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「プレステ クラシック」からeスポーツ×VTuberまで、東京ゲームショウ開幕
2018年9月20日 18:37
コンピュータエンターテインメント協会(CESA)が主催する、国内最大のゲームイベント「東京ゲームショウ 2018」が20日、幕張メッセで開幕した。会期は9月20日~23日の4日間で、20/21日はビジネスデイ。22日と23日の2日間が一般公開日となる。一般公開日の入場料は、一般(中学生以上)が当日1,200円、小学生以下は無料。ビジネスデイはゲームビジネス関係者らが入場できる。
41の国と地域から、668の企業と団体が出展。国内からは338社で、初めて300社を突破するなど、出展社数と小間数は過去最大となっている。各ブースでバーチャルYouTuber(通称VTuber)が活躍。来場者と交流したり、企業やゲーム作品から生まれたオリジナルVTuberが、展示内容をアピールする姿が多く見受けられる。
さらに、「eスポーツ」も盛り上がりを見せており、ゲームショウ内で大型ステージ企画「e-SportsX(クロス)」がスタート。「RED STAGE」と「BLUE STAGE」という2つの巨大特設ステージには、各約600の客席を用意。初日の20日には、アジア競技大会eスポーツ競技に出場した日本代表3選手の凱旋報告会や、日本-オランダeスポーツ国際親善マッチなど開催。一般公開日の22日、23日には、幅広いジャンルから8タイトルの大会が実施される。
マウスやヘッドセット、ゲーミングチェアなどの周辺機器メーカーでも、eスポーツのプロ選手を招き、自社製品をアピール。ゲーム配信用のキャプチャ製品や、VTuberによるゲーム配信デモなども実施され、VTuber×eスポーツという、2つのムーブメントが融合している様子も見受けられる。
初代「プレイステーション」が手のひらサイズに!
ゲームのハードウェアで最も注目を集めているのは、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が19日に発表した「プレイステーション クラシック」(SCPH-1000R)だ。1994年に発売された初代「プレイステーション」をコンパクトサイズで復刻したもので、PSソフト20作品を内蔵。12月3日発売で、価格は9,980円。
外形寸法は約149×105×33mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約170gと、まさに手のひらサイズ。初代プレイステーションと並べて展示されており、その小ささがよくわかる。だが、色味や細部のデザインはそのまま復刻。外装パッケージまで同じデザインになっているなど、こだわりが感じられる。ただ、付属のコントローラーは通常サイズだ。
内蔵ソフトは、「R4 RIDGE RACER TYPE 4」、「JumpingFlash! アロハ男爵ファンキー大作戦の巻」、「鉄拳3」、「ファイナルファンタジーVII インターナショナル」、「ワイルドアームズ」など20作品。
本体にHDMI出力を備え、720p/480p、音声はリニアPCMで出力。電源はUSB給電というのもユニークなポイントだ。
VTuber関連展示や、女性向けVRゲームアプリ「VR」カレシ
IVRのブースでは、手軽にキャラクターをカスタマイズ&作成でき、VTuberデビューできる“Vチューバー支援サービス”「Vカツ」を紹介。Steamで無料配信を開始しており、現在までに45,000ダウンロードを達成したという。
ブースでは、リリース予定のiOS向けアプリ版「Vカツ」先行体験コーナーを用意。PCを使わない簡単さをアピールしているほか、VカツのアバターをVR機器を用いて動かす体験コーナーも用意。Vtuber気分が味わえるようになっている。
同ブースでは、今後iOS/Android向けに配信予定の女性向けの恋愛アプリゲーム「VRカレシ」も紹介。3Dキャラクターの体系、髪型、肌の色、筋肉量、服装などをカスタマイズでき、好みの容姿の“オリジナルカレシ”との恋愛が楽しめるというもの。声優には森久保祥太郎、鈴木千尋、細谷佳正を起用している。
