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ケンウッド、DSD 11.2MHz再生も可能なハイレゾカーナビ。CarPlay/Android Auto対応

 JVCケンウッドは、ケンウッドブランドのAVナビ「彩速ナビゲーション TYPE Z」シリーズの新製品4機種を10月中旬に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は、11.2MHzまでのDSD再生機能を備えた「MDV-Z904」と、そのワイドモデル「MDV-Z904W」が各14万円前後。DSD非対応の「MDV-Z704」と、ワイドモデル「MDV-Z704W」が12万円前後。

DSD再生対応機種を含む、新「彩速ナビ」4モデル

 ケンウッドは2015年2月に業界初となる、192kHz/24bitまでのハイレゾ再生に対応した「TYPE Z」シリーズをラインナップに追加し、「MDV-Z702」と200mmワイドコンソール用「MDV-Z702W」を発売していた。

 今回は新たに、使い勝手や機能性を向上させた後継モデルとして「MDV-Z704/Z704W」を発表。さらにその上のクラスとなる「MDV-Z904/Z904W」の2機種を追加し、最大DSD 11.2MHzまでのハイレゾ再生対応などオーディオ機能を強化。アップル「CarPlay」や、Googleの「Android Auto」との連携機能も搭載した。

ワイドモデルのMDV-Z904W

 200mmワイドコンソール用のZ704WとZ904Wは、いずれも前面に新開発のフルフラット静電タッチパネルを搭載し、下位モデルと異なる筐体デザインを採用。ハードキーをなくし、操作はすべて画面上に表示されるボタンなどから行なえる。

 いずれも7型/800×480ドットのTN液晶を備え、地上デジタル放送のフルセグ/ワンセグ受信や、DVD/CD/SD/USB再生に対応する。アンプの最大出力は50W×4ch。

MDV-Z904
MDV-Z704
MDV-704W

音楽再生機能を強化。上位モデルはDSD 11.2MHz再生対応

 4モデルともWAVやFLACの192kHz/24bitまでのハイレゾ音楽ファイルが再生可能。最上位の「MDV-Z904」シリーズでは、11.2MHzまでのDSD再生も可能。なお、DSDファイルは本体に挿入したUSBメモリまたはSDカードからの再生となる。

DSDファイルを再生しているところ

 DACはいずれも旭化成エレクトロニクスの32bitプレミアムDACを搭載。MP3/AACなどの圧縮音源や、CD音源などの非ハイレゾ音源も、DSP処理で192kHz/32bitにアップコンバートして再生できる。

 独自の高音質化技術「K2 TECHNOLOGY」も搭載。ビット拡張、周波数帯域拡張、波形補正を行なうことで、録音時に失われた信号成分を補完し、CDやMP3などを高音質化して再生できる。

旭化成エレクトロニクス製のDACで192kHz/32bitへのアップコンバートに対応

 新たに「マルチAVブラウザ」を搭載し、内蔵メモリやUSBメモリ、SDカード内のすべての音楽/動画を横断的に、「アーティスト名」、「アルバム名」などで検索可能。ソース切り替えをせずにスピーディーに聴きたい音楽や動画を選んで再生できる。

 また、音楽プレーヤー画面には、従来の「スペアナモード」と「アルバムアートカラーシンクロモード」に加えて、アナログメーター風の画面を表示するモードを新たに追加している。その他、CD音源を内蔵メモリやSDカードに高音質録音する「高音質ロスレス録音」モードも新搭載した。

新搭載の「マルチAVブラウザ」
音楽プレーヤー画面に「アナログメーター」モードを追加

 Bluetoothを搭載し、スマートフォンの音楽をワイヤレスで受信して車のスピーカーで聴くことが可能。プロファイルはA2DP/AVRCP/HFP/PBAP/SPPに対応。コーデックはAAC/aptXもサポートする。

 MDV-Z904シリーズは、「プロモードEQ」を新搭載。映像の視聴位置や、音楽再生時のスピーカー位置など、ポイントに合わせて周波数レベルや周波数帯域を細かく調整し、車内の音響特性を最適化できる。

MDV-Z904シリーズは「プロモードEQ」も搭載

上位モデルはApple CarPlay/Android Auto対応

 MDV-Z904シリーズは、ナビ本体でiPhoneをコントロールできる「Apple CarPlay」、Androidスマートフォンと連携する「Android Auto」をサポート。

iPhone連携の「CarPlay」に対応

 CarPlay対応により、iPhoneとLightning接続して、音声認識やタッチパネル操作で「電話をかける」、「メッセージを送受信する」、「行き方を調べる」、「音楽を聞く」などの操作が簡単に行なえる。

