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Apple、新macOS「High Sierra」提供開始。4K HEVCやVR対応、Siriが楽曲提案

 アップルは26日、macOSを最新版の「High Sierra」(バージョン:10.13)にアップデートし、Mac App Storeで無償提供を開始した。2009年以降に発売されたMac全モデルをサポートする。

macOS High Sierra

 macOS High Sierraは動画圧縮規格のHEVC/H.265をOSレベルでサポート。MPEG-4 AVC/H.264と比べて最大40%高い圧縮効率を実現しながら、ストリーミング映像や4K動画を品質を損なわずに再生できるとする。なお、4K HEVCの再生には第6世代以降のIntel Coreプロセッサを搭載したMacが必要。

HEVC/H.265をOSレベルでサポート

 MacのGPUを活用するため、グラフィックスAPIは「Metal 2」に進化。音声認識、自然言語処理、機械学習などをサポートし、Thunderbolt 3経由でMacに外部接続したGPUも利用可能になる。MetalとAccelerateの両フレームワークを活用して機械学習機能を強化するCore MLにも対応する。

グラフィックスAPIは「Metal 2」に進化

 High Sierraでは、VRコンテンツ制作をMacで初めてサポートし、3DコンテンツやVRコンテンツなどを開発できる。利用できるのは、新しいiMac Retina 5Kディスプレイモデルや、'17年12月に登場する新しいiMac Pro、外付けGPUとの組み合わせに対応するMac('18年春にリリース予定)。ValveはStream VRプラットフォームをmacOSに最適化して、VRヘッドセット「HTC Vive」と接続できるようにした。UnityとEpicはそれぞれのVR開発ツールをmacOS用に提供する。

 年末に向けて、Final Cut Pro Xがプロ向けの360度ワークフローに対応予定。Macで360度動画の読み込み/編集/書き出しが可能になるという。

MacとHTC Viveが接続可能に

 そのほかの主な機能強化点は、下記の通り。

  • 新しいファイルシステム「Apple File System(APFS)」をフラッシュストレージ搭載Mac向けに導入。ファイルやディレクトリの複製などのタスクを高速化する
  • データ整合を行なう機能により、停電やクラッシュから保護
  • 「写真」アプリをアップデート。編集用UIを刷新し、コントラストの微調整用カーブや、色の調整用「選択的カラー」などが利用可能
  • 音声アシスタント「Siri」は、より自然な声で応答可能に。ユーザーの音楽の好みを学習し、カスタムプレイリスト作成や、Apple Musicを使って曲やアーティストについて解説するなど、ミュージックトリビアにも応える機能を装備
Siriはユーザーの音楽の好みを学習して再生楽曲を提案する

 High Sierraは、OS X Lion 10.7.5以降を搭載したMacであれば直接アップデート可能で、サポートするMacは下記の通り。

  • MacBook (Late 2009以降)
  • MacBook Pro (Mid 2010以降)
  • MacBook Air (Late 2010以降)
  • Mac mini (Mid 2010以降)
  • iMac (Late 2009以降)
  • Mac Pro (Mid 2010以降)