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iOS版GarageBand機能強化でAlchemyシンセ採用。Logic Pro XはTouch Bar対応

 アップルは、音楽制作アプリの「GarageBand」と「Logic Pro X」のアップデートを1月19日より開始した。iOS用のGarageBand 2.2において、Logic Proに搭載されているシンセサイザーの「Alchemy」を採用。Logic Pro Xは新MacBook ProのTouch Bar操作に対応し、指先で直観的に操作できるようになったという。

iOS用GarageBand

 両アプリのアップデートは無償で提供。GarageBandは新規購入されるiOS端末に無料で提供されているが、旧モデルや無償対象外のデバイスの利用者は、App Storeから600円で購入できる。Logic Pro Xの新規購入は23,800円で、Mac App Storeにおいて販売する。

 Logic Pro XとGarageBandの連携も可能で、iPhoneやiPadを使って、Logicのセッションに新規トラックを追加可能になったのも特徴。新しい共有オプションを利用することで、LogicのプロジェクトをGarageBandと互換性のある特別なバージョンとしてiCloudにアップロードすることで、後からiPhoneなどで新たな録音を追加できる。このプロジェクトをiCloudに保存し直すと、次にMacで元のLogicのプロジェクトを開いた時に、iOSデバイスで追加した新しいトラックも自動的に反映される。

Logic Pro X

iOS用GarageBand 2.2

 サウンドブラウザは、従来よりも素早くTouch Instrumentの内容を確認できるように再設計され、探しているサウンドも見つけやすくした。

 Logic Proに搭載されているシンセサイザーのAlchemyを採用したことで、EDM、ヒップホップ、インディー、ロック、ポップなど様々なジャンルに合うようにデザインされた150以上のサウンドパッチを装備。AlchemyのTransform Padを利用して、8つのサウンドスナップショットの間をリアルタイムに行き来してサウンドを変化させ、表現力豊かなシンセ演奏を作成可能にした。

GarageBandの画面例(iPhone)
iPad画面

 複数回の録音からベストの演奏を利用できるマルチテイク録音に対応。録音後に各テイクを再生して気に入ったテイクに切り換えられる。Audio Recorderも再設計され、ワンタップで適用できるボーカルエフェクトや、ピッチ補正、ディストーション、ディレイなどのスタジオエフェクトを装備。また、ミックスを細かく操作したいユーザー向けに、インタラクティブでグラフィカルなVisual EQなどのオーディオプロセッシングツールや、サードパーティ製のAudio Unitプラグインエフェクトも利用できる。

Logic Pro X 10.3

 新MacBook Proで採用されたTouch Barに対応。タイムラインのオーバービューでプロジェクト全体を一目で確認でき、必要な位置への移動や、選択中トラックの音量調整/Smart Controlに対応。新しい演奏コントロール機能では、Touch Barを活用したソフトウェア音源の再生と録音が可能になった。

新MacBook ProのTouch Barから操作可能

 音階をカスタマイズできるピアノキーボードや、ドラムパッドも利用可能。カスタマイズ対応のキーコマンドボタンを利用してTouch Bar上のコントロール項目を設定することで、キーボードショートカットとして利用できる。

 任意のトラックにあるリージョンや編集部分を組み合わせて複数のプレイリストを作成し、それらを切り換えることができる代替トラック機能も搭載。様々なアイディアを試せるほか、トラックを発展させながら複数のバージョンの評価が簡単になったという。選択ベース処理を使えば、Logic内蔵またはサードパーティ製プラグインエフェクトを組み合わせて、単一または複数のオーディオリージョンに適用できる。この機能は、音質や音色を緻密にコントロールして最適化できるもので、「クリエイティブなサウンドデザインには欠かせないツール」としている。

 そのほか、64bitの集約エンジンや、192の追加バスを搭載。本格的なステレオパン機能も備え、ステレオ信号を個別に制御できる。