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ASMR好き編集部員、4400円で“ASMRの魅力が味わえる”AZLA「AIM C」使ってみた
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2024年11月1日 08:00
YouTubeの配信でも一般化してきているASMRコンテンツを聴いたことはあるだろうか。特殊なバイノーラルマイクで収録することで、ヘッドフォン/イヤフォンで聴くと、まるで目の前に音を発している物や、人が居るかのようなリアルな音声を楽しめるもの。イヤフォンで聴かないと臨場感が得られないので、スマホのスピーカーで再生して「何が良いのだろう?」と首をかしげる人も多いかもしれない。
イヤフォン/ヘッドフォンの中でも、さらに前後左右の奥行きの表現に特化した、ASMR向けとされているものを使うと、もはや別次元なのでは? と思うほどの体験ができる。AZLAブランドから登場した4,400円(税込み)のサラウンドイヤフォン「AIM C」(エイム・シー)もその1つだ。
空間と音の距離感表現に特化したイヤフォンで、プラグ部にUSB-Cを採用しており、PCやスマートフォン、Nintendo Switch等の家庭用ゲーム機でも簡単に接続して使える“ゲーミングイヤフォン”として展開されている。そして、もう一つ得意としている分野がASMRコンテンツだ。
不規則なノイズに包まれる“安眠系ASMR”に相性抜群
ASMRコンテンツは、美しい声の人が、耳元で囁いてくれるような臨場感を楽しんだり、森の中や海辺など、違う場所に行ったような気分になってリラックスするようなものが多い。
とくに筆者がよく聴くのはリラックス方面に振り切った安眠/睡眠導入系のコンテンツ。耳かきやタオル、スクイーズボールなど様々な道具を駆使して音を作ったり、ささやき声なども合わせて、ぼーっと聴いているだけで気づいたら眠っているといったもので、不眠気味な筆者は大いに助けられている。
筆者が作業時などによく聴くのは上記の2つのチャンネルから投稿されるもの。身体がこわばりがちで、頭痛も頻繁に起きるので、ちょっとリラックスしながら作業したいなという時に最適なのだ。
スマホのスピーカーや、低音に特化したイヤフォンなどで聴いてしまうと、ただの平坦なノイズが聴こえてくるだけなのだが、これをASMR用のイヤフォンで聴くと、音を出しているモノの距離感まで明確に見えてくる。
例に挙げた2つのチャンネルは収録している様子の映像もあるため、視覚で音の距離感が補正されて、一般的なイヤフォンでもそれっぽく聴こえるのだが、ASMR向けのものであれば映像を観ていなくてもその距離感が明確に感じられるわけだ。
AIM Cは、96kHz/24bitのハイレゾ対応DACを搭載しており、スマホなどに接続するだけで、ノイズレスのクリアな音質を楽しめるとしている。早速iPhone 16 Proに接続して、YouTubeで筆者が推しのVTuberのASMR配信を聴いてみた。
とくに相性が良いと感じたのが綿棒やスクイーズボールなどを使ってマイクの近くで起こすノイズ系の音だ。実際に耳元から耳の内側にかけて動いている感覚で聴こえ、そのランダム感が心地良い。この不規則感と優しいノイズに包まれる感じが余計な思考や緊張を解いてくれる。
スクイーズボール(ジェルボール)の音で特に心地良いのが、ノエル団長(ホロライブ3期生 白銀ノエル)のASMR配信。マイクから離して鳴らしている音と、至近距離の音、ダミーヘッドの耳に押しつけて、耳を塞いでいるような圧迫感も合わせ持つ音を組み合わせて、同じ道具でも飽きの来ないランダムな音を作ってくれる。
AIM Cでは、この耳元にぎゅっと押しつけられた圧迫感のある音が本当に耳を塞いでいる感覚になるほどリアルに再生される。この圧迫感と奥の方で鳴っているゴポゴポゴポ……という音の距離感も明確に聞こえるので、水中にいるときの感覚にも近く感じられる。プールの底まで潜ってぼーっとしている感覚、それが心地良い。例に挙げた配信のアーカイブでは1時間8分25秒あたりからジェルボールの音が始まる。
カナル型のイヤフォンなので、物理的に耳の中に入れているわけだが、空間表現を強みにしているだけあって、イヤフォンをせずに音を聴いているような、自分の頭から離れた位置から音が聴こえてくる。
耳の内での前後感が心地良いのはやはり“耳かき系”。ここで推したいVTuberが個人で活動している来音こくり。様々な耳かきの音を研究していた時期があり、耳かき系の音は彼女の配信がピカイチだと思って聴いている。落ち着いた声色のささやきと耳かきの音圧感のバランスが良く、単調にならない工夫や、リアルタイムでの両耳同時耳かきなど、ASMR系のVTuberの中でも技術力の高さが光っている。
