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長く愛せるヘッドフォン&イヤフォンを探す人へ。デザインからBowers & Wilkinsを推す理由

私のモノ選びの基準は、たった一つ。「これが好き!」と強く思えるかどうか、です。

もちろん、何かを買うときに見るポイントは、いくつもあります。例えば洋服なら、サイズ感や着心地。カメラなら、センサーサイズや写真の仕上がり、使いやすさ、機動性などでしょうか。

だけど、どんなモノでも、最初に気になるのはやっぱり「デザイン」。見た目がかっこいいとか、色がカワイイとか。そんな第一印象が、買い物の入り口になっているはずです。

ヘッドフォンやイヤフォンを選ぶ時もそう。音質も、ノイキャンや通話などの機能も、装着感も全部、重要です。だけど、毎日使う相棒のような存在だからこそ、音が良くてノイキャンがすごい “だけ” じゃあ、もう決め手にはならない。どうせなら、持っているだけで気分が上がるような、「これが好き!」と思えるモノが良いと思うんです。

人それぞれ、どこを重要視するかは違うけれど、もし私と同じように “日々愛せる相棒” を探しているなら、迷わずBowers & Wilkins(B&W)を推したいと思います。

そこに在るだけで美しい。B&Wのデザインの魅力

B&Wのヘッドフォン、イヤフォンの魅力。第一にそれは、高級スピーカーブランドとして名高いブランドが生み出す、高い音楽再生力だと思います。

だけど、私が強く推したいのは、デザインの秀逸さです。

東京・表参道の骨董通り沿いにある「ヴァルカナイズ・ロンドン 青山」、その中にある「Bowers & Wilkins AOYAMA」へと訪れた私は、早速、その佇まいに惚れてしまいました。

壁にずらりと並んだヘッドフォンたち。遠目に見てもエレガントで、音楽を聴いていなくても手に取り、身につけたくなるような、モノとしての美しさがあります。きっとスマホの画面越しに見ても伝わっているであろう、素材の上質さも魅力です。

一方、ショーケースの中では、イヤフォンがその存在感を放っています。シンプルな形状で、よくあるタイプに見えるかもしれませんが、トップキャップ部分にはガラスのような光沢があるなど、チープさが一切なく、質感の高さが見てとれるのは、さすがだと思います。

ヘッドフォンもイヤフォンも、カラー展開が絶妙なことも魅力の一つ。ベーシックなブラック&ホワイト系に、ブルーとグリーンをラインナップ。ヘッドフォンには深いレッドも用意されています。

特に、ブルーのバリエーションはぜひ一度見てほしい!個人的にB&Wには、スピーカーにもある、ミッドナイトブルーのイメージが強かったのですが、ヘッドフォンの「Px7 S3」と「Px7 S2e」、イヤフォンの「Pi8」では、それを彷彿とさせるようなブルーが用意されています。

しかも、一つとして同じブルーはありません。「Px7 S3」のインディゴ・ブルーは青紫寄り、「Px7 S2e」のオーシャン・ブルーは少し黄色みを帯びた感じ、「Pi8」のミッドナイト・ブルーはネイビーのような深い青色と、キャラクターが分かれていて、どれも本当に美しい……!

他のカラーも色味が異なっていて、定番ブラックですら、ちょっとずつ違うから、印象もだいぶ変わります。トレンドを意識しながら、モデルごとに最適な色を選ぶ。そんなB&Wのこだわりが感じられます。

写真は「Px7 S3」のインディゴ・ブルー。肌を白く見せてくれそうな、紫みのある青が素敵でした

実際に手にとってみると、レザーやファブリック、金属のパーツ、イヤフォンの樹脂素材と、どれもが質感高く、滑らかな触り心地。見た目の印象通りで、「いいものに触れている」という実感が湧きます。

