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音楽配信からCDまで“なんでも再生”アイ・オーのストリーミングプレーヤー「Soundgenic Plus」が便利すぎる

ストリーミングプレーヤー「Soundgenic Plus」

Amazon Musicなどの音楽配信を日常的にスマホ + イヤフォンで聴いている人は多い。一方で「せっかく高音質で配信されているのだから、もっと良いスピーカーで聴きたいな」と思っているが、本格的なオーディオ機器は高価だし、巨大だし、手が出ない……という人も多いはずだ。

さらに、配信されていない手持ちのCDも捨てられない。けれど、気がついたら“CDを再生できる機器が家の中に無くなっていた”なんて人もいるだろう。

時代が進み便利になったはずなのに、手持ちのデジタルソースをイマイチ便利に、有効活用できていない……というジレンマだ。

そんな状況を、一気に解決する注目製品がある。アイ・オー・データ機器が発売しているストリーミングプレーヤー「Soundgenic Plus」だ。

見た目は黒い小さな箱なので、どんな事ができるのかイマイチわかりにくい。そこで、実際にいろいろなパターンで使ってみて、どれくらい手軽に、簡単に、快適なオーディオ環境が構築できるか実践してみた。

Soundgenic Plusで何ができるのか

「Soundgenic Plusで何かできるか」だが、具体的には以下の機能を持っている。

  • 1:NAS(ネットワークHDD)として音楽ファイルを保存
  • 2:保存した音楽ファイルを再生、アンプなどへアナログ出力するデジタルプレーヤー
  • 3:保存した音楽ファイルをネットワークプレーヤーから再生するメディアサーバー機能
  • 4:USB DACとUSB接続し、音楽ファイルをデジタル出力するネットワークプレーヤー
  • 5:音楽配信サービスの曲を、コンポやUSB DACへ出力するストリーミングプレーヤー
  • 6:Bluetoothレシーバー
  • 7:別途CDドライブを接続すると、CDプレーヤー、CDリッピング機にもなる

できる事がメチャクチャ多いので難しく感じるが、実際に使ってみると拍子抜けするほど簡単だ。

また、機能が豊富なので「でも、お高いんでしょう?」と身構えてしまうが、ラインナップは、2TBのHDDを内蔵した「HDL-RA2H」(オープンプライス/直販53,130円)と、1TB SSDモデル「HDL-RA1S」(同63,800円)の2機種で、どちらも数十万円するような高級オーディオ機器と比べるとリーズナブルだ。今回は1TB SSDの「HDL-RA1S」を使ってみる。

外形寸法は168×134×43mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約690gとコンパクト。片手でひょいと持ち上げられるだけでなく、コンポやスピーカーの背後に設置した場合でも目立たないのが利点だ。

また、表面がヘアライン仕上げになっているため、オーディオ機器らしい高級感がある。筐体にもこだわり、1.2mm厚の板金を採用する事で剛性を高めている。ファンレスなので、動作音も無いのも嬉しいポイントだ。

表面はヘアライン仕上げ。筐体の剛性も高い

セットアップはシンプル。開封したら、付属のLANケーブルを使い、背面のLAN端子とWi-Fiルーターを接続。あとは付属のACアダプターを本体につなぎ、前面の電源をON。LEDランプが緑点灯すれば起動完了だ。

背面
付属のケーブルとACアダプター

Soundgenic Plusとアクティブスピーカーでミニマムオーディオ

手始めに、“一番シンプルなオーディオ環境”を作ってみよう。

まず、パソコンに保存しているハイレゾファイルをSoundgenic Plusに保存する。アイ・オー・データ機器のWebサイトに、かんたんアクセスアプリ「LAN DISK CONNECT」が用意されているので、パソコンでそれを起動すると、Soundgenic Plusが見つかり、アクセスできる。あとは好きなSoundgenic Plus内のフォルダに音楽ファイルを転送するだけ。転送が終われば、もうPCを使うことはない。

「LAN DISK CONNECT」でSoundgenic Plusを見つける

再生制御はスマホ/タブレットアプリの「fidata Music App」で行なう。スマホやタブレットを、オーディオ機器のリモコンのように使うためのアプリで、起動すると、使用したいサーバーの選択画面が表示されるので、そこでSoundgenic Plusを選択。

