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AZLA、極薄3層振動板と密閉ハウジングを組み合わせた新イヤフォン「HORIZON」

 アユートは、AZLA(アズラ)ブランドの新イヤフォンとして、新開発の3層振動板を採用したダイナミック型の「HORIZON」(ホライゾン)を5月下旬に発売する。価格はオープンプライスで、直販価格は32,980円(税込)。カラーはエボニーブラックとクリムゾンレッドを用意する。

「HORIZON」。左からクリムゾンレッド、エボニーブラック

 AZLAは2017年の8月に、ダイナミック型ユニットとBAのフルレンジユニットを同軸配置し、そのユニットをポリカーボネートの透明なシェルで覆う「AZLA」というイヤフォン(直販税込49,980円)を発売している。新モデルのHORIZONは、ハイブリッドではなく、ダイナミック型ユニットのみを搭載したモデルとなる。しかし、この新開発ダイナミック型ユニットに特徴がある。

左が既発売の「AZLA」、右が新モデルの「HORIZON」

 ユニットは8mm径。3Dレーザースキャナーを使い、特に10kHz以上における分割振動モードを徹底的に解析。1層構造の振動版では難しい分割振動の抑制を、極薄の振動板を3層組み合わせる事で制御。周波数特性の乱れや位相歪みなどのないワイドレンジ再生を可能にしたという。なお、極薄の振動板を3層組み合わせているため、3層の状態でも46μの薄さを実現している。

 組み合わせる磁気回路にはネオジウムマグネットを採用。このダイナミック型ユニットは「ARD」(Advanced Research Driver)と名付けられている。

 このARDには、2つのベントを用意。空気の流れをスムーズにし、音の鮮明さや、低域と高域の再生能力を高めている。

 ARDユニットを、ポリカーボネート製の密閉型ハウジングで覆うエアフロー技術「Infinity sound technology」も採用。ARDと組み合わせた名称として「Infinity ARD」と名付けている。

 この構造により、密閉型でありながら、開放型の特徴も追求。空間表現に優れる開放型と、低域の表現力に優れる密閉型の特性を兼ね備えるという。

光に透かしたところ。丸いARDユニットを、ポリカーボネート製の密閉型ハウジングが覆っている

 Infinity ARDのコアとなる部分の筐体素材には、切削加工を施したアルミを採用。その外側ハウジングには、UVコーティングを施したポリカーボネートを使っている。内部のアルミ筐体と、外側の透明シェルは、どちらも上下2つのパーツを組み合わせた構造になっており、不要共振を防いでいる。

 ケーブルは着脱可能で、新たに開発したもの。端子はMMCXを採用。長さは1.2mで、入力端子は3.5mmのステレオミニ。芯材として高い強度と衝撃吸収性を持つケブラーと、高純度の銅線で構成。多くの独自処理を施すことで、高い純度で信号伝送できるという。

 イヤーピースはの創立準備の段階から、約2年をかけて独自開発したという「SednaEarfit」が付属。788人の外耳道を分析した上でデザインしたもので、素材に特殊な高品質シリコンを採用。共振による音質劣化を抑え、特に高域の表現力を最大限引き出すとする。3サイズを同梱するほか、ノーマルタイプのピースも付属する。

 入力感度は103dB、定格入力は5mW、最大入力は20mW。インピーダンスは27Ω±10%。再生周波数帯域は5Hz~30kHz。重量はケーブルを含めて約24g。

音を聴いてみる

 昨年発売された「AZLA」は、BAとダイナミック型の同軸で、ダイナミック型のパワフルかつ音圧豊かな低音が主張する、どちらかというと派手目なサウンドだった。

 HORIZONはそれとは方向性が異なり、非常にモニターライクな、低域から高域までバランスのとれた再生音になっている。

 特筆すべきは、薄く、分割振動を抑えた振動板による繊細で緻密な描写だ。ダイナミック型のみのイヤフォンだが、BAを搭載しているのではと思えるほど細かな音がよくわかる。トランジェントが良く、細かな音にも振動板が瞬時に反応し、音が無くなった瞬間もスッと音が消え、余分な音がでない。

 繊細なだけでなく、ダイナミック型らしい低域の力強さ、音圧の豊かさも兼ね備えている。なおかつ、その低域の描写も細かく、ドラムやベースの微細な音がクリアに描かれる。beyerdynamicも「XELENTO REMOTE」などで、極薄のダイナミック型ユニットを採用し、ダイナミック型とは思えないほど繊細な描写を実現しているが、それとよく似たサウンドだ。

 音場のスケールも広く、開放型のような気持ちよさもある。力強さと開放感を兼ね備えた描写は、ポリカーボネート製の密閉型ハウジングで覆う「Infinity sound technology」の効果なのだろう。

 モニターライクなイヤフォンを求める人や、ハイレゾの情報量を細かく聴き取りたいといったニーズにもマッチする。バランスもよく、基本的な再生能力が高いため、聴く音楽を選ばない。幅広いユーザーにオススメできるイヤフォンだ。