AIM Cは外耳道の中を前後する様子が明確で、実際に耳かきや綿棒を使っているときの感覚を覚える。この感覚が一度ハマると抜け出せなくなるのだ。こくりちゃんの高速両耳かきでは、そこそこ長めの時間をかけての片耳ずつからの、両耳という流れが多いのだが、なかなか寝付けない日にぼーっと聴いているだけでも不思議と飽きないので、最近履歴に一番多く登場するのが彼女の配信になっている。
そして、声を大にして伝えたいのが“音が刺さらない”ことだ。というのも、“音が刺さらない”というのはASMRを聴くにあたっては本当に生命線のようなもので、最初に挙げた動画2本も、高域が刺さるイヤフォンで聴いてしまうと安眠どころでは無くなってしまう。ブラシやスポンジのパリパリした音はもう凶器というのが正しい表現になるだろう。安眠どころか叩き起こされて不快な気分を味わうことになる。
AIM Cは全体的には解像感の高いスッキリした音ではあるのだが、堅いものがぶつかる音や、パリパリとしたスポンジの音、人の声のサ行など、高域の鋭く感じることがある音は程よく丸まっている。
このサウンドは、共振を抑えるアルミハウジングと、ハイレスポンスな8mm径ダイナミックドライバーの組み合わせに、独自のフィボナッチフィルターを採用することで実現。さらに、イヤフォンでは再現が難しかった前後の空間表現と音の距離感表現に長けた3Dサラウンドサウンドチューニングを施すことでより臨場感を体感できるサウンドに仕上げたとのことだ。
そして、この音は人のささやき声とも相性が良い。声に温かみも感じるので、生の声を聴いているような臨場感がある。
ささやき声で外せないのが最推しのおかゆん(ホロライブゲーマーズ 猫又おかゆ)と言いたいところだが、ASMR配信の頻度も考慮して推したいVTuberは、ななしいんく所属の西園寺メアリだ。優しい声色で、全編を通してオノマトペも多め、そして吐息感や距離感まで伝わってくる音まで収録されており、AIM Cで聴くと、すぐ隣に居るかのような臨場感がより高まる。
メアリさんのASMR配信は、ちょっとした動きの音も魅力で、すぐ側に居る感覚が生々しく感じられる。その魅力にどハマりしてしまうと逆に眠れなくなるので気をつけたいところだ。シチュエーション色が強いときもあるが、何も考えずにぼーっと聴いたときの、声で包み込まれて眠りに誘われる感覚は格別だ。
音だけじゃない。着け心地の良さもASMRにぴったり
ASMRで重要な装着感についても語っていこう。AIM Cは、カナル型のイヤフォンながら、圧迫感が少ない装着感で心地良い。これは本体背部に設けられた排圧穴が効いているようだ。イヤーピースは軽い着け心地ながらしっかりと遮音性も備えていて、寝ホンに使うのであればそのままアラームもAIM Cから聴こえるようにセットしておきたいところ。
このイヤーピースは、バンドル専用に開発された「SednaEarfit SE1500」で、SS/S/MS/M/ML/Lの計6サイズが付属。低刺激フィットを実現する100%医療用シリコンを採用しており、耳道に優しくフィットするだけでなく、ホーン型の内部構造で音をストレートに届ける役割も担っているという。
ASMR向けとされるイヤフォンや、空間表現が得意なイヤフォンも増えてきてはいるが、AIM Cは4,400円という価格と、USB-Cで最近のスマホに直接接続するだけでこのクオリティを発揮してくれるのが注目のポイントだ。筆者も今回iPhoneに接続してYouTubeのASMR配信を試聴に利用したが、プラグ部分がUSB-Cというだけでも大分手軽に感じる。
旅行のときなども眠れない時のために有線イヤフォンを持って行ったりするのだが、その際にはケーブル型のUSB DACを繫いで、3.5mmプラグのイヤフォンを繫いで……と、なんだか一手間罹って面倒くさいし、あの短いDACケーブルは毎回どこかに置き忘れそうな気がして気を使う。
AIM Cであればそういった心配もないほか、筐体は小ぶりで耳からあまりはみ出さず、約17gと軽量なので寝ホンにもちょうど良い。ケーブル長150cmと余裕があるのも嬉しい。有線だとケーブルが気になる人もいるかもしれないが、筆者はむしろワイヤレスの充電切れでアラームが聞えずに寝過ごす方が怖いので有線派だ。
ちなみに、UAC1.0対応なので、スマホやPCのほか、SwitchやPS5などの家庭用ゲーム機でも、USB-Cで接続するだけで使える。
AIM Cは4,400円の価格でUSB-Cを挿すだけのお手軽イヤフォンながら、同時にこういったお手軽イヤフォンでは考えられない空間表現のクオリティと快適な装着感といった強みを兼ね備えた「ASMR音源をちゃんと聴くことができるイヤフォン」だ。とくにASMRのコンテンツに興味を持っている人は、AIM Cでその魅力を味わってみるのはいかがだろう。