続いてレンダラー、つまり音楽を再生する機器を選ぶ画面になるので、ここでもSoundgenic Plusを選択。これで準備は万端。

サーバーとレンダラーを選ぶ。ここは後で自由に変更可能だ
サーバーとは、レンダラーとは、コントローラーとは? も、図でわかりやすく紹介してくれる

Soundgenic PlusにはUSBオーディオケーブルが付属しており、背面のUSB端子にこれを接続すると、Soundgenic Plusで再生した音楽を、アナログRCAで出力できる。このアナログ出力を、アンプを内蔵したアクティブスピーカーに接続すれば、それだけで音楽が楽しめてしまう。

実際に筆者がパソコン用スピーカーとして使っている、クリプトンのアクティブスピーカー「KS-11G」とSoundgenic Plusを接続してみた。

付属のUSBオーディオケーブル。このケーブルの中にDACが入っているため、アナログ出力できる
付属のUSBオーディオケーブルの出力がRCA、クリプトンの入力がステレオミニだったので、間にRCA-ステレオミニの変換ケーブルも介している
Soundgenic Plusとアクティブスピーカーだけでオーディオ環境が完成!

スマホのfidata Music Appを起動すると、Soundgenic Plusの内蔵1TB SSDの入れた音楽ファイルが一覧表示されている。「フォルダ」「アーティスト」「アルバム」などの項目から聴きたい楽曲を選び、タップすればスピーカーから音が流れ出した。

iPadでfidata Music Appを使っている画面

この通り、Soundgenic Plusとアクティブスピーカーだけあれば、手持ちの音楽ファイルを再生できる環境が作れるわけだ。PCMで最大384kHz/24bit、DSDで最大5.6MHz(DoP動作)までの再生ができるので、ハイレゾファイルもOK。

シンプルなシステムだが、サウンドのクオリティは高い。「YOASOBI/アイドル」や「米津玄師/KICK BACK」を再生すると、アイドルの冒頭のパワフルな和音や、KICK BACKの切り込むような鋭いベースラインが鮮明に描かれ、情報量の多さを堪能できる。

特にKICK BACKは、様々なSEが散りばめられた楽曲なので、分解能が低いとゴチャゴチャした曲に聴こえてしまうのだが、Soundgenic Plus + KS-11Gで聴くと、広大に広がる音場と、その空間の様々な場所に定位するSE、そしてズシンと沈むベースの低音といった具合に、音楽が立体的に楽しめる。これは、イヤフォンやヘッドフォンで聴くオーディオとは大きく違う、スピーカー再生ならではの楽しさだ。

Amazon Musicの音楽まで再生できる

Soundgenic Plusが本当に便利なのはここからだ。

先ほどはSoundgenic Plusに保存していた音楽を再生していたが、なんと音楽配信のAmazon Musicに加入していれば、その楽曲も同じfidata Music Appで再生できる。

使い方は簡単で、先ほどのサーバー画面を上層に移動していくと「Music Services」という項目があり、その中にAmazon Musicのアイコンがあるので、選択してIDとパスワードを入れるだけ。すると、Amazon Musicで配信している楽曲や、Amazon Musicで既に使っているプレイリストなどがアプリから見えるようになる。

「Music Services」の中にAmazon Musicがある
左にAmazon Musicの楽曲が並んでいる

あとは、そこで選んだ楽曲を、fidata Music Appの再生プレイリストにどんどん登録できてしまう。

便利なのは、Soundgenic Plusのストレージに保存している音楽ファイルと、Amazon Musicで配信している曲を、区別なくプレイリストに登録できること。「これは手持ちのファイルか、配信の曲か」を一切考えず、見つけた曲をどんどんタップして再生リストに登録できる。まるで、家の中に膨大な楽曲が保存されたAmazon Musicのサーバーも存在しているような感覚だ。

