デバイスの設定が可能。テストトーン機能もあり、スピーカーの構成(歯車のアイコン)をクリックすると、スピーカーの距離や音量を個別に調整することもできる。また、スピーカーは接続したスピーカーの数に応じて2ch/5.1ch/7.1chが選択可能。ヘッドフォンでは7.1ch固定で、ゲインを2段階(ノーマル/高)から選択できる。

ユニークなのは、SBXプロファイルなどの音声効果をすべてバイパスする「ダイレクトモード」が選べること。より高音質を求める人は使ってみよう。このほか、フィルターはDACのハイカットフィルターの遮断特性を選択できる。いくつかの種類があるので、好みの音質を選ぶといいだろう。オーディオクオリティは再生する曲などに合わせて切り替える。ハイレゾ音源の再生をする人はここで設定を行なう。最大192kHz/32bitまで選択が可能だ。

スピーカー構成の設定画面。スピーカーのサイズの選択のほか、仮想ヘッドフォンサラウンドの音をスピーカーから出力することもできる
ヘッドフォン構成の画面。ゲインをノーマル/高(ハイゲイン)から選ぶことが可能

また、ゲームユーザーに注目なのが、「スカウトモード」だ。これは、FPSなどで敵の動きを察知しやすいように、足音などの音を強調する音声モード。このあたりは、さすがはSound Blasterらしいゲーム向きの機能。

このほか、「レコーディング」ではマイクの入力設定などができ、ミキサーでは各入力/出力機器の音量を調整できる。「エンコーダー」は5.1ch音声をそのままリニアPCM出力とするか、ドルビーオーディオ形式で出力するかが選べる。光デジタル音声出力でAVアンプやサウンドバースピーカーと接続するときに機器に合わせて選択する(※SPDIF出力を既定のデバイスに設定する必要がある)。このほかは、ソフトウェアやハードウェアのアップデートなどを行なう詳細設定がある。

スカウトモードの設定画面。オン/オフが選べるほか、ホットキーの設定もできるので、ゲームユーザーならば設定しておくといいだろう
エンコーダーの設定。エンコーダーなしの場合はリニアPCM出力となる。ドルビーオーディオ形式に変換する設定も選べる
詳細設定では、アプリケーションとデバイスの設定が可能。ソフトウェアアップデートやファームウェアアップデートの確認や更新を行なう

では、さっそく使ってみよう。まずは「Foobar2000」を使って音楽を聴いてみた。設定で「Sound Blaster X3」用のプロファイルを選択すれば、「Foobar2000」で再生することが可能だ。そのほかの音楽ソフトや音楽配信サービス用のソフトでも、同様に使えるはずだ。

背後にあるパソコンと接続し、AVアンプのマルチチャンネル入力に接続した状態。ケーブルが短かったため、置き場所の自由度が高いのはありがたかった。

ダイレクトモードをオンにして、クラシックなどを聴くと、なかなかに粒立ちの良い再現だ。低音感もしっかりと出て、チェロの低音の響きも豊かに鳴る。中高域は明瞭で楽器の音色もきちんと描き分ける。適度にメリハリを効かせた聴きやすい音になっている。

一番感心したのは、音の緩急の差がよく出ていたこと。ゆったりした演奏はゆったりと、そこからテンポが上がっていくときのスピード感がよく出て、実にノリの良い演奏に感じられた。ロックなども熱気やテンションの高さがよく出ていた。より高価なUSB DACと聴き比べれば、楽器の音の細かな表情や音のエネルギー感など、多少物足りない部分もあるが、11,637円という価格を考えれば十分な実力と言える。

今度は映画のサラウンド再生だ。ここでは、「PowerDVD」を使って再生をした。特に設定をしなくても、そのままの設定できちんとサラウンド再生が行なえた。再生機器は自宅の視聴室のシステムを使うため、「Sound Blaster X3」の出力をAVアンプのマルチチャンネル入力に接続した。

Sound Blasterシリーズには、マルチチャンネル用のスピーカーセットなども発売されているので、これらを使えば接続はもっと簡単だし、スピーカーもコンパクトなので、個室などでもサラウンド再生が可能だ。5.1chスピーカーの「Creative Inspire T6300」ならば5本のスピーカーとサブウーファーのセットで8,480円と価格も手頃。パソコンユーザーならば、かなりリーズナブルに本格的な5.1ch再生環境を構築できる。

5.1chスピーカーの「Creative Inspire T6300」

実に凝った音響デザインの「スパイダーマン:スパイダーバース」を見てみたが、5.1chサラウンド音声を臨場感豊かに楽しめた。音の粒立ちの良さはサラウンド再生でも同様で、音の移動感や場所による音場の変化もきちんと再現した。ノリの良い音楽も低音のパワー感もしっかりと出て、スケール感や迫力もしっかりと出る。