Androidスマホ連携の「Android Auto」もサポート

 Android Autoでは、AndroidスマートフォンとUSB接続して音楽アプリや電話などが車内でも利用できるほか、Googleマップと連携して音声認識での目的地設定などが行なえる。スマートフォンにAmazon「Prime Music」や、「AWA」など、音楽配信サービスのアプリをインストールして音楽再生機能なども利用できる。

iPhoneのマップアプリを使ったところ
Android Autoのメイン画面

新UI「アクティブオーバーレイGUI」で操作性向上

 4モデルとも、メニュー画面は新たに「アクティブオーバーレイGUI」を採用。AV機能やナビ機能などを1画面にまとめた「エンターテイメント画面」と、よく使う機能や設定をショートカット登録して呼び出せる「マイメニュー画面」を備える。

「アクティブオーバーレイGUI」を採用
ナビ機能の使い勝手を向上

 画面左から引き出す「AVウィンドウ」と「MAPウィンドウ」に加えて、「INFOウィンドウ」を搭載。ドライバーが必要とする情報である、天気やカレンダー、大型アナログ時計、スピードメーターなどを1画面にまとめてダッシュボード風に表示する。

INFOウィンドウを新搭載

 ナビ関連では、GPSが使えない場所でも自車位置を正確に測位できるように測位精度を向上。マップの拡大率を変えずに見たい箇所だけルーペのように拡大する機能や、目的地までかかる時間や残りの距離をカウントダウン表示する機能など、細かな使い勝手の改善を施している。

DRV-N520

 別売オプションとして、MDV-Z904シリーズやMDV-Z704シリーズと連携する、ドライブレコーダ新製品「DRV-N520」を11月下旬より発売。店頭予想価格は22,000円前後。

 約400万画素のCMOSセンサーを備え、最大2,304×1,296ドットの「3M(メガ)高解像度録画」が可能。記録はフルHDにコンバートして行なう。レンズの画角は水平117度/垂直63度/対角128度。白とびや黒つぶれを抑えるHDR機能なども搭載する。

 録画モードは、常時録画/イベント記録/駐車録画を用意。手動録画にも対応する。録画フォーマットはMPEG-4 AVC/H.264(MP4)で、記録メディアは32GBまでのmicroSD/SDHCカード。

「価格に見合った驚きや感動を」。彩速ナビ初のアーティストコラボも

JVCケンウッド オートモーティブ分野 市販事業部 商品企画部の渋谷英治氏

 JVCケンウッド オートモーティブ分野 市販事業部 商品企画部の渋谷英治氏は、「カーナビ製品はここ最近、価格帯として手に取りやすいモデルが各社から登場している。カーナビに限らないが、10万円を超える製品の購入はやはり躊躇され、車も7年以上乗られる時代だ。当然、カーナビも(価格的に)厳しい目で見られる」として、他製品との価格差に納得できる付加価値が必要と強調。「価格に見合った驚きや感動を提供したい。特に、音楽で運転による緊張をほぐすことで、安全や快適さも提供したい」として、DSD再生対応した最上位モデルをはじめとするカーナビ新製品により、車内でも最高の音質で音楽を聴きつつ、ドライブを楽しめることをアピールした。

ビクターエンターテインメント ビクタースタジオ長の秋元秀之氏

 ビクターエンターテインメント ビクタースタジオ長の秋元秀之氏は、ハイレゾ音源配信サイト「VICTOR STUDIO HD-Music.」の取り組みをはじめとするハイレゾ音源をめぐる市場動向を紹介しつつ、「HD-Music.の売上実績は'14年から'15年の1年間で239%成長。タイトル数も1万を超えた('16年8月時点)」とコメント。彩速ナビを含めたハイレゾ対応のハードと、ソフトの両面が一体となリ、グループ全体でハイレゾ環境を強化していることをアピールした。

 彩速ナビのプロモーションとして、初となるアーティストコラボレーションを実施。3ピースのジャズバンド「JiLL-Decoy association」(ジルデコイアソシエーション)のDSDを含むハイレゾ音源を、VICTOR STUDIO HD-Music.からダウンロードできるクーポンをナビ購入者にプレゼントするほか、Webやカタログなどでプロモーション展開していく。

3ピースジャズバンド「JiLL-Decoy association」と、彩速ナビ初のアーティストコラボ
JiLL-Decoy associationとシンガーソングライター・清水愛さんを迎えたミニライブも行なわれた