Amazon Musicの曲も、ローカルにある曲も区別なく再生リストに登録できる

Soundgenic Plus + KS-11Gの組み合わせで、Amazon Musicから「milet/Anytime Anywhere」(葬送のフリーレンのエンディング曲)をうっとり聴いていたのだが、再生して音が出る前の無音の状態や、曲の中の静かな部分である事に気がつく。それは“静かなこと”だ。

いつもはデスクトップPCやノートパソコンにKS-11Gを接続して使っているのだが、パソコンには冷却ファンがついているので、どうしても「フィー」とか「コォー」みたいな騒音が常時出ている。つまり音楽を聴く時は、そうしたノイズも含めて聴いてしまっていた。

一方で、Soundgenic Plusはファンレスで、特にSSDモデルを使っていると無音だ。パソコンが起動していないので、部屋がとても静か。その静かな空間の中で、Soundgenic Plus + KS-11Gからスッと音が出てくると、音場の広さや、細かな音の描写がより聴こえやすくなる。逆に「今までどれだけのノイズと一緒に音楽を聴いていたんだ」と気がついてしまう。

またそもそも、空間が静かになると「ちゃんと音楽を聴こう」「今からはオーディオを楽しむ時間だ」という気持ちになる。音質が良くなるだけでなく、ライフスタイル的にも変化が生まれる体験だ。

圧倒的な使いやすさの「fidata Music App」

それにしても驚愕すべきは「fidata Music App」の使いやすさとスピードだ。楽曲選択画面が大きく表示されて見やすく、画面下部に再生中の曲を常時表示してくれる。スマホでも便利に使えるが、オススメはiPadなどのタブレットだ。

タブレットで横画面にすると、サーバーなどで音楽を探す部分と、再生リストの部分が見やすく左右に分割され、使い勝手がさらに向上する。もうメーカー純正アプリに戻れなくなりそうな便利さだ。

また、画面の左下には現在選んでいるサーバーがSoundgenic Plusと表示されている。右下のアイコンを押すとレンダラー、つまりプレーヤーとして使う機器の選択リストが登場。現在はSoundgenic Plusが選択されているわけだが、例えば他のオーディオ機器や、スマホ自身を選ぶ事も可能。スマホを選んだ場合は、同じ曲がスマホのスピーカーから流れるというわけだ。

サーバーとレンダラーの切り替えもすぐにできる

UIのデザインがわかりやすいという良さに加え、驚愕すべきは動作スピードの速さだ。

オーディオ機器のメーカーが用意しているアプリをいろいろ使ってきたが、そうしたものとは一線を画すサクサクとした動きが非常に気持ちが良い。あまりのサクサクしているので、音楽再生アプリというより、ゲームアプリのような気分にもなってくる。“音楽を選ぶのが快適”を通り越して、“選ぶこと自体が気持ち良い”という領域に入ってしまう。

関心するのは、内蔵ストレージに保存した音楽ファイルだけでなく、Amazon Musicの楽曲を再生リストに登録するスピードもサクサクしていること。音楽を聴くというのは日常的な行為だが、それがこのサクサク具合で楽しめるとなると、“fidata Music Appが使いたいからSoundgenic Plusを買う”というのもアリだろう。

なお1点だけ注意したいのは、Amazon Musicなどの音楽配信も聴けるのはiOS板のfidata Music Appだけで、Android版は対応していない。PixelシリーズなどのAndroidスマートフォンやタブレットのユーザーも増えているので、Android版での対応も期待したいところだ。

USB DACと接続、音質を追求するオーディオライクな使い方も

付属のUSBオーディオケーブルでしばらく音楽を楽しんでいたのだが、マニアの性で、さらに音質アップを目指したくなる。

そこで、普段USB DACとして使っているChord Electronicsの「Mojo」を用意。これをSoundgenic PlusとUSB接続してみた。

接続は簡単で、USBオーディオケーブルを抜いて、Mojoで使っていたUSBケーブルをSoundgenic Plusに接続するだけ。Mojoを接続すると、fidata Music Appのレンダラー欄にMojoが登場。それを選択すると、Mojoから音が出るようになる。あとは、Mojoとアクティブスピーカーをアナログケーブルで接続するだけだ。