大人気の「アベンジャーズ:エンドゲーム」も見てみたが、こちらも迫力や臨場感も十分。大型スピーカーと大出力のAVアンプで鳴らしているので当たり前と言えば当たり前だが、サラウンドの再現や情報量で普段のBDプレーヤーでの再生と比べて大きな不満を感じることはなかった。たくさんの音の定位を明瞭に描きわけ、移動感や包囲感がしっかりと出るので、小型でコンパクトなシステムと組み合わせれば、なかなかに楽しいサラウンド再生が味わえるだろう。

ヘッドフォンに切り替えて、Super X-Fiを試してみる

続いてヘッドフォン再生だ。「Sound Blaster Command」でスピーカーからヘッドフォンに切り替え、Sound Blaster X3に手持ちのゼンハイザーのHD800を接続して聴いた。ゲイン設定を高としたところ、十分な音圧が得られ、低音感も力強く鳴る。スピーカーでの再生と同様に、こちらも適度にメリハリを聴かせたバランスのよい鳴り方だ。

S/Nの良さも十分以上で、ヘッドフォンでじっくりと聴いてもノイズで小さな音が聴きづらくなるようなことはない。より良い音を求めればキリがないが、この価格帯としては十分な実力だ。

そして、Super X-Fiを試してみる。ユーザーに最適化したデータを得るには、スマホ用アプリの「SXFI App」であらかじめユーザー登録をし、写真を撮影してプロファイルを作成しておく必要がある。その後、「Sound Blaster Command」でSXFIのアカウントでログインすると、パーソナライズしたデータがダウンロードされ、最適化が完了する。

アプリのカメラを使い、自分の頭部のプロファイルを作成しておく
Super-X-Fiの設定画面。ここで事前に作成したプロファイルをダウンロードするため、SXFIアカウントにログインする。このほか、使用するヘッドフォンの選択も行なう
SXFIのプロファイル作成をガイドする画面。スマホ用アプリは、iOS、Androidの両方で提供されている

ここで、さらに、使用するヘッドフォンも選択する。ヘッドフォン用のデータは、クリエイティブメディアから発売されているモデルのほか、今ではかなりの数のモデルのデータが用意されている。ユーザーの多いアップルのイヤフォンや、オーディオテクニカ、ソニーといったメーカーも数多く揃っている。

設定を済ませて聴いてみると、まずは音が前方にきちんと定位することに驚く。HD800は開放型で音場感はかなり広いモデルだが、スピーカーから音が出ているかのようにボーカルや演奏が前方に定位する。いわゆるサラウンドヘッドフォンに感じる人工的な音の広がりや不自然さはほとんど感じることがなく、実に自然な感触だ。この音が得られるというだけで、USB DAC内蔵のヘッドフォンアンプとしてかなり魅力的だと思う。

しかもサラウンド再生もかなりリアルだ。前方の奥行きが増すことで音場の広がりや包囲感がしっかりと感じられる。「スパイダーマン:スパイダーバース」では、冒頭で主人公のマイルスがヘッドフォンで音楽を聴いているが、きちんとヘッドフォンで聴いている感じの音響になっており、ヘッドフォンを外すと音楽が画面の奥へスッと移動するという見事なサラウンド感の演出をしているが、この感じがしっかりと再現された。

「アベンジャーズ:エンドゲーム」では、迫力ある音も力強く再現するなど、臨場感たっぷりの音場が味わえた。じっくりと聴くと、真後ろの音がやや曖昧になるなど、スピーカーでのリアル7.1ch再生とは差を感じる部分もあるが、前方の奥行きやダイアローグがきちんと画面から聴こえてくる感じが得られるなど、ヘッドフォンサラウンドとしてはかなり優秀なレベルにあるのは間違いない。

なにより音が頭の周りにまとわりつくような不自然さや(物理的にではなく)耳の奥がかゆくなるような違和感をほとんど生じないので、存分にサラウンドの音響にひたれる。ステレオ音声だけでなく、BD/DVDのようなマルチチャンネル音声も楽しめるとなると、Sound Blaster X3の価値は飛躍的に増大する。動画配信サービスなどで映画を手軽に楽しむ人には、必須のアイテムと言いたくなる。

Sound Blaster X3は、Macやゲーム機でも使える。スマホアプリもかなり便利

Sound Blasterというと“Windows PC用”というイメージが強い人も少なくないかもしれないが、現行モデルではWindowsだけでなく、Macでも使える。「Sound Blaster X3」では、専用ソフトの「Sound Blaster Command」も用意されているので、ここまで紹介したことと同じことをMacでも行なえる。こちらのソフトウェア(試用版)も入手できたので、試してみた。

Mac版の「Sound Blaster Command」の画面。試用版のため言語が英語のみであること、SBXプロファイルが2つずつ表示されている不具合はあるが動作は問題なかった
再生の設定画面。スピーカーとヘッドフォンが選べることや最大7.1ch再生が選べることなど、機能としてはまったく同じだ。
Super X-Fiの画面。こちらも言語が英語であるほかはまったく同様。