早速いくつかの製品を試させてもらうことに。私はこの日、黒のトップスに淡色デニム、ベージュのスニーカーという組み合わせだったので、まずはトップスに合わせて、「Px7 S2e」のブラックを着けてみました。

ヴァルカナイズ・ロンドンのBowers & Wilkins AOYAMAには、全身鏡があり、気になるモデルを着け比べて確かめられます

本体外側にファブリック素材が使われた「Px7 S2e」は、上質さの中にカジュアルな印象も兼ね備えたモデル。普段からデニムやスニーカーが多く、ラフな雰囲気が好きな人にはおすすめです。

事前に製品情報を見て、ちょっと難しそうかな……と思っていた赤系のカラーも、ガラッと印象が変わりました。特に「Px8」のロイヤル・バーガンディ。ベースカラーの赤も、アクセントのゴールドも、派手かと思いきや、実物は落ち着いた印象ですごく上品です。肌馴染みもよくて、想像以上でした。

でも、どれもこれも良いとなると、迷っちゃいますよね。やっぱり「好きな色」で選ぶのが一番ですが、それでも迷うときは、普段のファッションとの相性や、パーソナルカラーで「似合う色」を選ぶのも良いかもしれません。

パーソナルカラーは、肌や瞳、髪など、その人がもともと持っている色と “調和する=似合う色” のこと。顔周りに「似合う色」を近づけると、自然と印象が明るくなったり、顔色もよく見えたりして、気分も上がります。特に存在感が強いヘッドフォンの色に悩んだ時は、おすすめの選び方です。

ちなみに、東京のリトル・ロンドンと言われるヴァルカナイズ・ロンドン 青山では、様々な英国ファッションブランドも並んでおり、ファッションと組み合わせた展示もあるので、自分のワードローブはもちろん、新しいコーディネートを考えながら選ぶのもアリ。これだ!と思える一台を、ここならきっと見つけられそうです。

️万能カラーは、黒じゃない?「Px8」の“タン”が一年中使えるワケは……

さて、Bowers & Wilkins AOYAMAには、“お気に入りの一台を選ぼう” と意気込んで行ったのですが、じっくり吟味を重ねても、一台に絞るのは相当難しかった……。そこで贅沢にも、ヘッドフォンもイヤフォンも、“好きな色を一台ずつ”、合計4モデルを選ばせてもらいました。

まず最初に推したいのは、B&Wの最上位ワイヤレスヘッドフォン「Px8」です。

私が選んだタンという色は、「Px8」の中で唯一明るいカラー。ベージュとシルバーの組み合わせが目を引きます

「Px8」のデザインは、レザーと金属を組み合わせた高級感のある仕上がり。ヘッドバンドとイヤーカップの外側に使われたナッパレザーは、表面はサラリとしつつも、水分が満ちたようなしっとりさも感じさせる、セミグロウ肌みたいな滑らかな触り心地。つい撫でたくなっちゃいます。

私が選んだカラーは「タン」。本体はベージュカラー、金属部分はシルバーと、どちらも明度が高く、爽やかな印象を受けます。金属部分は、ダイヤモンドカットによってキラッと光るところと、加工でツヤ感を抑えたところがあり、そのコントラストも美しい……!

高級感があるので、キレイめの格好にもちろん合いますし、この爽やかなカラーリングのおかげで、デニムとの相性も良くて、夏の強い日差しにも映える色だと思います。

秋冬は洋服の色が暗くなりがちだからアクセントにもなるし、春らしい淡色とも合うし、これは一年中活躍してくれるはず!万能な色というと、ついブラックに目が行きがちですが、そんな人にこそ、タンを手にとってみてほしいです。

オールブラックでキレイめファッションの日に。ケースもあるんだけど、バッグに引っ掛けて見せたくなります

「Px8」は、B&Wの最上位ワイヤレスヘッドフォンです。内部には、B&Wの高級スピーカー「700シリーズ」のユニット技術から生まれた、専用の40mmカーボンコーン・ドライブユニットを搭載していて、そのユニットを配置する向きまで計算し尽くされています。アーティストの意図するままの音を届けるべく、徹底した設計が施されている……簡単にまとめるとそんな感じです。