USB DACとして使っているChord Electronics「Mojo」へUSBデジタル出力してみた

USBオーディオケーブルで聴いていたときも十分高音質だったが、USB DACとしてMojoを使うと、クオリティがさらに上昇する。分解能が上がり「米津玄師/KICK BACK」の細かな音も、1つ1つがよりクッキリと見えるようになり、さらに1つ1つの音がよりパワフルに前へ出てくるように感じる。

ローカルファイルだけでなく、Amazon Musicのサウンドもリアリティがアップ。「ダイアナ・クラール/月とてもなく」も、Mojoを介して聴くと、歌い出しで息を吸い込む「スッ」という微かな音がハッキリ聴き取れる。「こんな音も入っていたんだ」という発見が楽しく、Amazon Musicにある膨大な曲をどんどん聴き直してしまう。

ちなみに、Amazon Musicが高音質で聴けるのは、fidata Music App側に秘密がある。通常、Amazon Musicでは“途切れずに再生できる事”を最重視しており、対応機器も「楽曲の出だしは転送レートが低い状態からスタートし、徐々にレートが高くなって音が良くなる」という挙動をするものが多い。

しかし、fidata Music Appは再生開始までに少しのタイムラグが発生したとしても、出だしからMAXのレートで再生するように作られている。つまり、冒頭から最高の音質で楽しめる事を重視しているわけだ。代わりにギャップレス再生ができなくなるというマイナスはあるが、それよりも多くの曲が最初から最高音質で楽しめる方がオーディオファンには嬉しい事。細かな点ではあるが、音にこだわって作られている事がわかる部分だ。

なお、Amazon Music以外にも、今後日本でサービス開始予定「Qobuz」にも対応予定。サービスが開始されれば、Amazon Musicと同じように、Qobuzで配信される楽曲も、fidata Music Appで管理・制御できるそうだ。

日本でサービス開始予定の「Qobuz」にも対応予定だ

本格的なピュアオーディオ環境でも活用できる

USB DAC接続による高音質化が素晴らしかったので、さらなる高音質化を目指したい。小さなアクティブスピーカーにも我慢できなくなったきた。

そこで、本格的なピュアオーディオ環境に以降。デノンの単体ネットワークオーディオプレーヤー「DNP-2000NE」(275,000円)と組み合わせてみた。普段はDNP-2000NEのメーカー純正アプリで、NASに保存した音楽ファイルやAmazon Musicの再生を楽しんでいるが、これをfidata Music Appから再生させる事もできる。

やり方は先程までと同じで、ネットワーク上にあるDNP-2000NEを認識すると、fidata Music Appのレンダラー欄にDNP-2000NEが登場。これを指定すれば、fidata Music Appから音楽ファイルやAmazon Musicの曲を選び、DNP-2000NEから再生できるのだ。

上がネットワークオーディオプレーヤー「DNP-2000NE」、下がプリメインアンプ「PMA-A110

DNP-2000NEに接続しているプリメインアンプ「PMA-A110」(393,800円)、スピーカーB&W「804 D4」(ペア261万8,000円)を使って、Soundgenic Plusに保存したハイレゾファイルを聴くと、値段が桁違いなので当然だが、音場のスケール感、低域の深さ、高域の伸びやかさなど、次元の違うサウンドになる。

スピーカーB&W「804 D4」

机の上のアクティブスピーカーで楽しんでいた時は「デスクの上に音楽空間が広がる」感覚だったが、フロア型スピーカーで再生すると、部屋の中に等身大のボーカルや楽器が出現し、眼の前で演奏してくれているような“リアルさ”が生まれる。「ダイアナ・クラール/月とてもなく」を聴いても、「ここに顔と口があって……」と指し示せるほどのリアリティだ。

Soundgenic PlusがCDプレーヤー、リッピングマシンにもなる

配信されていない、手持ちのCDを聴きたくなったらどうすればいいだろうか?