ゲームの舞台となる「喫茶はるかぜ」をイメージした特設体験ブースを用意し、その中で、先行プレイが楽しめるようになっていた。
講談社VRラボのブースでは、VRアイドル3人組が歌って踊るコンテンツ「Hop Step Sing! 覗かないでNAKEDハート」を制作。Steamにて配信を開始している。
企画・演出は講談社VRラボ、キャラの造型とシステム開発は「東雲めぐ」を生み出したシーエスレポーターズ、キャラクターアニメーションはポリゴン・ピクチュアズが担当。音楽プロデュースはランティス(バンダイナムコアーツ)が担当。
空間音声としてミックスする音響技術Ambisonicsを駆使し、臨場感豊かな音楽体験が味わえるという。
VRアミューズメント筐体を手がけるJPPVRのブースでは、HMDを装着してVRコンテンツを楽しむ際に、臨場感を高めるためのバイクやF1カーのような筐体を多数出展。
ガトリング砲を模した器具を手に楽しむものや、傾きなどを6軸のアームで再現できるレースゲーム用筐体、高層ビルと高層ビルの間に設置した狭い板の上を、自転車で走り抜ける感覚が味わえる筐体など、ユニークなVRゲームを多数用意。体験中の来場者から「(ビルから)落ちる!!」などの悲鳴が飛び交う、賑やかな展示となっていた。
大型の筐体を使わずに、臨場感のあるVR体験を実現するための研究も進められている。広島市立大学大学院情報科学研究科の脇田航助教授が開発したのが「歩行デバイス」と「ライドマシン Lumbus」。
歩行デバイスは、金属フレームに放射状に取り付けた荷重センサーに、大腿部の体重を預けながら足踏みする事で、VR上で、その向きに移動できる技術。実際にその場で歩行するわけではないが、膝の上がり具合、前傾姿勢の程度をセンサーが感知。その強さに合わせて、VR上での歩行・移動操作に反映させている。
ライドマシン Lumbusは、椅子に座って利用するタイプ。椅子の下部をバランスボードとする事で、重さを下に逃し、2本のアクチュエータで揺動させている。ロール・ピッチ方向の傾斜角度は、一般的なものよりも広く、可動スペースの上にはバケットシート以外にも、ペダルなどを載せて様々な体験を作り出せるという。
自動車の内装・外装品などを手がけるトヨタ紡織、ティアフォー、シナスタジアが共同で出展。「VRドライブを楽しむ移動空間」を提案している。
将来、自動運転が実現した際は、車内のシートレイアウトが現在の自動車よりも自由度が高くなる可能性がある。例えば、進行方向に向かって横向きに座り、横に向かって流れる景色を楽しむドライブも可能になる。
そうした未来の移動空間の中で、エンターテイメントを楽しむ提案をブースで行なっており、今回の展示ではVR技術を活用。HMDを装着すると、車内の隣の席に、美少女やイケメンキャラクターが登場。バーチャルキャラクターと一緒にドライブを楽しみながら、景色の見所などを解説してもらえるデモを実施していた。
その他
アイ・オー・データ機器のブースでは、PC、ゲーミングディスプレイの新製品を参考展示している。
「LCD-M4K651XDB」は、65型と大型なモデルで、4K解像度のパネルを採用。今冬、198,000円前後で発売を予定している。タイマーで表示をコントロールでき、デジタルサイネージ用としても使えるディスプレイだという。
「LCD-GC242HXB」は、24型のゲーミングディスプレイ。240Hz、144Hzの高リフレッシュレートに対応しながら、39,800円前後のリーズナブルな価格を想定したモデルで、今冬発売を予定。背面に光るロゴマークを搭載し、発光パターンなどをカスタマイズできるのも特徴。
ゲームやアキバ系カルチャーなどに関連した、雑貨・ファッションを手がけるINDORのブースでは、2019年初頭の発売を目指して開発しているという、セガの「メガドライブ」デザインのクロスバイクを参考展示。予定価格は69,800円。
水島努監督と、シリーズ構成・横手美智子の黄金コンビが手がける、新作オリジナルアニメ「荒野のコトブキ飛行隊」。2019年1月からTV放送を予定しているが、スマホ向けゲーム化も決定。「荒野のコトブキ飛行隊 大空のテイクオフガールズ!」が2019年冬に配信される。