左がPx7 S2に搭載するドライバー、右がPx8用に設計された40mmカーボンコーン・ドライブユニット

Bluetooth接続では、aptX Adaptiveコーデックまで対応。要するに、見た目以上に中身もすごくて、音質で不足を感じることはきっとないでしょう。

とはいえ、普段はコーデックを意識することなく、好きな音楽を垂れ流しにしている私。今回の試聴でも、いつも通りAmazon Musicで色んな音楽を聴いてみました。

印象的だったのは、どんな音源でも、スピーカーで聴いているみたいな空間の広さを感じられること。音楽と良い距離感が保たれて、自分だけのバーチャル音楽空間が広がっているみたい。繊細な表現力もあって、細かな音も聴き取れるけれど、調和の取れた優しい音だから、長い時間でも聴き続けられます。

ノイズキャンセリングをONにしても、耳が詰まったような不快感がなく、無理のない自然な効果が好印象。ナチュラルだけど、しっかり騒音は抑えてくれるので、外で音楽を聴く時も、通話する時も、本当に快適でした。

自然と押しやすい場所に配置されたボタン類。右側はいくつかあるけれど、何度か使ううちに覚えられ、意識せずともすっと操作できました

やっぱりブルーが好き!光で表情が変わる「Px7 S2e」の魅力

「Px7 S2e」オーシャン・ブルー。やっぱりB&Wのブルーは素敵!

「Px8」のタンに惚れこんではいるものの、それでもやっぱり、一度はB&Wの “青” を手にしたい。そう思って選んだのが、「Px7 S2e」のオーシャン・ブルーです。

やっぱりこの色、好きです。というか、B&Wの作るブルーが全部好き。この色でB&Wに沼ったといっても過言ではない!

ヘッドフォンはその存在感の大きさから、もはや音楽を聴く “だけ” のモノじゃなく、ファッションアイテムとしても活躍します。オーシャン・ブルーのような色を選ぶと、それだけでアクセントになるし、毎日コーディネートを考えるのも楽しくなりますね。

「Px7 S2e」では、各パーツごとに少しずつ色味が違っていて、光の当たり方によって色の感じも変わるから、見ていて飽きないのもいいところ。広い空間と臨場感を楽しめる良質サウンドと、この美しいデザインなら、毎日をより楽しく過ごせそうな気がします。

名前の通り、海のような深いブルーが魅力

さて、デザインに注力しすぎると、装着感が犠牲になることもありますよね。正直言って、B&Wのヘッドフォンは……全く問題ありません!むしろ、着け心地がすごく良いんです。

特に好きなのはイヤーパッドとヘッドバンドの内側。柔らかく、もちっとした感触で、心地よくフィットしてくれます。強い側圧で密着度を高めるモノもあるけれど、そういう圧迫感はほとんど感じませんし、快適そのもの。

もう一つ、確かな重みもポイントかなと思います。ずっしりと重たいヘッドフォンって、ありますよね。それだと疲れてしまうけれど、あまりに軽すぎると心もとないし、おもちゃみたいに感じたり……。

「Px8」と「Px7 S2e」は、どちらもすごく軽いとは言えません。ただ、重たいわけでもなく、身に着けると自然とバランスが取れて、安定感のある装着感を叶えてくれる。そんなちょうどいい質量があり、モノとしての価値をも感じさせてくれます。

ドヤる筆者を呆れた顔で見る猫様

お気に入りのイヤフォンがあれば、憂鬱な雨の日も好きになれそう

ヘッドフォンもいいけれど、もっと身軽に動きたい日には、やっぱりイヤフォンが便利。そんな時は、B&Wの「Pi8」と「Pi6」が活躍します。

ブランドの技術と上質さがギュッと凝縮された、小さくても頼りになる逸品で、実は「Pi6」は、私が日頃、数台使っている完全ワイヤレスイヤフォンの一つでもあります。ヘッドフォン「Px7 S2e」の技術をベースにして開発された、12mmバイオセルロースドライバーを搭載していて、音楽ジャンルを選ばず楽しめる美音が、日常使いにちょうどいいんですよね。

