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パナソニック、Googleアシスタント搭載スマートスピーカー/ヘッドフォン日本投入へ

 パナソニックは、2018年3月で創業100年を迎えることに合わせて、これまでの家電事業と、今後の家電の方向性、新たな取り組みについて説明会を開催。Googleアシスタント対応スマートスピーカーを通じた家電連携を'18年度をめどに順次導入することを発表。また、NTTドコモや、西川産業など様々なパートナーと協業し、AIやIoTなどを活用したサービスなどの提供を目指す方針を示した。

パナソニック 専務執行役員 アプライアンス社 本間哲朗社長

 パナソニック 専務執行役員 アプライアンス社 本間哲朗社長は、NTTドコモと共同で省電力広域無線通信技術「LPWA」活用のIoT家電を実現するための実証実験を行なうことや、新たな事業創出を目的にした新会社「BeeEdge(ビーエッジ)」の設立、西川産業と睡眠関連サービスを共同開発することなどを発表。

 家電のクラウド連携における具体的な施策としては、Googleアシスタント対応のスピーカーやヘッドフォンから、クラウドを介して、テレビやBDレコーダ、エアコン、セキュリティカメラなど家の機器と連携することで顧客体験の向上を目指すことを発表。そのため、Googleアシスタント搭載スピーカーとヘッドフォンを日本市場に導入することを明らかにした。

Googleアシスタント採用による顧客体験の向上
Googleアシスタント搭載スピーカー/ヘッドフォンを投入予定

 また、時期などの詳細は明らかにしなかったものの、LINEのAI「Clova」搭載スマートスピーカーとパナソニックの家電機器の連携を予告。本間氏は「新たな家電体験にご期待ください」とした。なお、Amazon Alexaとの連携については「海外向けBlu-rayプレーヤーなどの一部製品では既に始まっている。これからもそれぞれのアプリケーションに適した技術を提供したい」とした。

LINEのClovaとも連携を計画

ドコモとLPWA共同実証実験で家電のネット接続を簡単に

 ドコモと共同で実証実験するLPWA(Low Power Wide Area)は、低消費電力で長距離通信を実現できることから、IoTに最適な無線技術として注目され、ドコモはLPWAを活用したネットワークサービスの提供に取り組んでいる。

 パナソニックはスマホやインターネット回線経由でクラウドサービスと接続するIoT家電を発売しているが、クラウドサービスを利用するにはユーザーが家電とネットワークの接続を個別に行なう必要があり、LPWA機能搭載のIoT家電が実用化されれば、インターネット回線が無い家庭でも電源を入れるだけでLPWA通信を介してクラウドサービスが利用可能になるのがメリット。

ドコモと共同実証実験を行なう

 パナソニックはBlu-rayレコーダ「DIGA」やポータブルテレビ「プライベート・ビエラ」向けに、ドコモの「自然対話エンジン」を活用し、スマートフォンからの番組検索や予約ができるサービスを提供している。今後、両社はLPWAを活用した、より安全で安心して使える家電や、AIを活用した家電の企画/検討を進める。また、ドコモが2018年春から開始する「AIエージェントサービス」の利用も視野に、IoT家電向けクラウドサービスの企画や検討にも取り組む。

パナソニック製品のネット接続率。ドコモとの協業で今後の向上を図る

 今回の実証実験を通じて、LPWA通信技術を搭載したIoT家電の技術をビジネスモデルが確立された場合、実用フェーズに移行。将来的には年間数百万台規模のパナソニック製LPWA対応IoT家電を、ドコモの広域通信網を活用して両社のクラウドサービスに接続。IoT時代の新たな体験や価値創出を目指すという。

NTTドコモの古川浩司取締役常務執行役員
西川産業の西川八一行代表取締役社長