答えは簡単、Soundgenic Plusに外付けのパソコン用DVD/BDドライブを接続すればいい。外付けディスクドライブを持っていないという人も、モデルによっては5,000円以下で購入できる。

実際にやってみよう。家にあったアイ・オーのDVDドライブ「DVRP-USBK」とSoundgenic Plusを接続。すると、fidata Music AppからCDが認識される。それだけでなく、Gracenoteから楽曲情報・アルバムアートも自動的に取得して表示してくれる。

アイ・オーのDVDドライブ「DVRP-USBK」
CDを入れてみる
Gracenoteから取得したアルバム情報、アルバムアートも表示。写真はリッピングが進行しているところ
リッピングの設定も可能だ

そして、fidata Music AppからCDのリッピングができてしまう。取り込みたい曲を選択し、リッピングを開始するだけ。取り込んだ音楽データはSoundgenic Plusのストレージに保存される。リッピングが完了した曲には「AccurateRip:OK」という表示があるが、これは音楽CDを正しく取り込めたかを、他の人の取り込み結果と照らし合わせて判断する機能だ。

Soundgenic Plusのストレージに保存されたCDの楽曲。これを手軽に再生できる

このように、リッピングという行程を挟むものの、Soundgenic Plus + DVD/BDドライブがあればCDの楽曲を聴く事もできる。一度ストレージにリッピングしてしまえば、以降はCDや光学ドライブを持ち出さずに、Soundgenic Plusから好きなCDの曲が再生できてしまう。過去のCDライブラリーの活用という面でも、便利な機能だ。

Bluetoothでさらに便利に

便利な機能はまだある。Soundgenic PlusにはBluetoothレシーバーも同梱している。これを背面のUSB端子に接続し、Soundgenic Plusの設定画面から「Bluetoothデバイスのペアリング」を選択。すると、スマホなどのBluetoothペアリング画面から、Soundgenic Plusが見えるようになり、Soundgenic PlusをBluetooth転送先として接続できる。

Bluetoothレシーバーも同梱

あとはスマホでYouTubeの動画を見たり、Netflixで映画を見ている時に、その音声をBluetoothを介してSoundgenic Plusから再生できる。小さなアクティブスピーカーであっても、スマホ内蔵スピーカーよりワイドレンジな再生ができるので、YouTubeのゲームプレイ配信や、Netflixの映画が一気にリッチなサウンドで楽しめる。ちょっとしたホームシアター気分が味わえるだろう。

スマホでの映像鑑賞が、よりリッチに楽しめる

デジタル音源であれば全部オレにまかせろ

実を言うと、Soundgenic Plusにはまだ機能があるのだが、ここまででも十分に“デジタル音源であれば全部オレにまかせろ”レベルに頼りになるストリーミングプレーヤーだというのがわかった。

Soundgenic Plusとアクティブスピーカーがあれば、それだけで音楽配信サービスやハイレゾ音楽ファイルを再生するオーディオシステムが完成するというハードルの低さは大きな魅力だ。

さらに、USB DACを接続して音質を高めたり、本格的なネットワークプレーヤーと組み合わせてよりピュアオーディオの世界に挑戦できるなど、ユーザーの興味が変化しても、それに合わせて活躍の領域を広げられる柔軟性も備えている。

また、ハードウェアとして優れていると同時に、CDから音楽配信まで、様々なメディアを一括して、しかもサクサク高速動作で操作できるfidata Music Appの完成度の高さも見逃せない。いくらハードの出来が良くても、ソフトウェアがダメならユーザー体験は悪くなり、毎日音楽を楽しむ気にならないだろう。

直感的な操作で、この曲も、あの曲もと、どんどん再生してしまうのはアプリの使い勝手が良いからに尽きる。市場にはSoundgenic Plusよりも何倍も高価なストリーミングプレーヤーは存在するが、ユーザー体験の質という面で、Soundgenic Plusは超高級ハイエンド機器にも負けないクオリティを実現している。そう考えると、Soundgenic Plusのコストパフォーマンスの高さは凄まじいものがある

とりあえずスピーカーで音楽を楽しんでみたいという人から、ピュアオーディオシステムを持っている人まで、あらゆる生活に柔軟に組み込める。Soundgenic Plusはデジタル・オーディオ時代の心強い相棒と言っていいだろう。

山崎健太郎