Macに専用ソフトとドライバー類をインストールするのは、Windowsと同様。アプリも基本的なデザインはまったく共通だ。視聴で使ったMac miniや現行のiMacでは外付けの光学ドライブが必要になるが、BD/DVDの再生も可能だ(BD再生用ソフトも必要)。今回は、Mac用のBDドライブを用意できなかったので、2チャンネルの音楽再生だけを試しているが、ハイレゾ再生ソフトの定番である「audirvana Plus」できちんとハイレゾ音源を含めてステレオ再生できる。

音質としては基本的には変わらないが、再生機器がMac miniで再生ソフトが「audirvana Plus」であるため、多少感触は違った。どちらかと言えばMacでの再生の方が好ましかったが、これは普段からハイレゾ音楽再生用にMac miniを使っていることが多いためかもしれない。Windows PCとMacで音質の差はあって当然だが、それほど気にする必要はない。WindowsでもMacでもどちらでも使えることが重要だ。

そして、一番ありがたかったのが、スマホ用アプリの「Sound Blaster Command」だ。こちらもiOS版とAndroid版の両方が提供されており、Windows、Macのソフトと同様の設定や操作がスマホからでも行なえる。

アプリをインストールしてから起動すると、近くに存在する対応製品を探すようで、Sound Blaster X3をWindows、Macのどちらと接続していても、きちんとスマホのアプリとも接続ができた。この状態で設定などを切り替えると、きちんとSound Blaster X3が反応し、動作が切り替わる。例えば、映画再生を全画面表示で行なっていると、いちいちPC側で「Sound Blaster Command」を呼び出して設定を変更するのはかなり面倒だ。これはゲームをプレイしている時なども同様だろう。

ところが、スマホ版のSound Blaster Commandを使えば、画面は映画再生のままで、Super X-Fiの切り替えなどが簡単に試せる。いわばスマホリモコンのようなものだ。似たようなことは本体のボタンでもできるのだが、Super X-FのLEDの色による動作状態をマニュアルで確認する必要があり、慣れるまでは面倒だ。Super X-Fiに限れば、スマホ用アプリ(SXFI App)も必須なので、一緒に「Sound Blaster Command」もインストールしておいた方が便利だ。

スマホ版「Sound Blaster Command」の起動画面。対応機器(Sound Blaster X3)を自動で探し、接続が行われる。最初に行なう接続設定も非常に簡単だ
メニューアイコンをタッチすると現れるメニュー。機能としてはPC版とほぼ同様だ
ダッシュボードと呼ばれるメイン画面。Super X-Fiのオン/オフ、イコライザー設定などの主要な機能が一覧できる
サウンドエクスペリエンスの画面。Super X-Fiとイコライザー設定が行える。Super X-Fiのアカウント登録などは同様
ヘッドフォン選択で表示される製品名の一部。クリエイティブメディア製のヘッドフォンやイヤフォンの多くが用意されている
イコライザー設定の画面。基本的にはPC版のイコライザーと同様の機能になっている
再生の画面。スピーカーとヘッドフォンの切り替えと設定が行える。ダイレクトモードやフィルターの切り替えもここで行なえる

さらにこのSound Blaster X3は、PlayStation 4やNintendo SwitchなどとのUSB接続にも対応する。伝送する音声は2chになってしまうが、Super X-Fi+ヘッドフォンでのサラウンドを、家庭用ゲーム機でも楽しめる。これにより、PCを使っている時だけでなく、X3を活用する時間がさらに増えるだろう。

映画や音楽、ゲームまで幅広く使える「Sound Blaster X3」

Sound Blaster X3は、これまでのシリーズの特徴を継承しながら、Super X-Fiを搭載することで、ヘッドフォンユーザーにとって、さらに魅力的な製品になった。もちろん、スピーカーを使ったサラウンド再生をしたいという人にも、深夜などにヘッドフォンを併用することはあるので、Super X-Fiの搭載は歓迎だろう。

AVプリアンプ的に使えるサラウンド対応のUSB DACで、スピーカーもヘッドフォンも使用できるというだけで、活用範囲の広さはかなりのものだが、WindowsでもMacでもゲーム機でも使えるというのもありがたいだろう。

映画や音楽、ゲームと幅広くステレオからサラウンドまで良好な音質で楽しめる製品と考えると、11,637円という価格は、破格に安いと言いたくなる。そして、サラウンド音声対応のUSB DACとしても、他にあまり例がないユニークなモデルでもある。

今やスマホやタブレットに押され気味のPCではあるが、ビジネスはもちろん、ゲーム実況をはじめとする動画投稿といった趣味が普及している現在、PCを使った方がさまざまな作業を同時に行なえて便利という優位性は揺るがない。そんな人にとって「Sound Blaster X3」は実に頼りになるパートナーと言えるだろう。