ニュース

アイ・オー「CDレコ」に“大人”モデル。マクセル協業「プロジェクターたっち」も

 アイ・オー・データ機器は28日、音楽CDをPCレスでリッピングできる光学ドライブ「CDレコ」など今後発売の新製品を多数披露。スマートフォン用「CDレコアプリ」で集計した楽曲再生回数ランキングや、マクセル協業第1弾製品の「プロジェクターたっち」なども発表した。

直販限定「大人のCDレコ」(CDRI-W24AI2/P)

 4K/60Hz対応モデルなどの液晶ディスプレイ3製品と、fidataブランドのオーディオ向けUSBケーブルも発売予定。これらについては別記事で紹介している。

黒い「大人のCDレコ」。ランキングはback number首位、安室も人気

 「CDレコ」はパソコン不要でCDから曲をリッピングし、無線LANを使ってiOS/Androidスマートフォンに取り込めるCD/DVDドライブ。今回、既存の5GHz帯(11ac)対応「CDRI-W24AI2シリーズ」をベースにした「大人のCDレコ」(CDRI-W24AI2/P)を参考出展。本体上面のアクリルパネルにバンド風のデザインをあしらい、パッケージもブラックにしており、“音楽好きの40代男性”をターゲットにしたという。直販サイト「ioPLAZA」限定販売で、5月の連休頃の発売を目指す。価格は未定。

CDRI-W24AI2/Pのパッケージ

 また、CDRI-W24AI2シリーズのアクリル天板をマグネットで取り外せるようにして、オリジナルデザインパネルの着せ替えができる「CDRI-W24AI2/M」も参考出展。法人向けに展開予定で、顧客の要望に応じてパネルのデザインを作成したり、素材変更もできる。出荷時期や価格は未定。

天板をマグネットで取り外しできる法人向け「CDRI-W24AI2/M」
CDRI-W24AI2/Mのパッケージ

 アイ・オーが提供するCDレコ用のスマホアプリで収集したデータを元にした「CDレコ ランキング 2017」を発表。アルバム ランキング総合1位はback number「アンコール」で、男女どちらのランキングも1位となり、10代から50代の幅広い世代で聴かれていたという。

back number「アンコール」がCDレコ ランキング 2017のアルバム ランキング1位

 アプリのインストール件数57万件のうち、ユーザー登録した42万人(男性48%・女性52%)の楽曲再生数をクラウド上に集めて分析したもの。また、よく再生された楽曲を順位にした「ヘビロテランキング」、阿久悠や小室哲哉など作詞・作曲家別のランキングといった、さまざまな切り口でCDレコアプリでの楽曲再生数を紹介した。

CDレコアプリのインストール件数は57万件
ユーザー登録人数は42万人で、男女比は男性48%、女性52%

 同社では「CDレコのランキングはオリコンランキングとは(順位の並びに)あまり関係が見られない。むしろレンタルCDランキングと似ているように見える」としており、CD売上ランキングよりも実際にどんな音楽が再生されているか判断できるデータが得られるという。

 ランキング発表では、人気が高かった安室奈美恵の楽曲を、ものまねタレントの中森あきないさんがBluetoothカラオケマイク「シンガソン」で歌うサプライズパフォーマンスも披露された。

安室奈美恵の楽曲再生数ランキング
ものまねタレントの中森あきないさんが安室奈美恵のランキング1位曲「Hope」を熱唱
Bluetoothカラオケマイク「シンガソン」

マクセル協業「プロジェクターたっち」。80型透過スクリーンなど参考出展

 アイ・オー・データ機器とマクセルホールディングスは’17年に資本業務提携契約を締結している。その協業第1弾商品として、机上に映した映像に指で触れて操作したり投写面への書き込みできる「プロジェクターたっち」を発表。4月にビジネスや文教市場への投入を目指す。価格はオープンプライスで、想定売価は35万円前後。

アイ・オーとマクセルの協業第1弾「プロジェクターたっち」

 マクセルの超短焦点DLPプロジェクタ「MP-SW51MJ」と、アイ・オーのスティック型PC「CLPC-32WE1」、マクセルが開発した折りたたみ可能なタッチスクリーン「MT-01J」の3製品で構成。机上に敷いたタッチスクリーンにプロジェクタからPCの画面を投写し、マウスやペンの代わりに指で触って、映像を動かしたり書き込みができる。

 教育市場や企業の会議などでの活用を見込んでおり、「映像を囲んでディスカッションすることで生産性・質の向上が期待できる」とする。

プロジェクターたっちの製品構成
指でPC画面に触って操作できる

 プロジェクタの明るさは500ルーメンで、最大1,600×1,200ドットの映像入力に対応。スティック型PCはWindows 10 IoT Enterprise LTSB(64bit)を搭載する。

 タッチスクリーンは10点マルチタッチ対応で、二つ折りにして持ち運べる。開いた時の外形寸法は542×958mm(縦×横)、重量は2.1kg。

 アイ・オー・データ機器 執行役員 事業戦略本部 副本部長の岡藤雅夫氏が、協業の詳細について説明。商品企画から販売、購買物流などにわたり広範囲な協業体制の確立を目指すとして、4つのテーマを設定した。この中に「プロジェクタ関連の新商材やサイネージビジネスでの協業」を盛り込んでおり、「今後は製品の企画開発、製造段階といった上流工程から連携し、新たなビジネス展開につなげる」と話した。

プロジェクタやサイネージビジネスでの協業をテーマの一つに掲げる

 今後の協業の方向性を示す展示として、ホテルのラウンジ壁面などへの設置を想定した間接照明に超短焦点DLPプロジェクタとスティック型PCを内蔵した「スマート照明ブラケット」や、マクセルが開発した80型透過スクリーンと大型DLPプロジェクタ、アイ・オーのスティック型PCと「てれたっち(DA-TOUCH-P)」で構成したシステムなども参考出展した。

「スマート照明ブラケット」の参考出展
「80型透過スクリーン」の参考出展

「オーディオのクラウドビジネスに取り組む」。HDMIキャプチャ参考出展も

 アイ・オー・データ機器の細野昭雄 代表取締役会長は、CDレコや高級オーディオ「fidata」ブランドにおけるスマートフォンアプリの取り組みに触れながら、「今後もオーディオにおけるクラウドビジネスに本格的に取り組みたい」と話した。

アイ・オー・データ機器の細野昭雄 代表取締役会長

 同社の事業内容や今後の方針については、'17年に代表取締役社長に就任した濱田尚則氏が説明。’17年の収益カテゴリ構成は、液晶ディスプレイが23%、ストレージが25%で全体の半分を占め、映像関連やLAN・NASといったネットワーク機器は15%。業績推移は’17年6月期連結決算は484億6,100万円、経常利益は23億6,100万円で、’16年実績から成長。

’17年の収益カテゴリ構成
業績推移

 特に液晶ディスプレイが好調で、累計出荷台数は1,000万台を突破し、PC用液晶ディスプレイの国内シェアNo.1('18年1月時点、GfK Japan調べ)を獲得している。

アイ・オー液晶ディスプレイの累計出荷台数は1,000万台突破
カメラなどからのHDMI映像(1080/60p)をパソコンで録画できるキャプチャ「GV-HUVC」を参考出展。5月下旬出荷を目指し、店頭予想価格は18,000円前後
USB Type-C出力を備え、付属のUSB Type-CケーブルでMacbookなどに接続可能。USB TypeAのケーブルも付属する
Macbookとカメラの間にGV-HUVCを繋ぎ、QuickTimeで映像表示しているところ。Windows/macOSともにドライバのインストール無しで使えるという