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フォステクスRP振動板ヘッドフォンの新作「T60RP」、ULTRASONEから「Edition 15」
2017年11月3日 16:49
東京・中野にあるAV機器の専門店フジヤエービックのデジタルスタイルショップが主催する「秋のヘッドフォン祭 2017」が、11月3日と4日の2日間、東京・中野の中野サンプラザで開催されている。入場は無料。ここではフォステクスやULTRASONE、オーディオテクニカなど、注目のヘッドフォン新製品の展示を中心にレポートする。
フォステクス
平面振動板を用いたプロフェッショナルスタジオ向けモニターヘッドフォンとして「T50RP mk3g」、「T20RP mk3n」、「T40RP mk3n」を展開しているフォステクス。それらをベースとしながら、リスニング向けのチューニングを施した「T60RP」という製品が参考展示されている。12月中旬発売予定で、価格は3万円前後の予定。
フォステクス独自開発のRP振動板(Regular Phase/平面振動板)を搭載したセミオープン型のヘッドフォン。モニターヘッドフォンで採用しているドライバをベースとしているが、レジスターやヨークに手を入れる事で、チューニングを変更し、能率面でもより鳴らしやすいヘッドフォンになっているという。ハウジングに木を使っているもの特徴の1つだ。
ケーブル着脱が可能になっており、別売のケーブルとして2.5mm、4.4mm、XLRのバランスケーブルも発売予定。モニターヘッドフォンシリーズが対応していない、バランス駆動も楽しめるモデルになる予定だ。
ULTRASONE
ULTRASONEブースの目玉は、開放型ヘッドフォンのフラッグシップモデル「Edition 15」。発売時期は未定、価格はオープンプライスで、店頭予想価格は36万円前後。
頭内定位を解消し、広がりのある音を実現する同社「S-Logic EX」テクノロジーを搭載しながら、開放型のヘッドフォンとなっており、従来よりもさらに開放的で、広がりのある自然な音場が楽しめるという。
同社のノウハウを盛り込んだ新開発の「GTC ドライバー」を採用しており、チタニウム素材のセンターキャップと、ゴールド素材の振動板を組み合わせた、ハイブリッド設計になっている。低域の描写力や高域の伸びなど、両素材の優れた特質を融合させた。
ハウジングは、アメリカンチェリーウッドの無垢材を手作業により切削したメインフレームに、エアフローを考慮してパンチングを施したステンレスプレートを組み合わせている。
イヤーパッドは、開放型の特性を活かすためにマイクロベロア素材を採用。マグネットによる脱着式で、消耗時などに簡単に交換できる。
また、専用オプションパーツとしてメリノシープスキン製の交換パッドも今後発売予定。交換すると低域の聴こえ方がより深く、密閉型ヘッドフォンのようにパワフルに変化。好みに合わせてチューニングできるようになっている。
オーディオテクニカ
オーディオテクニカブースの注目は、オープンエアのハイエンドヘッドフォン「ATH-ADX5000」(11月10日発売/オープンプライス/店頭予想価格24万円前後)だ。
58mm径と大口径なドライバを、バッフルと一体化して作り上げているのが特徴で、精度のバラ付きのない、不要な音の歪みを極限まで抑えて作られている。
キレのある重低音が特徴「SOLID BASS」シリーズのBluetoothヘッドフォンなど、ワイヤレスヘッドフォンの新ラインナップも紹介。「ATH-WS990BT」と「ATH-WS660BT」を11月10日に発売予定で、店頭予想価格はアクティブノイズキャンセリング(NC)機能も備えた「ATH-WS990BT」が25,000円前後、NC非搭載の「ATH-WS660BT」が15,000円前後。
「AT-PHA55BT」はLDACに対応したBluetoothレシーバ兼ポータブルヘッドフォンアンプで、11月10日発売。店頭予想価格は15,000円前後。ステレオミニの出力を備え、LDAC対応のプレーヤーやスマートフォンと連携すれば、ワイヤレスでもハイレゾ相当の高音質が楽しめるのが特徴だ。
ワイヤレスケーブル「AT-WLA1」は、オーディオテクニカのイヤフォン/ヘッドフォンで採用されている、A2DCコネクタに対応したBluetoothケーブル。A2DCコネクタ採用イヤフォンをワイヤレス化できる。10月20日発売で、店頭予想価格は12,000円前後。
ラックスマン
ラックスマンブースでは、取り扱うFOCALブランドのヘッドフォン新製品「CLEAR」を展示。12月発売で、価格は25万円。FOCALは高級ヘッドフォンラインナップとして、昨年に「UTOPIA」と「ELEAR」を発売しているが、その第3弾が「CLEAR」だ。
オープンバックタイプで、ユニットに「明晰でダイナミズムあふれる」再生が特徴という、40mm径の“M”字型アルミニウム-マグネシウム・ドーム振動板を採用しているのが特徴。新開発の高純度銅ボイスコイルと組み合わせている。
インピーダンスは55Ωで、より多くの出力機器と組み合わせられる。感度は104dB SPL/1mW@1kHz。全高調波歪率は0.25%@1kHz/100dB SPL。周波数特性(±3dB)は5Hz~28kHz。
ケーブルは着脱が可能で、ヘッドフォン側は3.5mm端子を採用。入力端子がXLR 4ピンのケーブルと、6.3mm標準ステレオのケーブル、3.5mmステレオのケーブル、合計3本を標準で同梱し、バランス駆動にも対応する。ケーブルの長さは3.5mmステレオ入力のみ1.2mで、それ以外は3mだ。
final
finalが11月30日に発売予定の「D8000」(オープンプライス/実売約388,000円)も、今回のイベントで注目のヘッドフォンだ。平面磁界型ヘッドフォンだが、AFDS(エアフィルムダンピングシステム)という新しい技術を採用しているのが特徴。
平面振動板をマグネットでサンドイッチする構造だが、振動板を制限なく自由に動かすことができつつ、振幅が大きすぎてマグネットに当たる事を防ぐために使っているのがAFDS。細かな穴が無数にあいた、パンチングメタルの板を、マグネットと振動板の間に配置。振動板の振幅によって動く空気を、パンチングメタルの板で最適化する事で、空気の層をダンプ材のように扱ってる。
なお、finalでは8階で特別試聴会を実施。試聴は1人15分の予約制で、整理券は14階のfinalブースで配布。ゆっくりD8000のサウンドが楽しめる環境を用意している。