持っているのはストーム・グレー。チャコールみたいな柔らかな色で、とても気に入っているのですが、今回は「せっかくなら正反対のカラーを試したい」と思い、明るくホワイトに近い印象のクラウド・グレーを選びました。

「Pi6」はフェイスプレートだけ光沢仕上げになっていて、さりげなく耳元できらっとするのが可愛いんですよね。でも、私が推したいのはそこじゃなく、本体やケースの部分。

肌に吸い付くようなセミマットな加工で、これがまた質の良さを感じさせる、絶妙な仕上がりなんです。もちろん、ずれにくい装着感の高さや、滑りにくく落としにくいという物理的なメリットもあるので、一石二鳥ですね。

上位モデルの「Pi8」は、形状は「Pi6」とあまり変わらないものの、ロゴや一部のパーツにあしらわれたメタリックな装飾がポイント。本体部分はこちらもセミマットな仕上がりで、耳元でピタッとフィットしてくれます。中には12mmダイナミック型ドライバーを搭載しているのもPi6と同じですが、振動板が違って、Px8で採用した独自のカーボンコーン技術使われています。サウンドの解像度や精度を追求した作りになっています。

4色展開のうち、ブラックとミッドナイト・ブルーは同系色の、ダブ・ホワイトとジェイド・グリーンはゴールドのパーツが、本体を囲むようにして配置されています。このちょっとした細かい装飾一つでも、上位モデルらしい品格を感じさせてくれます。

色は最後まで迷いましたが、今回はジェイド・グリーン。フェイスプレートに設置されたクリアな樹脂パーツが、色をより輝かせるようで、翡翠を指す「ジェイド」という名前の通り、宝石みたいな奥行きがあります。

我が家に集まるグリーンたち。全部「これ可愛い!」という第一印象で選んだもので、今も買って正解だったと思える、素敵なモノばかりです

あまりにかわいいカラーなので、メイクとリンクさせて楽しんだり、使わない時にもふとケースを開けて見ちゃったりして、すっかりお気に入りの一台に。持っているだけで気分が上がるような、不思議な色の力を感じるジェイド・グリーン。明るい気持ちになれるから、薄暗く憂鬱な雨の日は、迷わず「Pi8」を選ぶようになりました。

音質はバランスがよく、B&Wらしい美しい音を楽しめます。解像度が高くて、いつも聴いている曲も「え?こんな表現あったの?」と改めて気付かされました。音楽を聴き込みたい時にはピッタリ。特に「Pi8」で聴くアリアナ・グランデの「twilight zone」は、伸びやかなボーカルと響きの美しさが堪能できて、最高でした!

持っているだけで気分が上がる、そんな愛しい一台を選ぼう

エレガントで上質。思わず手に取って愛でたくなるような、秀逸なデザイン。今回は、そんなB&Wの一つの魅力に絞って、紹介させてもらいました。

毎日使うヘッドフォンやイヤフォン。いつも使っているからこそ、優れた音質や機能をただ消費するだけじゃなく、日々のちょっとした瞬間が彩られたり、ふとした時に「これを選んで良かったな」と思わせてくれる、そんな愛しい存在であってほしいと、私は思います。

B&Wはどのモデルも、長く使い続けられる魅力に溢れています。頼れて愛せる、最高の相棒にきっとなってくれるはず。ぜひ一度、体験してみてください

三月旭

Web編集者、ときどきライター。昔からモノが好きで、気付いたらスマホ3台持ってました。ガジェットを使いこなすことなく、服と猫と共にただ愛でています。